「私たちの絆を強くしてくれた」2年間で味わった逆境と、手応えを感じた未来のこと。僕が見たかった青空 メンバー座談会【塩釜菜那×金澤亜美×八木仁愛】

2025.12.17

文=羽佐田瑶子 撮影=染谷かおり 編集=山本大樹


結成3年目に突入した「僕が見たかった青空」、通称・僕青。乃木坂46の公式ライバルとして結成され、その大きな存在に追いつくために駆け出した彼女たちの道のりは、けっして順風満帆ではなかった。

12月10日(水)に発売された『Quick Japan』vol.181では、塩釜菜那、金澤亜美、八木仁愛の3名による座談会インタビューを実施。結成3年目に懸ける思いや12月17日に発売となる7thシングル『あれはフェアリー』での挑戦について尋ねた。QJWebでは座談会のロングバージョンを掲載する。

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“僕青オリジナル“の魅力を探して

八木仁愛、金澤亜美、塩釜菜那(僕が見たかった青空/撮影=染谷かおり)

──結成3年目、互いの魅力をどう見ていますか?

塩釜 “かわいさ”や“おもしろさ”の中でもいろんなベクトルの子が集まっているグループで、個人的にみんなの性格や人間性がすごく好きです。(金澤)亜美ちゃんは自分がどう見られているのか客観的に理解して、“かわいい”のためにちゃんと努力している。喜んでもらいたいという心遣いにあふれています。(八木)仁愛ちゃんは、パフォーマンス力の高さと普段のギャップがすごく素敵。一人称が「おら」なんですよ(笑)。カッコいいけど親近感も湧いて、人間力が高いなって思います。

金澤 (塩釜)菜那ちゃんは、どんなことも楽しむタイプなので一緒にいるだけで自然と笑顔になります。いろんなことに興味を持っていて、何に対しても全力で取り組むので心強い存在です。

八木 おもしろさとまじめさを兼ね備えているよね。それが、僕青というグループらしさにもなっていて、“僕青オリジナル”の人だなって思います。

金澤 初期は、リーダーという責任から菜那ちゃんを苦しめちゃっているところがあったと思います。でも、最近は自分自身も僕青のメンバーとして楽しみながら活動していることが伝わるし、前向きな言葉をかけてくれるので「ついていこう!」って思います。

「自分たちだけでも、自分たちのことを守らなきゃ」

──結成2周年ライブでの塩釜さんの発言「私たちはオワコンじゃない」からも、活動をする中で周囲からの視線や評価に思い悩むこともあったのではないかと想像しました。

八木 乃木坂46さんの公式ライバルとして世間に出てきて、好意的に思われていなかったり比べられてしまったりすることもあり、お互いに助け合っていこうという気持ちが自然と育まれたと思います。せめて、自分たちだけでも自分たちのことを守らなきゃという気持ちが、私たちの絆を強くして、あきらめない気持ちにつながっているはずです。

塩釜 結成2周年のときは、もうレギュラー番組が終わることを私たちは知っていたので、ファンのみなさんからしたら「僕青は終わりに近づいているんじゃないか」と思われてしまうことが不安でした。

でも、メンバーの努力が実っていてまだまだ可能性はあったので、見てくれている人たちに未来があることを伝えたくて「オワコンじゃない」と言ったんです。私たちは現状で輝ける方法や個人がグループのためにできることを常に考えているので、信じてほしいなって思います。

金澤 楽屋とか普段からみんなでやりたいことを話しているし、最近は一人ひとりがんばっているもんね。

──どういうことを話し合っているのですか?

八木 初歩的ですけど、最近はライブMCが多いんじゃないかって話をしました。私たちの体力を配慮してのことかもしれないんですが、せっかくのライブなのでファンの方に一曲でも多く見てもらいたい。

ほかのアイドルさんのライブを見たときに“熱の途切れなさ”で感動したんですが、その要因を分析したときMCが短いと思ったんです。私たちもユニット曲でつなげたり、ライブ構成をメンバー内で考えたりしてます。

塩釜 その話し合いがつながって、雲組(ライブ中心の非選抜メンバー)はMCの時間を少なくして、曲数を増やしました。

金澤 私はショートドラマに出演させてもらったことで名前を知っていただけて、ほかにも(岩本)理瑚ちゃんの『SASUKE』など、それぞれ特技を活かして活動の場を広げていきたいです。グループと個人の線引きはなくて、僕青を知ってもらうためにがんばっている感覚が強いです。

塩釜 (宮腰)友里亜の見た目美人なのにドジな感じはバラエティに向いていると思ってます!

簡単には崩れない、3年目のグループの絆

──八木さんのダンスはどうですか?

八木 そこは、いったん置いておいてもいいかなと思ってます。ダンスは個人アカウントで発信をして、グループとしてはもらった曲に合わせて最高のパフォーマンスをしたい。これまでカッコいいダンス演出も多かったんですが、新曲「あれはフェアリー」などかわいい曲調も増えてきたので、また違う一面をお見せしたいです。

──新曲はかわいい世界観全開ですが、そこに向けての課題や挑戦はありましたか?

金澤 私は初センターで、思いっきり“かわいい”に振り切った曲はこれまでほぼなかったので、私たちにとっても初めての挑戦になりました。みんなで、どうしたら自分らしいかわいさを見せられるのか研究しながら、今までとは違うカラーを見せられるように意識しています。

塩釜 前シングルで私は雲組だったんですが、青空組の公演を見ながらかわいい仕草でマネしたいところを研究するようにしました。たとえば亜美ちゃんは肩の使い方が上手。肩をちょっと上げるだけでかわいさが出るなと思いました。私もそういうポイントを意識しつつ、自分なりの見せ方としてウィンクが好きなので、そういう仕草も入れていきたいです。

八木 私は、新曲の立ち位置が意外だったので、亜美ちゃんたちのかわいさについていけるように、そして自分らしさも消さないようにやっていきたいです。

──ありがとうございます。お話を伺っていて、みなさんすごく客観的にグループと個人をよく見ていらっしゃるんだなと感じました。

塩釜 僕青のメンバーって、すごく真剣にグループや自分のことをよく考えている子が多いんです。3年目に入って、もうグループとしての絆はありますし、簡単に崩れないものだと信じています。

まだグループとしての確固たる強みをわかっていないけれど、現時点の改善点ややりたいことはたくさん出てくるので、一つひとつクリアして、力がついてきたときに自分たちのよさを発揮できると強みも見えてくるんじゃないかなと思っています。今はとにかく、目の前のことをがんばっていきたいです。

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羽佐田瑶子

(はさだ・ようこ)1987年生まれ、執筆・編集。女性アイドルや映画などガールズカルチャーを中心に、インタビュー、コラムを執筆。主な媒体は『クイック・ジャパン』『She is』『BRUTUS』『TV Bros.』『CINRA』など。岡崎京子と女性アイドルなど、ロマンティックで力強いカルチャーや人が好き..