にじさんじ・イブラヒムが“努力する姿”を見せない理由「意識させることがノイズになる」【『Quick Japan』vol.179「2時だとか」表紙&60ページ特集】

2025.8.19

アートワーク=ムラヤマカズヤ

文=北出 栞 編集=高橋千里


8月8日(金)に発売された『Quick Japan』vol.179では、にじさんじ発のバーチャル・バンド「2時だとか」を60ページで特集。VTuberとして活動するメンバーの一人ひとりの音楽への愛や、グループとしてのバンド活動への意気込みを徹底取材している。

QJWebでは本特集の中から、イブラヒムのソロインタビューの一部を抜粋。理知的なゲームセンスと、VTuber文化を独特の目線で斬るトークに定評のあるにじさんじきっての「知将」は、バンドという新たな舞台を得て何を思うのか?

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ギター練習の過程は、見せないほうが俺っぽい

──まず、どういったきっかけでギターを始めたのかをお聞きしたいなと。ファンの方にもライバーのみなさんにも「職人」や「知将」と言われがちで、ベースやドラムをやりそうな雰囲気もあるなというか。

イブラヒム たしかに普段の立ち回り的には、リズム隊が似合うんだろうなと自分でも思うんですけど、ギターを始めた理由って本当にたまたまで。子供のときにすごく仲のよかった友達の兄貴がエレキギターをやってて、その影響でそいつもエレキギターを始めて、さらにその影響で自分も始めたって流れなんですよ。だから、それがベースだったら、たぶんベースをやってたと思うし。

──なるほど。では、そうしてギターを始めてから、「この人みたいに弾きたい」と思うギタリストってできたりしましたか?

イブラヒム それがマジでなくて。インターネットで楽譜を探して好きな曲をバーって弾いて、飽きたからやめて……というのをひとりで続けてきただけなんです。

でも最近はバンドを始めて、同じギターの不破湊がテクニック的なうまさもステージング的なうまさも全部そろってるんで、すげーなって思ってますね。

──そのあたりは今後の課題だと。

イブラヒム そうっすね。場数を重ねていくうちにかっこいい動きができるようになったりしていけたら、よりライブも楽しめるようになるのかなって思います。

──ちなみに「職人」や「知将」と言われることに関して、ご自身的にはどう思ってらっしゃいます?

イブラヒム そうあろうと意識してるわけではなくて(笑)。「あー、みんなにはそう見えてるんだ」ぐらいの感じではあります。

──自分はイブラヒムさんの「栄冠ナイン」(野球ゲーム『実況パワフルプロ野球』の育成シミュレーションモード)配信がすごく好きなんですけど、目標までの道筋をすごく論理的に立ててゴールに向かう印象があるんですよ。ギターの練習のときも、やっぱりそういうふうに向き合っていたんじゃないかなって。

イブラヒム 本番に向けて逆算してやっていくのは共通しているかもしれないです。楽曲を聴きながら合わせて弾いたり、ちょっと手こずりそうだなってとこだけ集中して弾いたり、途中途中のやり方は曲によってまちまちなんですけど。

──ギターの練習だと配信をしていないわけだし、孤独な作業になるわけじゃないですか。配信と違ってこういうふうにモチベーションを保つ、みたいなポイントってあったりしますか?

イブラヒム それが配信活動を始めてから、配信外でやることはけっこうすぐやめちゃうというか(苦笑)。ギターもその傾向があって、1日2時間とか練習できたら「やったなー」って感じですね。配信だったらたぶんもっと長時間やってる気がします。

──配信しながらだと長続きするというのは、コメントでリスナーとやりとりできるからとか?

イブラヒム それもあるし、「見られてる」って意識が生まれるのが一番デカいっすね。ただライブでやる曲を配信で弾いたらネタバレになっちゃうし、ライブでやらない好きな曲をピロピロ弾くみたいな配信は別にやってもよかったんですけど、本番まではあまりギターに対する努力を表に出さないほうが俺っぽいかなと思って、それも結局やりませんでしたね。

──イブラヒムさんがそう思っているのは個人的にちょっと意外でした。

イブラヒム 俺の勝手なイメージなんですけど、ライブのステージ本番って、ある程度完成されたものを見せなきゃいけないと思ってるんです。せっかくお金を払ってライブに来てくれた人に、「ここは配信で練習してたから、ちょっと難しそうなところだな」とかって意識させちゃうこと自体がノイズになるなっていう感覚があって。

──ほかのメンバーは歌ライブもやられているなかで、イブラヒムさんはこれまでステージに立つ機会は多くなかったと思うんです。それでもやっぱり「ステージに立つからには」みたいな意識を持てているのは、なぜなんでしょうね。

イブラヒム ほかのライバーのライブを、ネットを通して観ることもあれば、バラエティパートでゲストとして呼ばれて、本当に真横で見ることもあったりして。やっぱりみんな陰で努力してきたものを、完成度高くその場で出してるわけですよ。なんで、自分もそれに則ってやったほうがいいのかな?って潜在的に思ってる節はありますね。

【続きは本誌でチェック】ライブレポートやメンバー座談会も!

「2時だとか」表紙/『Quick Japan』vol.179より

『Quick Japan』vol.179は現在大好評発売中。表紙はオリジナルの撮り下ろしカットを使用。特集では、ワンマンライブの撮り下ろしレポート、初ライブを終えた直後のメンバー4人による座談会、個々の音楽遍歴やバンド活動への思いを掘り下げるソロインタビューを掲載している。

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北出 栞

(きたで・しおり)編集者・文筆家。ミュージックビデオ、合成音声音楽、VTuberなど「ポスト動画プラットフォーム」のカルチャーを中心に、人文的な観点を織り交ぜたテキストを執筆している。著書に『「世界の終わり」を紡ぐあなたへ――デジタルテクノロジーと「切なさ」の編集術』(太田出版)。

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