『元彼の遺言状』衝撃の2話 遺言状を書いた理由がわからないまま事件解決、生田斗真はもう出てこないの?
綾瀬はるかと大泉洋がバディを組んだ月9ドラマ『元彼の遺言状』(フジテレビ)。「財産は、僕を殺した犯人に相続させる」という異例の遺言が公開され、華麗なる一族の愛憎がくんずほぐれつするミステリーだろうと相関図も用意して構えていたら、2話目にしてあっさり事件解決してしまった! さて、ここからどうなる? 漫画家でライターの北村ヂンが考察する(ネタバレを含みます)。
まさかの第2話で真犯人判明
綾瀬はるかと大泉洋がバディを組んだ月9ドラマ『元彼の遺言状』第2話。主人公・剣持麗子(綾瀬はるか)の元彼・森川栄治(生田斗真)が「財産は、僕を殺した犯人に相続させる」という異例の遺言状を残して亡くなった(殺害された?)。
この事件を、1クールかけて描いていくと思っていたのだが……。
第1話では、栄治が死んだことよりも遺産の行方ばかりを気にする、森川家のドロドロした人間関係も明かされ、これからじっくりと犯人捜しが行われるのかと思いきや、まさか第2話で事件が解決するとは!
別の意味で、誰にも予想できなかった展開だ。
原作は第19回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しヒットした新川帆立の小説『元彼の遺言状』。第1話の段階で原作を半分くらい消化してしまっていたため、かなりオリジナルの展開が増え、真犯人も変わってくるのだろうと楽しみにしていたのに……。
森川家での事件は1~2話で終了。第3話からは原作の続編となる短編集『剣持麗子のワンナイト推理』やオリジナルの事件が1話完結で繰り広げられるとのこと。
しかし、森川家の事件もまだまだスッキリとは終わっていない。真犯人が明かされてもなお、モヤモヤしているポイントがあるので振り返っていこう。
いろいろと設定がブレてるんだけど……
栄治を殺した真犯人は、愛犬・バッカスの主治医である堂上圭(野間口徹)と判明し、逮捕もされている。
殺害理由は、自分の元妻・真佐美と栄治が不倫していたことを知り、なおかつ引き取って育てている息子の亮(白髭善)も、栄治の息子だったことを知ったから。
「あの人(栄治)は、僕から妻と息子を奪った。ずっと殺意をこらえて苦しんできたのに、あいつは僕をあざ笑うかのような遺言を……」
しかし堂上が、どういう経緯で真佐美の不倫や、亮の本当の父親を知ったのかはよくわからないままだった。
麗子たちが真犯人を堂上であると突き止めたきっかけも、栄治の顧問弁護士だった村山権太(笹野高史)の金庫から出てきた、栄治の遺言状とDNA鑑定の結果を見たから。
とはいえ、DNA鑑定書には具体的な対象者名は書かれていない。
遺言状に添えられていた「元カノリスト」の中で、遺産相続会に現れていなかった人物の名前から、もろもろの事情を推理したようだが……。
「元カノリスト」には旧姓である「佐藤真佐美」と書かれていた。
第1話で堂上がつぶやいていた「真佐美は……いや、別れた妻は」というひと言から、この結論にたどり着いたとしたら麗子の記憶力&推理力はとんでもない。
しかし栄治も、真佐美が離婚をして(おそらく不倫が原因だろう)旧姓に戻っていることを知りながら、堂上ともニコニコ付き合っていたんだとしたら、なかなかの鬼畜野郎だ。
村山弁護士がDNA鑑定の結果を持っていた理由は「真佐美さんが鑑定をし、それを村山先生に託したのでしょう」とのことだが、約1080億円の遺産についての遺言状を差し置いて、DNA鑑定書だけが金庫の中の金庫に厳重にしまわれていたというのも意味ありげだ。
そして、栄治殺害を告白した堂上に対して、麗子が投げかけた言葉も気になった。
「意味がわからない。そんな1円の得にもならないことで殺人を犯すなんて、割に合わない!」
しかし堂上は「財産は、僕を殺した犯人に相続させる」という遺言状を見たことで、最終的に殺害を決意しているのだ。「1円にもならない」どころか、数百億円が手に入ることをわかっていたことになる。
ましてや麗子は、真犯人であることを主張することで刑務所に入ることになるのを嫌がる篠田敬太郎(大泉洋)に、
「は? 20年やそこらの辛抱じゃない。耐えれば150億よ!」
と言い放つほどの銭ゲバなのだ。キャラがブレブレ過ぎないか!?
生田斗真がもう出ないなんてことある!?
もうひとつのモヤモヤポイントは、そもそもなんで栄治はこんなややこしい遺言状を残したのかということ。
原作では、こんな遺言状を残した理由が明確に語られているが、ドラマ版では合理的な理由はまったく描かれていない。
栄治の兄・富治(生田斗真・一人二役)は、
「栄治は僕が想像するすべてのことを成し遂げた。森川家への復讐も、犯人へのポトラッチも……」
と語っていたが、犯人に莫大な遺産を渡すこと(ポトラッチ)が復讐になると考えていたんだとしても、「自分に殺意を抱いている人物がいる」と感じていなければ、あんな遺言状を書くわけがない。
しかし堂上が本格的に殺意を抱いたのは、この遺言状を目にしたからなのだ。
その以前から、堂上の殺意を感じ取っていたんだとしたら、寝室でふたりっきりになったり、堂上の目につくような場所に遺言状を置いておかないほうがいいよ!
さすがにこれで森川家事件が終了ということになると、ストーリーがガバガバだという印象しか持てない。
第3話以降、1話完結の事件を挟みつつも、森川家の事件はつづいていくのではないだろうか!? ……1~2話だけのゲストにしてはキャストが豪華過ぎるし。何より、生田斗真がもう出てこないとは思えない!
そのへんの鍵になりそうなのが、栄治が残した暗号。
「し・の・だ・を・た・の・ん・だ」
自分が殺されたら篠田は職にあぶれちゃうから、弁護士事務所で雇ってあげてね~……という意味ではないだろう(だったら暗号で残さないほうがいいよ)。
本作がこのままガバガバなドラマで終わってしまうのか、それともさらに視聴者の予想を裏切って壮大なミステリーを見せてくれるのか!? 固唾をのんで第3話を見守ろう。
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