2024年9月に第一子を出産し、韓国人の旦那と子育てに奮闘中のピン芸人・本日は晴天なり。連載「バツイチアラフォーの幸せだけじゃない日常」では、家族と過ごす日常の中での喜びやイライラを綴っている。
前回は日韓の文化を取り入れた子育ての楽しさについて紹介したが、今回は育休を取るも何もできない旦那に対する不満を漏らす。
“指示待ちくん”と化した旦那
旦那は育休を取得したので夫婦共々ニート状態で完全ツーオペ。大人がふたりいれば育児も家事も分担できるので余裕だと思っていた。
出産は交通事故レベルのダメージを負うと聞いたので、旦那の育休中、授乳以外の家事育児はすべて旦那がやるという約束を交わしていた。
1カ月くらい寝たきりになるほどのダメージを負うと思っていたが、もともと体力があるからなのか、私の場合は傷が痛むくらいで出産前と変わることなく動くことができた。その余裕が、だんだんと旦那をナマケモノにさせていった。
旦那は「産まれてからはヌナ(男性が年上女性を呼ぶ言葉)に従うよ! なんでも言われたとおりにする!」と意気込んでいた。「テメーで考えて動きやがれ!」と思ったが、言いなりになるなら好都合だ。
しかし、実際は何もしない。「はーい!」とやる気マンマンの返事はするが、そのまま忘れてしまうのだ。
返事をしてくれたからには信じて待つが、やらない。
「リビングの掃除は?」
「洗濯はいつ回す?」
「シンクのゴミは?」
「コンロの掃除は?」
「米はいつ炊く?」
同じお願いを何度もするうちに、だんだん語気が強くなってしまう。
「やるって言ってやらないじゃん! ここの掃除、いつやるの?!」と聞いたら、「もう少し優しく言ってほしいな……」としょんぼりされてしまった。こうなると一気に私が悪者かのようになる。
たしかに、かなり高圧的な口調になっており、会社なら確実にパワハラ認定されるであろうレベルではあったので、優しく伝えるようにしたが、結局、「は~い!」と返事をするだけ。旦那の中では、“あとでやる”なんだろうけど、どうせ忘れるじゃんと思うし、案の定、忘れてしまう。
授乳以外すべての家事をやってくれる約束だったのに、洗濯と掃除は私がやることになり、かろうじて料理はやっているものの3食作るわけではなく、1日1食を作るだけ。しかも、いい母乳が出るように、産後の体が早く回復するようにと栄養を考えた食事を作ってくれるはずだったのに、ほぼ毎日カップラーメン。私もかなりズボラなほうだが、旦那はそれを超えてきた。
昼からマッコリを飲み、辛ラーメンをアレンジして食べて……欲望があれば、すぐ行動できるのに。飲みっぱなし食べっぱなしで片づけはあと回し、いったいなんなのか。
子育てアプリで毎日、育児日記をつけているが、「食洗機も乾燥機つき洗濯機もめんどくさいなんて、なんならめんどくさくないの?」「毎日10時間以上寝て、昼寝までしてる! ストレス!!」など、完全に旦那の愚痴日記になっていた。
言われたこと“しか”できないのはなぜ?
