写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11⽉に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
晴れの日散歩

第5回目。
今日もいつの日からか自分の習慣となった「晴れの日散歩」をしているといつの間にか柵が設置され、空地となっていた場所にちょっとした花畑ができていました。
誰も手をつけてはなさそうで、都内を巡った綿毛が無賃でここに住み始めたのでしょう。
気の向くままに伸び伸び咲き誇る野花の自然な色味に心掴まれ、ボーッと柵の隙間からのぞいていると、奥に人工的な色味の集まるストリートアートがありました。
おそらく仲間と深夜に忍び込み、壁にペイントを施したのだろうと想像すると同時に、深夜ではこの野花のかわいさには気づけなかっただろうなともったいない気持ちになりました。
そんな空想に浸り、散歩の休息を図っていたら、ふと、この光景が少し不思議に思えてきました。

普段、都内で見ることのできる花々は人の手によってきれいに整備され、水を与えられ、飾られているかのような素晴らしい仕上がりで。
ですが、この柵の中でしか見ることのできない野花たちは自分の気の向くままに伸び伸びと咲き誇っていて。僕の心の中にある“魅力を感じるフック”は前回お話しさせていただいたように自然体な姿が好きなことに意味が重複しますが、“飾らない個性”に惹かれるのだろうなと再度感じました。
「空地の花」のように迷惑をかけず自由に咲き誇り、人の心をちょこっと動かすことができる、そんな存在になりたいと思いました。
今日は『となりのトトロ』を観て寝ます。

加賀翔(かが屋)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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