【『THE LAST PIECE』レポート#1】SKY-HIが人生を賭けた新オーディションがスタート「未来に希望を持てるようなグループを作りたい」

BE:FIRST(ビーファースト)、MAZZEL(マーゼル)に次ぐ3つ目のボーイズグループを誕生させるべく、SKY-HIが主宰するマネジメント/レーベル「BMSG」が始動させたオーディションプロジェクト『THE LAST PIECE』。
『THE FIRST』『MISSIONx2』に続いて本オーディションでもプロデューサーを務めるSKY-HIは、「あなたの夢を叶える事が今の俺の夢だ」とコメント。さらに、『THE LAST PIECE』は以下のステイトメントを掲げている。
全ての10代と、
かつて10代だった
全ての人へ。
さあ、世界で一番自由で大きな夢を見よう。
2025年6月27日にYouTubeで配信された『THE LAST PIECE』本編Ep.01では、書類審査と3日間にわたって行われた2次審査の様子が届けられた。その模様をレポートする。
目次
「最後のピースを自分の中から見つけられた人がデビューしていく」
「今一番救うべきは、夢の見方がわからずにもがいている10代」
SKY-HIはそう語る。「才能を殺さないために。」をスローガンに掲げてきたBMSG。幸福度が低いといわれている日本では、若い世代が夢を見づらい環境になっている。だからこそ夢の見方を教えられるプロジェクトを作りたい──そうしてスタートしたのが10代限定ボーイズグループオーディション『THE LAST PIECE』だ。
夢を本気で追いかける彼らを通して、今の10代も、かつて10代だった人たちも、元気になるのではないか。夢の見方についてこれから何者かになっていく彼らを通して伝えられる気がするのだと、SKY-HIはこのオーディションに熱い眼差しを向ける。
では、タイトル「THE LAST PIECE」に込めた意味とはなんなのか。
「デビューする前っていい意味でなんにでもなれる。変容する自分をカチッて決めるのが最後のピースじゃないですか。自分っていうアーティストがデビューするとき、こういうパフォーマンスをする、こういう人間性なんだっていうのをカチッてハメるピースを探す旅に出る。最後のピースを自分の中から見つけられた人がデビューしていくんじゃないかな」
RUI・TAIKI・KANONをはじめとしたBMSG TRAINEEも参加
『THE FIRST』『MISSIONx2』『No No Girls』と、埋もれていた才能を見つけてきたBMSG。第3のボーイズグループが誕生する今回は、どんなオーディションになるのだろうか。
「今回は最初から才能はいて。トレーニー期間が長ければ長いほどプレゼンス(存在感)を証明してくれると信じているところもあったりします」
今回は研修生であるBMSG TRAINEEも参加。彼らはBMSGのアーティスト育成方針のもと、デビューを目指して日々努力を重ねている。
そんな若い才能たちの中には、過去にBMSGオーディションに参加していたメンバーも。
『THE FIRST』でデビューを逃したRUI(当時14歳)とTAIKI(当時13歳)、『MISSIONx2』で最終審査に通過できなかったKANON(当時16歳)だ。
それぞれ長い月日の中で、自分の人間性やアーティストとしての理想像を見つけ出してきたのだろう。洗練されたアーティスト写真には、あどけない少年だったころの彼らの姿はない。
「過去最高レベル」と断言した書類審査
BMSG TRAINEEも参加する本オーディション。SKY-HIは「一般応募のほうがハードルが高い」という。しかし、まだまだ見つけられていない才能はあるようだ。いざ書類審査をしていくと、SKY-HIは目を輝かせていく。
「うまい! 質感ヤバいね!」
「才能ありますね」
「いいじゃないですか! 会いましょうよ!」
「どこにいたんだ……? 気になるな……」
一般応募者たちの歌やダンスのクオリティに興奮気味な様子。彼らのポテンシャルに期待値も上がっているようだった。
未知の才能である一般応募者と、才能を磨いてきたBMSG TRAINEE。両者が参加する本オーディションについて、SKY-HIは「過去最高(レベル)」と断言する。BMSGの集大成となるグループが生まれそうだ。
BMSG TRAINEEから感じた“覚悟”
2次審査は、3日間にわたり一般応募者とBMSG TRAINEEの混合で行われた。
まず現れたのは、センターパートにハイライトを入れたヘアスタイルが印象的な18歳のGOICHIだ。トレーニー歴1年。大型音楽特番『音楽の日』(TBS)に若手枠として出演したこともある。そんな彼は「ここで夢をつかむことが夢です」と意気込む。
ボーカル課題曲にはSKY-HI「何様 feat. ぼくのりりっくのぼうよみ」、ダンス課題曲にはSKY-HI × SALU「Purple Haze」をセレクト。野太い濁声(だみごえ)を効かせたラップ、強くしなやかなダンス、威圧的な表情と、堂々としたパフォーマンスを見せていく。
SKY-HIは「強い方向のラップがかっこいいことが改めてわかった」と成長を喜び、さらにこう続けた。
「最近表情が明るくなったように感じていて。日常として表情が増えるとか、感情が増えるって、アーティストとして糧になると思う。今までは知ってるGOICHIの延長線上だったから違うGOICHIの顔が見てみたいなって欲張りな部分も出てきていたので。ここまで成長してくれてありがとうございます」
前向きなコメントにほっとしたのか、表情がゆるむGOICHI。その顔にはまだ10代のあどけなさが残っていた。

