オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』シリーズの元練習生によって結成され、吉本興業に所属しているボーイズグループという共通点を持つOWV(オウブ)とOCTPATH(オクトパス)。
さらに、グループのリーダーであり、ダンスを大きな武器とし、メンバーカラーが赤という共通点の多い本田康祐(OWV)と古瀬直輝(OCTPATH)。Quick Japanでは約1年前にふたりのリーダー対談を実施。その対談がきっかけでお互いが両グループの振り付けを担当し合うまでに至った。
そして、4月にグループ結成5周年を迎えるOWVライブツアー『OWV LIVE TOUR 2025-VERSUS-』の3月1日、神奈川・KT Zepp Yokohamaでの公演では、両グループの共演も実現する。
本稿では、約1年ぶりとなるふたりの対談をお届け! まずはお互いに担当した振り付けについて振り返ってもらいつつ、現在のダンス&ボーカルのシーンにおける「ダンス」に特化したテーマについて話してもらった。
目次
古瀬直輝が振り付けしたOWV「Abyss」
──まずは、本田さんがOCTPATH「VIVID」、古瀬さんがOWV「Abyss」を振り付けした経緯について教えていただけますか。
本田 それこそ、前回のクイック・ジャパンさんの対談だと思います。あれがきっかけで、たぶん上が動いたんだと思います(笑)。
古瀬 わりとすぐに話が進みましたね。次のシングルかアルバムで、本田君に1曲振り付けしてもらおうって。僕からも「ぜひ実現したいです」って言いました。
本田 僕らのほうが、先にお願いしたのかな。「まさかこんなに早く実現するとは」って思ったけど、早いに越したことはないし。
──振り付けをお願いする曲は、どのようにして決まったんですか?
本田 「どの曲にする?」みたいな話し合いがあって、「お願いするならバラードかな」ということで「Abyss」になりました。そもそも「Abyss」は振りをつける予定がなかったんですけど、踊れる曲ではあるし、もし踊ったらどうなるか興味があったので、古瀬にお願いすることにしたんです。「TRVCKSTVR」をお願いしてもよかったんだけど、どちらかというと「Abyss」を託してみたかったんだよね。
古瀬 「Abyss」を初めて聴いたとき、「好き!」ってなったんですよ。
本田 うれしい。
古瀬 もともと僕はバラードで踊っていたタイプの人間だったから、それを知っていてくれたのかなって。
本田 そうだね。たしかに古瀬はゴリゴリの曲で振りを作ってるイメージがあるけど、ジャズみたいなしなやかなコレオグラフ(振り付け)をお願いしたくて。
古瀬 うれしかったです。
──前回の対談のときも、古瀬さんは「OWVさんに(コレオグラフを)作るならバラードかな」って、お話をされていましたよね。
古瀬 たしかに言った記憶がある。
本田 僕が前回「『Like』や『Perfect』みたいな明るい曲もいいな」と言ってたのも、そのとおりになったもんね。
古瀬 そうですね。
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本田康祐
(ほんだ・こうすけ)1995年4月11日生まれ、福島県出身。4人組ボーイズグループ「OWV(オウブ)」リーダー
本田康祐が振り付けしたOCTPATH「VIVID」
──どういった経緯で本田さんに「VIVID」をお願いすることが決まったのですか?
古瀬 実をいうと、「VIVID」は次のアルバムに入れたいと思って、けっこう前からホールドしていた大切な曲だったんです。本田君が「楽しい楽曲のコレオグラフを作りたい」と言ってくれたのを僕も覚えていたので、ぴったりじゃないかなと思って。満場一致で本田君にお願いすることになりました。
本田 それはうれしいです。OCTPATHのメンバーが笑顔で踊っている様子が、すぐ頭に浮かんできたので、「こんな感じかな」ってけっこう楽しく作れました。“Aye yah”のところは、どうしようかすごく迷ったんだよね(笑)。
古瀬 言ってましたね(笑)。
本田 あそこが一番難しかったかもしれない。とはいえ、すごくわかりやすい曲だったから、振り付けの方向性はすぐに見えてきました。古瀬には「かわいくていいんだよね?」って確認した気がする。
古瀬 確認、めっちゃしてくれましたね。「ぜひぜひお願いします」って、お願いしました。
──お互いに楽曲を受け取って、イメージがパッと思い浮かんだんですね。
古瀬 はい、浮かびました!