旦那に「おむつ見て~」と言うと、
「見たよ~」と返事が来るので、
「おしっこしてる?」と尋ねると、
「(おしっこサインが)青くなってる」と返事が来る。
「じゃあ、おむつ替えて!!!!!」と私が叫ぶ。
「おむつ見て」は、「おむつを見て、おしっこしてるようだったら替えて」までの意味が含まれていて、色が変わっているのかを聞いているのではない。
さらに、このやりとりのあと「おむつがない……」と言い出した。
「1階にストックあるから持ってきて!」
「外袋から出してリビングと寝室のおむつボックスに分けて入れておいて!」
「使用済みのおむつ入れる袋はココ!!」
「おしりふきはそれじゃなくてコッチ!!」
「使用済みのはそこに置かないで!!」
ここまで細かく言わなきゃいけないことにイラ立ち始めた私は思わず、
「あーーーーー!!! キッザニア育児かよ!!!!!!!!」と叫んだ。
本当は「おしりふき、おむつ、おむつ袋、手元に全部用意して!! あとは替えるだけ!! あと始末も私にやらせてさ!! お膳立てされた環境で育児やってる気になって、キッザニアじゃねーかよ!」と言いたかったが、マミーブレインで言葉が出てこず、泣いた。
昔は「産後ボケ」ともいったようで医療用語ではなく、すべての産後の女性に見られるわけでもないそう。妊娠後からうまく言葉が浮かばず上手に話せなくなったりする症状があるらしい。
私も典型的なマミーブレインに陥り、旦那に指示を出したくても、「アレ! アレを……あーーー、アレだよ! アレ……!!」となっていた。
言葉が出てこないことを伝えたいのに、それも出てこない。出てこないので、何をもがき苦しんでいるのかも伝えられない。
「その……アレを!!!!! アレしてほしいの!!!!!」と、“アレ”でしか指示できなくなってしまい、思ったことを伝えらないことにイライラして、また泣いた。
そんなことを繰り返すうちに旦那は、そのときの状況や私の目線などで察するようになり、変わらず指示待ちくんではあるが、「アレ」だけですべてがわかるエスパーのような能力を手に入れた。

育休はゲームを始めるための期間ではない
「今までやらずに生きてきちゃったから、これを機に始めようと思って!」と、育休中に『ドラゴンクエスト』を始めた旦那。
1万歩譲って、昔から大好きなゲームで新作が出たからどうしてもやりたいならわかる。「これを機に」って何? 正直、育休中に始めるゲームではない。というか、育休はゲームを始めるための期間ではない。
『ドラクエ』をやりつつ、ひと晩中、娘を見てくれてたことがあった。
でも、よくよく考えたら酒を飲みながらゲームで完徹してる人に新生児任せるのヤバくね?と思い、急いで起きると、プシュッと缶を開ける音が聞こえてきた。時刻は朝10時……いったい何本目?
そのあと6時間以上昼寝(昼寝なのか?)をし、夕方やっと起きてきたと思ったら「気持ち悪い……」と再びベッドへ。なんのための育休!? 昼間から酒飲むため!? 徹夜でゲームするため!?
育休中、旦那はほぼ毎日、昼から酒を飲んでいる。「娘は誰にもやらない! 大谷翔平だとしてもダメ! アッパ(パパ)と結婚するよねー!」と、9%のチューハイをがぶ飲みしたり、飲み会に出かけ帰ってきたら、娘に会えた喜びで涙を流すほど娘を溺愛しているが、「かわいがるだけなら誰にでもできるよ」という妹の言葉の意味を思い知ることとなった。
かわいがるだけなら誰にでもできる
「抱っこしてるほうが王様」というルールを導入したら、食事が終わると旦那はすぐに娘を抱っこしたがるようになった。そして抱っこした瞬間、私に「食器片づけて」と頼んでくる。私的には“いつやるんだろう?”と待つより、さっさと片づけてスッキリできるので好都合だった。しかし、それも長くは続かず。
娘がやっと眠ったと思ったら、旦那が私の腕の中から娘を奪い、「ネッコヤ!(私のものだ)」と言って抱きしめながら一緒にベッドで寝始めた。そして、うんちをしたら「おむつ替えて~オンマ(ママ)じゃなきゃダメだって~」と娘を連れて来た。
なんでも私にやらせてくるくせに「ネッコヤ!」と言われ、私は怒り狂った。ついでにその日までに蓄積されていたムカつきゲージが振り切れ、全部ぶちまけた。
「カメラフォルダもあなたと娘の写真ばっかり! 私と娘の写真は一枚も撮ってくれない! ずっと食べたいと言い続けていた冷凍ブロッコリーも解凍してくれない! 自然解凍でいいんだよ。お皿に出しておくだけじゃん!」
そんなことでキレる?と思うかもしれないが、そんな些細なことの積み重ねでゲージが振り切れたのだ。
このあと、さすがにふたりで話し合いを行い、私が頼んだことはメモることに。しかし、今でも不満に思うことは多々あり、それをぶちまけると「ヌナはもう何もしなくていい」と言うが、変わらず昼間から酒を飲み、ゲームをしている。そんな旦那をよそに、私は娘を抱っこしながら旦那の愚痴日記を書いている。
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