続いてダンス歴12年、トレーニー歴2年のYUTA。2023年のダンス世界大会で優勝経験もある実力者だ。
ダンス課題曲では身体を自由自在にグネグネと動かしていく。その様子はまるでスライム。そのコミカルで超人的なダンスに、SKY-HIは笑いが止まらない。

ほかにも、他事務所でグループデビューしたが退所したKEI、韓国でオーディションを20社以上受けるも不合格となり中学生にして上京したKAIRI……と、BMSG TRAINEEたちが次々パフォーマンスを披露していく。
続いて登場したのは、『MISSIONx2』の2次審査で脱落したKEITOだ。彼はその後、BMSGのトレーニーオーディションに合格し、デビューを夢見てきた。
そんなKEITOのパフォーマンスは、柔らかで優しくそれでいてエレガント。ボーカル課題曲では清らかな切ない歌声を、ダンス課題曲ではしなやかさを活かしたパフォーマンスを披露した。どこか好戦的な雰囲気がある参加者とはまた違った個性を放っている。
パフォーマンスを見たSKY-HIは、オーラのようなものを感じたという。またそれは覚悟を決めた人にしかついてこないものでもあると話す。KEITOはいったいどんな覚悟を決めてきたのか。
「“トレーニーだから大丈夫でしょ”みたいな声をこれから聞くことがあると思うんですけど、このオーディションに対しての気持ちとしてそれはイヤで。自分はグループとして活動していきたいと思っていますし……」
夢は実力でつかみ取りたい、そんな思いを打ち明ける。SKY-HIはKEITOのようなトレーニーの思いを重く受け止めていた。今回の審査について、スタッフにこう話す。
「ひいきってされた側が傷つくので。トレーニー期間が長ければ長いほど思いは強くなっちゃうけど、だからこそひいきに準ずることをしたくない。みんな公平に見られますよって、そんな簡単なもんじゃないってことはわかるので。努力してフラットに見る」
SKY-HIを驚かせた一般応募者のパフォーマンス
BMSG TRAINEEが存在感を示すなか、一般応募者も負けていない。新たな才能が次々と発見されていく。
ミュージカル劇団に所属していたKAN、レッスン未経験だがポテンシャルのあるRAITO、マレーシアから毎回応募しているというA.J.。中には昨年、トレーニーオーディションを2度不合格になっている参加者もいた。
現在大学1年生のSHOだ。年齢的にもこれがラストチャンスだと背水の陣で挑んでいる。
そんな彼もまた急成長を遂げていた。音の波に乗るように気持ちよくリズムを刻んでいくダンス。しかし、無理は感じさせない。その自然体なパフォーマンスに彼が重ねてきた努力が透けて見えるようだった。
パフォーマンスを見たSKY-HIは「ダンスがめっちゃ音楽的ですね!」とひと言。続けて「音を聴けているよね。めちゃくちゃグルーヴィでかっこよかったです!」と評する。その言葉にSHOは少しホッとしているようだった。