本田 だからこそ、古瀬から最初に振り入れしてもらった「Abyss」は衝撃的だったな(笑)。
(※編集部注:OWVメンバーの浦野秀太が10分で考えた「Abyss」“ヘンテコダンス”を古瀬が自ら考えたコレオグラフとして振り入れしたら、というOWVのYouTubeチャンネルで公開されたドッキリ企画)
古瀬 実は「Abyss」の楽曲と一緒に、本田君が「こういう想いで、こういうふうに表現したい」ってコメントもくれていたんです。
本田 「Abyss」は、めっちゃ好きな曲だったからね。
古瀬 それだけの想いが込められているのを知りながらのドッキリだったから……あのときは、本当にごめんなさい。
本田 (笑)。あれはびびった。こういうコレオグラフもあるのか……と思って。だからこそ、そのあとに古瀬が考えてくれた振り付けを見たとき、より素晴らしく感じましたね。さすがだな、そうだよなって。古瀬のことを疑った自分を一回殴りました(笑)。
古瀬 え、一度は信じました?
本田 受け止めたよ! コンテンポラリーダンスだとしたらあるかな……みたいな。しかも古瀬が踊っていると、ちょっと様になってたし。でも、「ちょっと変えようか」って、いつ切り出そうか迷ってた。今になって思うと、僕が古瀬のことを信じてあげられてなかった(笑)。
古瀬 言ってほしかったかもしれないです。
本田 そうだよね、言ってほしかったよな! でも、言えないよ(笑)。
古瀬 言えないですよね(笑)。立場が逆だったら、言えないです。
本田 もし本当に、本人が作った振り付けだったら……ねえ?
──あれはあれで個性的でしたからね。
古瀬 今でも頭に焼き付いてます。あれを10分で考えた秀太君は、振付師として才能があるかもしれないです。
本田 実は秀太、フルで「Abyss」の振りを作っていて。
古瀬 えー!?
本田 『OWV LIVE TOUR 2025 -VERSUS-』では、ひとり一公演ずつセットリストを決めようってことになっていて。考案者が決めたことに対して何も言わない、ということを鉄則としたんです。そしたら、秀太が「自分が振り付けした『Abyss』をやる!」って言い出して。
古瀬 おもしろいですね。
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古瀬直輝
(こせ・なおき)1998年11月11日生まれ、大阪府出身。8人組ボーイズグループ「OCTPATH(オクトパス)」リーダー
古瀬「100%の濃度で満たされていた」
──実際にお互いが作った振りを踊ってみていかがでしたか?
本田 僕はもともとバラードを踊るのが超好きで、OWVの中でもバラード担当みたいになっているんですけど、古瀬の作った振りは動きながら歌いやすかったですね。導線や移動の仕方が僕の作る振りに似ていて、すっごく気持ちよかった。「ありがとうございます」って感じでした。
古瀬 めっちゃうれしいです。
本田 あと、音ハメが気持ちいいですね。2番からグッと音が入ってくるタイミングで、全部の音を取ったりしていて。あそこが決まると、気持ちいい。
古瀬 こだわったところを、そうやって気づいてもらえるとうれしいです。やっぱり歌いやすさって、すごく大事だと思っていて。特にバラードは、導線も大事じゃないですか。そういったところも考えていたので、そこに本田君が気づいてくれて本当にうれしい!
本田 それはよかった。本当にきれいな振り付けでありがたいです。繊細で難しいとは思いますが、いろんな人に踊ってもらいたいですね。
──古瀬さんは「VIVID」を踊ってみて、いかがでしたか?
