新連載「岡野陽一の人間みんな糞袋」自分の意見がないのに否定だけする奴はバカだ

2021.4.28
岡野陽一サムネ1

文=岡野陽一 編集=アライユキコ 


「クイックジャーナル」でおなじみの岡野陽一のコラムが生まれ変わって登場。3度目の緊急事態宣言の街から、金借りピン芸人による不要不急のコラムを月1更新でお届けする。

自粛の虫になる

皆様、ご機嫌の方はいかがだろうか?

僕は、運良く長年のパチンコによって、脳のご機嫌の起伏を司る部分を溶かす事に成功したのでご機嫌だが、皆様はそうもいかないだろう。

無理もない。
ゴールデンウィークに入ろうともいう時に、またヤツが出たのだ。
そう「緊急事態宣言」だ。

これで、僕が住んでる街「東京」にヤツが出たのは3度目になる。
しかも今回はスパンが短い。
年始から続いた緊急事態宣言がやっと明けたと思った矢先のこれだ。
金を賭ける事以外に特にやりたい事もない僕ですら少しガッカリしてるのだから、やりたい事だらけの若者達の不満たるや想像を絶するだろう。

色々言われているが、正直、この緊急事態宣言に意味があるかないかなんて、パチンコやりたくて大学を中退した僕になんて分かるはずもないし、ここは偉い人達を信じる他ない。
少なくともその偉い人達が、寝る間を惜しんで導き出して下さった結果だ。
合ってるか合ってないかは別として、少なくとも何もわからない奴は文句を言っちゃダメだ。

自分の意見がないのに否定だけする奴はバカだ。

「頼むよ!父ちゃん!俺、東京に行ってバンドやりたいんだ!」
「ダメだ!」
「バイトして家に絶対迷惑かけないから!自分の力試したいんだよ!」
「ダメなもんはダメだ!」
「なんでダメなんだよ!?」
「……………」

なので何もわからない僕は従って、自粛の虫になるのだ。

「一生のお願い」のタブー

とは言っても、もはや「緊急事態宣言」という言葉自体に元来の力はないのは確かだ。
初めての「緊急事態宣言」が発令された時の恐ろしさったりゃありゃしなかった。
腕ムキムキになるんじゃないかってくらい手を洗ったし、のどちんこ取れるんじゃないって思うくらいうがいした。

それに比べるとどうしても危機感が薄くなっている。
この状態どこかで味わったなぁと思っていたが、思い出した。
これは昔、僕が同じ人相手に「一生のお願い」という言葉を1週間に2回使ってしまい、2回目の金借りを失敗した時と同じ現象だ。

当然だが「一生のお願い」という言葉は年に1回までである。

もし、僕があの時一生のお願いじゃなくて
「調べたら前世1回も一生のお願い使ってなくてさら……」
「来世分の一生のお願い前借り出来ない?」
と言えてたなら……。

多分無理だったとしても、1%でも可能性は上がったと思う。
たかが1%と思うだろうが、この1%の確率を上げる努力の積み重ねこそが金借りの極意なのである。

もし小池都知事がもし昔、借金で私と同じ失敗をしてたなら……。
有識者の中にもし金借りがいたなら……。
今回の緊急事態宣言を、

「超緊急事態宣言」
「緊急事態宣言ザ・ファイナル」
「世紀末宣言・ラオウ」

とでも言い換えていたんじゃないだろうか?

皆様少し危機感が増した気がしないだろうか?
今回マジでヤバそうだから不要不急の外出は控えようと思う若者がひとりでも増えるんじゃないだろうか?
人間なんて単純なもんだ。

もし、これを小池都知事が見て下さってたら、今からでも遅くない。

「世紀末宣言・ラオウ」

を発令してはいかがだろうか?

人間は皆、容器は違えどただの糞袋

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