「エッグヘッド編特有のシルエットを大事にしました」『ONE PIECE』キャラに扮したレイヤーたちに聞いた“コスプレのこだわり”

2024.11.22
(左から)白子あこさん、伽也さん、shioさん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


世界最大規模のコスプレの祭典として知られ、8月2日~4日の3日間で25万3700人が来場した『世界コスプレサミット2024』。愛知・栄周辺エリアで行われた同イベントで、『少年ジャンプ』作品のキャラクターに扮したコスプレイヤーたちにインタビューを実施。“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも参加する上での醍醐味のひとつ。2024年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるもののまだ参加したことがないという方に向けて、本稿では2024年8月以降に行われたコスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

ここでピックアップするのは、世界最大規模のコスプレの祭典として知られ、8月2日~4日の3日間で25万3700人が来場した大型イベント『世界コスプレサミット2024』に参加していた『少年ジャンプ』および、『少年ジャンプ+』作品のキャラクターに扮するコスプレイヤーたち。

現在連載中の作品はもちろん、かつて連載していた作品の中にもコスプレ人気の高い作品は多く、『チェンソーマン』や『僕のヒーローアカデミア』、『幽☆遊☆白書』など、新旧さまざまなタイトルのヒロインたちが集結。

また、『ONE PIECE』に登場するDr.ベガパンク同士での併せや、『HUNTER×HUNTER』に登場する幻影旅団メンバーでの併せなど、大人数での撮影&交流を楽しんでいたグループもいて、それぞれに撮影のための長蛇の列ができていたのが印象的だった。

「友達と大人数併せをしようということになり、靴や小物をすべて自作で用意しました。造形に関しては、エッグヘッド編特有のシルエットを大事にしてます。個性的なお団子ツインテールの髪型は、毛束を別々で作り、セットする際に取りつける方法で再現しました」(『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【06:欲[ヨーク]】/伽也さん)

『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【06:欲(ヨーク)】/伽也さん
『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【06:欲(ヨーク)】/伽也さん

「耳の通信機は、原作のサイズ感と自分の顔を照らし合わせながら、ちょうどいい大きさになるよう制作したものになります。それともう一点、今回は身体作りもがんばりました。リリスの体型を再現できるよう、半年前から筋トレや食事の調整をして仕上げています」(『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【02:悪[リリス]】/shioさん)

『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【02:悪(リリス)】/shioさん
『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【02:悪(リリス)】/shioさん

「今回のコスプレは頭から足先のパーツまで、すべて自作で用意しました。未来感を演出するためにエナメル生地を使い、光沢感たっぷりの衣装に仕上げています。耳や尻尾には柔らかなボア生地を取り入れて、質感にもとことんこだわりました。靴は浮遊感を出すために10cm以上の塩ビ管を内部に仕込んでいて、夜には足元が輝くように電飾も仕込んでいるので、こちらも注目してほしいポイントです」(『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【05:暴[アトラス]】/白子あこさん)

『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【05:暴(アトラス)】/白子あこさん
『ONE PIECE』Dr.ベガパンク【05:暴(アトラス)】/白子あこさん

「こだわったポイントは特徴的な髪型の再現です。かなり難度が高めの髪型なので、試行錯誤しながらポニーテールを結い上げています。ボリュームもあったのでワッフルアイロンを使いながら、この形に整えました。それともう一点、今回は暑さ対策にも気をつけています。会場周辺の気温は40度を超えると予想されていたので、使い捨てのひんやりタオルや冷えピタを大量に用意して、見えない位置に貼ってなんとか暑さを凌ぎました」(『HUNTER×HUNTER』マチ/おじょさん)

『HUNTER×HUNTER』マチ/おじょさん
『HUNTER×HUNTER』マチ/おじょさん

「戦闘で衣装が破れた状態のシズクを再現してみました。原作コミックと照らし合わせながら破損する位置を確認して、破ったり縫い合わせたりしながら、こちらの形に仕上げました。掃除機のデメちゃんは、本物の掃除機を改造して作ったものです」(『HUNTER×HUNTER』シズク/まっぴさん)

