2001年から2016年まで『週刊少年ジャンプ』で連載され、コミックス全74巻、シリーズ累計発行部数は1億3000万部を突破。テレビアニメも絶大な人気を誇り、多くの少年少女の心をつかんできた『BLEACH』。
その原作最終章を描き、2022年よりアニメ化された『BLEACH 千年血戦篇』が、ついに完結の時を迎える。
2026年8月25日発売の『Quick Japan』vol.185では、テレビアニメ最終クール『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』で激闘を繰り広げる黒崎一護、石田雨竜、ユーグラム・ハッシュヴァルトを演じる森田成一、杉山紀彰、梅原裕一郎にインタビュー。
今回は、本誌に収録しきれなかった部分を特別にQJWebで公開する。
20年間、同じキャラクターを演じ続けるということ
──梅原さんは「千年血戦篇」からの参加ですが、長年『BLEACH』を支えてこられた森田さん・杉山さんのおふたりとご一緒して、印象に残っていることや、刺激を受けたことがあれば教えてください。
梅原 僕自身、20年間同じキャラクターを演じ続けるという経験がまだないので、まず、そのこと自体にすごさを感じました。
キャラクターの維持の仕方といいますか、誰しも年齢を重ねていくなかで、若いキャラクターを演じ続けるのは本当に難しいことだと思うんです。でも、おふたりのお芝居を聞いていると、今も変わらず、そのキャラクターがそこにいるように感じるんですよ。
それこそ、井上織姫役の松岡(由貴)さんと初めてご一緒したときも、アフレコが始まった瞬間に、そこに“織姫”が存在しているようなお芝居をされていて、すごく衝撃を受けたのを覚えています。
20年間、ひとりのキャラクターを演じ続けて、それを自然にやっていらっしゃる。そのこと自体が、本当にすごいことなんだなと改めて感じました。

森田 でも、声優業界には野沢雅子さんという大先輩がいらっしゃるので……。(『ドラゴンボール』シリーズの)サイヤ人という宇宙人を長い間演じていらっしゃいますけど、野沢さんご自身が宇宙人なんじゃないかって思うくらい、本当に変わらない(笑)。
実際にご一緒すると、なんて張りのある声を出されるんだろう!って驚かされるんですよ。そういう先輩方の姿を見ていると、20年くらいで音(ね)を上げてちゃダメだよなと思います。
杉山 そうですね。この業界には、20年どころか、何十年も同じキャラクターを演じ続けていらっしゃる大先輩がたくさんいますからね。この間も、たまたま『サザエさん』を観ていたら……。
森田 加藤みどりさんね。
杉山 僕が物心ついたときから、ずっとサザエさんという21〜22歳くらいの女性を演じていて。
森田 サザエさんは、たしか24歳だよ!
杉山 詳しいですね(笑)。そう、だから僕らも20年続けさせていただいていますけど、上には上がいるので、20年やってきたからどうこう言える立場ではないなと思っています。
キャラクターは成長するから、声の変化を恐れない
──そんなおふたりは、年齢を重ねるなかで、長年演じてきたキャラクターらしさをどのように保ち続けているのでしょうか?
森田 当然、僕たちは年齢を重ねていくので、声はどうしても変わっていくもの。でも、特に『ジャンプ』作品のキャラクターって成長の物語を生きているので、発言が変われば、当然声も変わっていくはずです。だから僕は、変化すること自体をあまり恐れないようにしています。
大事なのは、そのキャラクターのアイデンティティというか、根っこの部分をしっかり捉えていること。一護なら一護、雨竜なら雨竜、ハッシュヴァルトならハッシュヴァルト。それぞれの軸さえブレなければ、何十年経っても、そのキャラクターでいられるんじゃないかなと思うんです。

実際、「千年血戦篇」に入ってから、僕は一護の声を少し変えています。でも、それは「今の一護ならこうだろう」というものを考えた上での変化だったので、視聴者のみなさんにも違和感なく受け止めていただけて、よかったなと思っています。
あのころと同じことをそのままやっていたら、きっとつまらなくなってしまう……。だからこそ、変化を恐れないことはすごく大事なんじゃないかなと思います。
杉山 僕も、同じキャラクターを長年演じ続ける上で意識しているのは、無理に若作りはしないことですね。自分も年齢を重ねて、声も当時とは少し変わっていると思うので、その時々の自分がベストだと思う演じ方、声の出し方でやっていこうと思っています。
やっぱり、無理に作った感じを出してしまうと、そのニュアンスってきっと観ている方にも伝わってしまうと思うんですよ。だから、声そのものを昔に寄せるというよりは、そのキャラクターとしての喜怒哀楽をしっかり演じることを大事にしています。

『BLEACH』の最後。今回は“超本気”!
──最後に「禍進譚」の“進”にちなみまして、みなさんが今まさに向き合っていることや、この先、挑戦してみたいことがあれば教えてください。
森田 『BLEACH』も本当に最後の最後になりました。日本だけじゃなく、世界中のファンのみなさんが楽しみにしてくださっている一方で、「早く観たい! でも終わってほしくない!」というジレンマを抱えている方も多いと思うんです。
そういう方たちが観ても、きっと納得していただける作品になっていると思います。『BLEACH』がテレビアニメになって本気でやるとこうなるんだぜ、と。今までもずっと本気でしたけど、今回は“超本気”です(笑)。
ジャパニーズアニメーションってすげえんだぜ!というところを世界中のみなさんに届けていきたい。そして、たくさんの人に『BLEACH』を楽しんでもらいたいですね。そうした先に、僕たちにとっての“最高の景色”が待っているんじゃないかなと思います。
杉山 僕は、ここまでのクオリティのアニメーションって、なかなか作れるものじゃないですし、本当にレベルの高いことをやっていると思うんです。だからこそ、「千年血戦篇」を含めて、『BLEACH』という作品をもっとたくさんの方に観ていただけたらなと。
そのためにも、視聴できる国や、翻訳される言語がひとつでも増えたらいいなと思います。僕自身に翻訳する能力はないので願うことしかできないですけれど(笑)、もし何かアピールできる場があるなら、「ぜひ観てください!」ってどんどん世界中に発信していきたいです。
梅原 僕は、おふたりのように、何十年という単位で演じ続けられる役にこれから出会えたら素敵だなと思っています。これは、自分でどうこうできる話ではないのかもしれないですけど。20年後に振り返ったときに、「あ、もう20年このキャラクターをやっているんだ」っていう感覚を僕も味わってみたいです。
森田 梅ちゃんなら大丈夫!
杉山 そうだよ! 梅ちゃんならできるよ!
梅原 ありがとうございます。本当にそうなったらうれしいですね(笑)。

【続きは本誌で】あのキャラクターに“贈りたい言葉”とは?

8月25日発売の『Quick Japan』vol.185では、ここでしか読めない3人のインタビューを収録。最後だからこそ伝えられる、自分が演じてきたキャラクターに“贈りたい言葉”とは?
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