古瀬 信じられないくらいスッと振りが入りました。それだけ音楽とマッチして、100%の濃度で満たされていたというか。楽曲を覚えるよりもスッと体になじみましたね。
本田 いわれてみれば、振り覚えが超速かった。
古瀬 「このあとはこういきたい」っていう体の動きが、そのまま振りになってたからストレスなく入りました。
本田 たしかに、それは意識していたかな。「こういったら、こうかな?」みたいな。
古瀬 あえて逆も行きたくなりません? 普通ならこういくけど、わざと違う感じにしてみようかなって。
本田 かっこつけたいときは、そういうのを多めに入れるかも。でも、今回は“子どもが遊んでる様子”をテーマにしていたから、気持ちよさのほうを取ったんだよね。そのまま無邪気に、楽しくいられるように考えて作ったから。とはいえ、意識したわけではなく、自然とそうなっていった感じです。細かいところについては「あとは遊んで踊ってください」ってOCTPATHのメンバーに託して。
古瀬 「やりたいように変えてくれていいよ」って、言ってくれてましたもんね。だから僕たちも「目を合わせたいから、ここで向かい合ってもいいですか」って提案できました。
本田 あれはよかったよね。一気に遊んでる感じが増した。
古瀬 ですよね。やっていても楽しいパートです。
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SOTA、平野紫耀、MAYA…ふたりが惹かれるダンス
──続いては、おふたりにダンス&ボーカルのシーンについてお聞きしたいと思っています。今、全体的にダンス&ボーカルのレベルが上がっているとは思いますが、「このグループのこの人がめっちゃいい!」という方を教えていただけますか。
本田 みんな言うのは、BE:FIRSTのSOTA。
古瀬 ズバ抜けすぎていますね。
本田 個人的にはNumber_iの平野紫耀さんかも。踊り方が超好きなんですよね。
古瀬 間違いないですね。僕はXGのMAYAさん。XGは全員が基礎とか完璧なのは大前提として、とにかくMAYAさんはスタイルがいいし、シルエットがエグい。たとえ端っこにいたとしても、目で追ってしまうんですよ。ソロでラップをするときの動きやジェスチャーなどの魅せ方もツボです。
──では、これまで共演されたダンス&ボーカルの中で、ライブが印象に残っているグループを教えてください。
古瀬 THE JET BOY BANGERZですね。ダンスのプロリーグ「D.LEAGUE」で活躍しているメンバーがいるから、ダンスは当たり前にヤバいし、一人ひとりが自分の最大値を更新していってて、ほとんどの方が僕より年下なのですが、すごくリスペクトしています。また次のパフォーマンスが見たいと思わせてくれる感じがすごく印象的でした。
本田 僕はBOYS AND MENさんかな。『ナガシマ カウントダウン&ニューイヤーズ・パーティ2025』で一緒になったとき、ライブがめちゃくちゃおもしろくて印象に残ってます。巻き込み型というか、お客さんの熱量を最後の曲に持っていって、一緒に歌う流れを作るのが上手すぎました。お客さんのボルテージが上がっていくのが、目に見えるんですよ。裏で聴いていても、登場したときとは声の大きさが全然違う。BOYS AND MENさんのプロ意識を改めて感じました。OWVもそれくらいスムーズに、お客さんを盛り上げられたらいいなって思います。
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本田「武道館やその上まで行けるように」
──最後はそれぞれのグループの展望について、おうかがいさせてください。OWVは4月で結成5周年、OCTPATHは2月でデビュー3周年を迎えましたが、今どんなお気持ちですか?
本田 え、まだ3周年?
古瀬 え、まだ5周年ですか? もっと……。
本田 いってると思った?
古瀬 貫禄が、あの……(笑)。
本田 (笑)。(佐野)文哉が走ってくれたり、バラエティに出させてもらったりして、OWVの知名度も上がってきてはいるけど、まだまだアーティストとしての魅力を伝えきれていない部分があるのも事実。次はいろんな番組やイベントに出て、「吉本興業にこういうグループがいる」ということを伝えていきたいですね。後輩たちには、OWVという先輩がいることで安心できるような現場や環境を作ってあげたいし。そのためには、まず自分たちがビッグになる必要があるというか、かっこいいアーティストでい続けることを一番に考えています。ちゃんと一歩一歩クリアしていって、武道館やその上まで行けるようにっていうのが、今後の展望かな。
──OWVのYouTubeチャンネルで1月に公開された動画の中でも、かなりシビアなお話をされていましたね。
本田 本来なら表には出したくない部分ではあるんですけど、「ちょっとやってみようかな」と思って。背水の陣というか、あの動画を出すことによって僕たちの焦りにつながるし、ファンの方にも僕らの状況が伝わったんじゃないかなと思っています。けっして悲観的ではなく、前向きにがんばっていこうと思っているので、ぜひ楽しみにしていてください。
──OCTPATHはデビュー3周年ですが、どのようなお気持ちですか?