『HUNTER×HUNTER』シズク/まっぴさん
『HUNTER×HUNTER』シズク/まっぴさん

「こちらのコスプレでは、キツめのメイクとウィッグの造形にこだわりました」(『HUNTER×HUNTER』パクノダ/めぇめぇさん)

『HUNTER×HUNTER』パクノダ/めぇめぇさん
『HUNTER×HUNTER』パクノダ/めぇめぇさん

「メイクに重点を置いて、キャラクターの目の形や雰囲気を再現することを意識しました。マキマは強く、ただ立っているだけでも独特のオーラを放つ女性なので、大人っぽいメイクにすることでそうした面を強調してみたつもりです。まつ毛は下がり気味にしつつ、より濃く見えるようにしたのもこだわったポイント。また、今回はセクシーな装いなので、露出対策もしっかり行いました。不透過のタイツを履き、バニースーツの下には似た色味のインナーも着用しています」(『チェンソーマン』マキマ/Minoさん)

『チェンソーマン』マキマ/Minoさん
『チェンソーマン』マキマ/Minoさん

「こだわったポイントは、ミルコの肌色を再現するために褐色メイクをしたことです。ファンデーションとドーランでこちらの色味に仕上げました。ちなみに褐色肌だと通常のコスプレメイクではなじんでしまうので、いつもより濃い目のメイクをして、ハイライトにも白肌ファンデを使うなど、色味のメリハリには気をつけました」(『僕のヒーローアカデミア』ミルコ/かえるちゃんさん)

『僕のヒーローアカデミア』ミルコ/かえるちゃんさん
『僕のヒーローアカデミア』ミルコ/かえるちゃんさん

「露出対策として衣装の下には黄色の水着を着て、脚をきれいに見せたいという狙いもあり、光沢のあるタイツも着用しています。メイクに関しては、眉毛には赤のアイライナーを、目尻には紫のアイライナーを使い、瑠架ならではの目元を表現しています。衣装表面の束呪縄(そくじゅじょう:縄を巻き付けたような装飾)は、3本の紐を編んで長さと太さを出しましたが、よく絡まる上、仕上がりもいまいちだったので、こちらの改善が今後の課題です」(『幽☆遊☆白書』瑠架/波紅偉織理さん)

『幽☆遊☆白書』瑠架/波紅偉織理さん
『幽☆遊☆白書』瑠架/波紅偉織理さん

QJWebでは今後も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

この記事の画像(全11枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

somtum_tai2

Written by

ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

関連記事

(左から)トマさん、今村知可さん、おりばーさん

「普段はレースクイーンをしていて、スタイルを活かせる衣装を用意しました」春麗などのゲームヒロイン・レイヤーに聞いた“コスプレのこだわり”

(左から)神崎もあさん、音琴ひつじさん、おもちちゃんさん

「肌のムチムチした柔らかみも感じてもらえるとうれしいです」水着衣装が眩しい『ブルアカ』レイヤーたちに聞く“コスプレのこだわり”

(左から)桃天さん、まりんさん、アムロさん

「筋肉スーツを自作してシルエットを再現しました」『キン肉マン』のキャラに扮したレイヤーたちに聞いた“コスプレのこだわり”

7ORDER安井謙太郎の採用体験記

7ORDER安井謙太郎の採用体験記──妥協なきエンタメの現場で「一緒に働きたい人」とは?【求人ボックス特別企画】

天才コント師、最強ツッコミ…芸人たちが“究極の問い”に答える「理想の相方とは?」<『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』特集>

「みんなで歌うとは?」大西亜玖璃と林鼓子が考える『ニジガク』のテーマと、『完結編 第1章』を観て感じたこと

「まさか自分がその一員になるなんて」鬼頭明里と田中ちえ美が明かす『ラブライブ!シリーズ』への憧れと、ニジガク『完結編』への今の想い

歌い手・吉乃が“否定”したかった言葉、「主導権は私にある」と語る理由

クイック・ジャパン/QJWeb/QJサポーターズ

クイック・ジャパンを一緒に盛り上げるメンバーを募集しています!

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。