そして、書類審査でSKY-HIの目を引いた参加者が現れる。高校2年生のKANTAだ。
すらっとした背丈に大人びた表情、全身ブラックのオーバーサイズファッション……そのスタイリッシュな雰囲気は17歳とは思えない。
そんな彼のダンスにも華やかさがある。いくつもの展開をつけたメリハリのある振り付けで、次はどんな動きを見せてくれるのか見ていて心が弾む。
彼のダンスはプロのSKY-HIから見ても珍しいという。「そこそんなに跳ねるんだみたいなところと、そこそんなに重く取れるんだってところのギャップがすごくおもしろい。(ジャンルが)いろいろ混ざっていますよね」とコメント。SKY-HIからの高評価に、KANTAは「うんうん!」とうれしそうにうなずく。
洗練された見た目や大胆なパフォーマンスとは対照的に、しゃべりにはまだ初々しいところもある。SKY-HIはそんなKANTAのことが気になっているようだ。彼が退出したあとで、「(ダンスのタイプは)あんまり見たことがないけど、めちゃくちゃ魅力的なんだよな……アーティストの海がめっちゃ深そう」とスタッフに話していた。

今後の活躍が期待される「また会いましょう!」
続いては、高校1年生のRYOTO。小学6年生のときにキッズグループでメジャーデビューしたものの、3年で解散してしまったという。もう一度夢を追うために応募した。甘く繊細なファルセットで、純真な歌声。BE:FIRST「Bye-Good-Bye」を自身の個性を存分に活かして歌いきり、実力を発揮する。
高音が出づらくなったことはないという。そのまま成長したらとんでもないことになるとSKY-HIは期待を示すと、最後には「また会いましょう!」とその場で2次審査通過を告げた。
一方で、こんなアドバイスもしていた。
「ダンスも歌もずっと36度5分ぐらいだった。それも魅力なんだけど、一瞬抑揚を入れたり、アクセントもそうだし、ストップ入れたりしてみたら、一気に表現が出ると思う」
実演して見せるなどして丁寧に教えていく。ほかの参加者たちにもこんなアドバイスをしていた。
「緩急もうちょっとあったほうがいいかな」
「表情も歌に入るといいかな。具体的に言ったら眉毛がほとんど動いてないから……」
「一瞬、休符作ってあげるみたいなのが入ったら、もっと際立つ」
「子音がもう少し押し出されると歌詞がしっかり聞こえてきて……」

なぜそこまで細かくアドバイスするのか。SKY-HIはこう語る。
「ラップに市民権がなかったから無駄足ばかりしていた。いろんな人のお世話には当然なっているんだけど、技術的に具体的に導いてもらえる経験がなかなかなかったから……」
自分自身が無駄な努力をしてきたからこそ具体的に教えられることがたくさんあると、夢を追ってきた経験から来る思いがあるようだった。
TAIKIの審査を前に「わからないけど泣きそう……」
続いて登場するのは、RUI、TAIKI、KANONの3名だ。
次に審査するのがTAIKIとわかったとたん、SKY-HIの様子が変わる。
「ちょっと待って……わからないけど泣きそう……」
どうやら書類に貼られたTAIKIの写真を見たら込み上げてくるものがあったようだ。「さすがに意味わからないでしょ。TAIKI入ってきて泣いてたら」としばらく席を立ち、気持ちを落ち着かせてから審査に挑もうとする。
一方で、TAIKIは自信に満ちていた。ボーカル課題曲は自身のソロ曲「KARATE KID」。<Getするためにplay/通す信念 何回もrevise>と力強くラップする。意志の強さを感じさせる屈強なパフォーマンスに、SKY-HIも歓声を上げた。