古瀬 OCTPATHは直属の後輩がいないからこそ、「僕たちがもっと吉本興業を盛り上げて、大きくしていきたい」という気持ちが、3周年を迎えてより強くなりました。もうデビューしたての後輩の気持ちではいられないなって。こないだアリーナライブも経験しましたし、みんなと話し合っていても責任感や覚悟が次のフェーズに入ってきているように感じます。それこそ新しいことに挑戦しているOWVさんに刺激を受けて、「どうやったらもっと盛り上げられるんだろう」「自分たちは何ができるんだろう」って、メンバーでよく話し合うんですよ。まずは、僕たちがずっと言っている武道館でのライブを叶えたいですね。
本田 それは、お互いが叶えたいよね。
古瀬 僕はOWVさんもOCTPATHも、武道館2デイズができたらいいなって、勝手に思っています。
本田 やりましょう。実現できたら、めちゃくちゃすごいよ。
古瀬 相当すごいことではあるけど、アイドルでもやってるグループは多いじゃないですか。昨年9月には、BUDDiiSも武道館2デイズをやっていましたし。
本田 超特急さんなんて、横浜アリーナで2デイズしてるから。そういうことをやりたいですね。
古瀬 アリーナ2デイズできるアーティストになりたいんです、僕たち。OWVさんもOCTPATHも、着々と上っている実感はあるので、前向きにいきたいですね。
──アリーナはアーティスト側にステージの大きさや客席数が、ある程度委ねられるからこその葛藤がありますよね。
古瀬 それはありますね。やろうと思えばできないことはないけど……っていう。
本田 それこそ、この前の動画につながる話だと思うんですけど。OWVはちゃんと身の丈にあった会場で、着実にいいステップアップをしてきたと思っています。上の人が「OWVは泥臭くいこうよ」みたいな感じだったから、やらせてもらえなかったというのもありますけど(笑)。
──世間的に3年や5年は、ひとつの区切りとして扱われることもある期間だと思いますが、おふたりも何か特別な感覚はありますか?
古瀬 なんかありますよね。本田君は、ありません?
本田 今の僕は何も感じてないですけど、大切な年にしたいっていう想いはあります。「5周年で何をやるか」だと思っているからこそ、アルバム『Supernova』 をリリース(4月9日発売)するし、アニバーサリーライブもある。ちゃんと大切にしたいとは考えていますけど、正直なところ今は実感がないです。5年も経った感覚が、そこまでないですね。
古瀬 そうなんですね。
本田 だから、自分で特別な年にしようと思ってます。
──古瀬さんは、いかがですか。
古瀬 僕たちは3年活動しているとはいっても、1年目も2年目も3年目も……人数の変動があったんです。
本田 話題が尽きないね。
古瀬 そうなんです。だから、環境に慣れるということもなくて。ただ、この環境に感謝する気持ちはずっとあります。今が順調な期間なので、その環境に慣れることなく、3周年を過ぎても感謝の気持ちを忘れずに進んでいきたいです。
本田 OWVもOCTPATHも、3年と5年でけっこう区切りがいい周期なので……。
古瀬 絶対にいいことありますよね!
本田 躍進の年にしていきたいですし、がんばっていこうと思っていますので、応援をよろしくお願いします!
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2025年4月9日(水)より発売となる『Quick Japan』vol.177では、本田康祐(OWV)と古瀬直輝(OCTPATH)の本稿とは異なる内容の対談が掲載されます。さらに「QJストア」限定で、ふたりのソロ写真を使用したミニカード付きセットの販売も決定! 詳細は下記からご確認ください。
『OWV LIVE TOUR 2025 -VERSUS-』でOWV×OCTPATHが実現
東名阪福を巡るOWVライブツアー『OWV LIVE TOUR 2025-VERSUS-』の3月1日(土)に神奈川・KT Zepp Yokohamaで行われる公演の第1部にて、OCTPATHとの共演が実現!
詳細は下記の特設サイトよりご確認ください。
https://owv.jp/feature/owv_tour_2025