若手芸人にとって、お笑いの賞レースは人生を左右する大きいイベントだ。
『ツギクル芸人グランプリ2019』では、納言は最弱ファイナリストのレッテルが貼られたようだが、その3年後に太田プロの後輩であるストレッチーズは見事優勝!
今月は、賞レースとストレッチーズの裏話が盛りだくさんです。
納言は最弱ファイナリスト?
『ツギクル芸人グランプリ』という大会がある。
名前の通り、次に必ず売れる、必ず来るであろう芸人を決める若手の大会。今年で3回目。
私達は、第一回2019年に出場している。
個人的に大変思い入れの深い大会だ。
『ツギクル芸人グランプリ』は、1stステージから勝ち上がった3組がファイナルステージに進出し、そこで最も多く票を集めた芸人が優勝となる。
私達は第一回のツギクルで、ファイナルステージまで進出する事が出来た。
ただ、1stステージはボロボロに敗退している。
1stステージ終了後、審査員からネタの感想を貰う時間がある。
よく覚えている。
“納言は治安が悪い。僕はあんまり発言したくない”
ざっくりまとめると、審査員全員こんな感じの感想だった。
第一線で活躍されている審査員の方ばかり。
流石だ。
悪口しか言わないネタをする私達を褒めようものなら、自分達に被害が及ぶ可能性がある。
ある種の危機管理能力なのだろう。
すっごい、私達に絡みたく無い様だった。
得票も0。
全員かが屋に入れていた。
見事なまでに敗退した私は、岡野陽一さんと歯溶けるまで喫煙所で煙草を吸って、大会の終わりを待っていた。
1stステージ全組が終わった後、ファイナルステージ進出組以外がステージ裏に並ばされた。
第一回目は1stステージで敗退した芸人の中で、審査員が決めた1組だけファイナルステージに進出出来る、ワイルドカードという枠があった。
そのワイルドカードに選ばれた芸人を発表する為だ。
全員残るひと枠に望みを託し、お祈りのポーズをしていた。
私も、皆のマネをしてみた。
審査員から発言を控えられる様な奴が、そんな訳が無いから、格好だけマネしてみた。
「ワイルドカードは、、、」
MCのこじるりさんが、最高な間をとって進出者を発表する。
「、、納言です!」
納言なのかよ。
正直な感想
“やっべー”
だった。
プロ意識が欠落しているとしか言えないのだが、完全に諦めていたから、次のネタ合わせを一回もしていなかった。
ほんっとうに岡野陽一さんと煙草を吸っていただけだった。
たまたまその時隣に立っていた岡野陽一さんが“やったな!”という意味で肩をポンと押してくれた。
ニコッと笑ったその笑顔。
確か歯、6本溶けていた。
ワイルドカードに選ばれた理由は
「納言を応援していると思われたくない。無記名のワイルドカードなら自分が選んだ事がバレないから」
審査員全員、そんな感じだった。
どうにかこうにか、急いでネタ合わせをして、無事ファイナルステージを終える。
最終得点。
また、0票だった。
1stステージ:0票
ファイナルステージ:0票
総獲得票数:0票
最弱ファイナリストの誕生だ。
結果、誰にも応援されず辱めを受けただけに終わった私達の『ツギクル芸人グランプリ』だったが、この後すぐに審査員をしてくれたプロデューサーさんから仕事を貰ったり、他の番組にも沢山出る事が出来た。
心から感謝している。
ちなみに第二回からは、このワイルドカードというシステムは排除されていた。
最弱ファイナリストのせいでは無い事を祈るばかりだ。
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