さらに自作曲も作ってきたという。歌詞を伝えたいのでアカペラで、と歌い出すTAIKI。するとそこには幼少期からの夢を叶えるために何度も這い上がってきた彼の人生が映し出されていた。
「夢物語と笑われたその夢の針が今動き出してる 全部が伏線 KID 怖くても進むこの足で リベンジ あのころからのリベンジ……」
そんなTAIKIのパフォーマンスを見たSKY-HIは、「どれだけ気合いが入っていても最後に味方してくれるのは、あなたが積み上げてきたスキル」と話す。そして、「まだまだここから戦わなきゃいけないところもたくさんあると思うんですけど、次の審査、がんばりましょうか」と2次審査通過を決めた。
4年間の成長を見せたRUIの「感電」
続いてはRUI。年齢を重ねて儚さが増した彼は、ボーカル課題曲で米津玄師「感電」を披露。繊細で色気のある歌声が、この曲の根底にある不安感を引き出している。そんな彼の成長にSKY-HIは歓喜。パフォーマンス中に何度も声を上げて拍手する。
実は「感電」は、2021年に『THE FIRST』の2次審査でも歌った曲だった。当時はまだ中学1年生。あのころよりもずっと声が出るようになったと、RUIはうれしそうに語る。
SKY-HIからは「過去最高の歌声だったんじゃないかなと思うくらい」と高評価が。「技術的なことがいっぱい伸びたってこともあるけど……音楽を表現する人でしかないもんね」とアーティスト性を褒められると、RUIの頬は少しゆるんだ。

KANONが明かした夢「世界を見据える前に、音楽を楽しみたい」
最後はKANON。トレーニー期間を数年続けてきた彼は、審査前にこう話していた。
「幸せな環境でこれまでやらせていただいたんですけど、そのなかでもデビューしたいという思いが一番あったので。やっとここでデビューへの切符がつかめるのかと思って、オーディションに挑んでいます」
そう意気込んでいたKANONだったが、ボーカル課題曲の藤井風「優しさ」を歌唱するなかで、声が裏返ってしまった場面も。その焦りがどうしても表現に出てしまう。
SKY-HIにも見抜かれていた。まず「めちゃくちゃうまかったね。ただ、何かを引きずってなかった?」と聞かれてしまう。SKY-HIは気持ちの切り替えの重要性を伝えた上で、「逆にいうとそこかな反省点は」とパフォーマンス自体は評価する。しかし、KANONは浮かない顔を見せる。

そんなKANONだが、最後にSKY-HIからアーティストとしての夢について聞かれると、こう語っていた。
「世界を見据えるってみんな言うと思うんですけど、その前に音楽を楽しみたいなというか。お客さんと一緒に音楽をたくさん楽しみながらライブを終えられるような、楽しいなって思ってもらえるようなアーティストになりたいと思っています」
3次審査に進む30名が決定
こうして2次審査が終了。過去最高レベルの才能が集まったなかで、通過するのは誰なのか。本配信では3次審査に進む参加者も発表された。
通過者は以下30名だ。






























番組の最後には、SKY-HIがこれから誕生するグループへの思いを語る様子が映し出された。
「誰がどう見ても、世界中で活躍するのを夢見るグループが絶対生まれる。彼ら自身に夢を投影するだけじゃなくて、日本中、世界中に、自分の人生に夢を持てるような、未来に希望を持てるようなグループを作りたい。そういうグループを生み出したい」

【『THE LAST PIECE』配信スケジュール】
■Ep.02:2025年7月4日(金)20時~
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