<政治信条で右折左折レース>「これは笑えるのか?」お笑い観が試される奮闘企画をカズレーザーが振り返る【『KILLAH KUTS』特別企画】

2024.11.14

文=衣輪晋一 撮影=吉田耕一郎

編集=田島太陽


ヤバい企画、地上波ではオンエアできない番組……とはいっても、ネット配信でのお笑い番組が多数誕生している昨今、視聴者のハードルも上がり続けている。その壁を軽々と越え、お笑いファンに衝撃を与えているのが、Amazon Prime Videoにて配信中の『KILLAH KUTS』(キラーカッツ)だ。

すでに物議を醸している企画も多く、その是非は別として……ここでは各エピソードでMCとして登場したタレントたちに、番組の感想を聞いていく。

<エピソード3>は「街行く人に政治信条を聞いて『右寄り』と言われたら右折、『左寄り』と言われたら左折しなくてはいけないレース」。参加するのはお笑いコンビ・ウエストランドと、きしたかのだ。ゴールである東京タワーから等しく距離を取ったそれぞれの地点からスタートし、徒歩で移動していく。そして右折、左折が必要となるたびに「すみません、あなたの政治信条は右寄りですか? 左寄りですか?」と居合わせた町の人々に声をかける……。

番組MCはカズレーザーが担当。「右翼、左翼といっても、その定義も十人十色。これは難しいよね」「僕ならこのレース、絶対にやりたくない」と弱腰になってしまった過酷な同レースの勝者とは? そもそも道行く人は突然、政治信条を聞かれて「右寄り」「左寄り」などナイーブな質問に答えてくれるのか?

声をかける勇気、予想、体力、プラス政治信条……かつてなかった政治レース(?)が幕を開ける。

※番組の性質上、ご覧になられる方によっては一部不適切と感じられる場合があります。あらかじめご了承の上お楽しみください

<エピソード1>スポーツスタンガン:設楽統 インタビュー
<エピソード2>麻酔ダイイングメッセージ:伊集院光✕藤井健太郎 インタビュー
<エピソード3>政治信条で右折左折レース:カズレーザー インタビュー
<エピソード4>人狼童貞:さらば青春の光 インタビュー

「なんだこの能力は!」意外と白熱、ナイーブで唐突なレースの行方

「右翼左翼レース」に挑戦したウエストランド/『KILLAH KUTS』(キラーカッツ)エピソード3
「右翼左翼レース」に挑戦したウエストランド

まず政治信条の右と左ってなんだろうっていうのがありますよね。極右、極左までいっちゃうと極端だからネタにしやすいところはありますが、自分が右と左のどっちかって選挙のときに考えるぐらいですよね。それを街の中でいきなり聞かれて、意外とフラットな感じでみなさん答えてらっしゃるんですよ。もちろん「興味ないです」とか「わかりません」とか断られたりもしますけど、それが僕は興味深かったですね。

天皇制に違和感がないとか、君が代を歌ったことがあるとかの理由で「右かな」と答えてくれる人が多いのかなと予想はしてたんです。左寄りの活動をされている方は、実は中道だけれど世間が右に寄っているから左になっているかもしれない印象があって、悩むかなあとか。ところが意外に白熱してましたね。

「右翼左翼レース」に挑戦したきしたかの/『KILLAH KUTS』(キラーカッツ)エピソード3
「右翼左翼レース」に挑戦したきしたかの

途中で、岸(大将/きしたかの)さんに神通力みたいなものが降ってきた瞬間があって、それは勝手に人を決めつけてるだけなのに、なんかすごい展開だったんです。「なんだこの能力は!」って思いましたね。こんなに人を見る目があるんだったら、どこかの政党に選挙アドバイザーとして採用されるんじゃないかっていう。

あとは6時間、7時間とロケやってて、バグってるんですかね。最初はおそるおそる右寄りか左寄りか聞いてたのに、港区に着いたあたりからは当たり前に(笑)。でも聞かれるほうは「え!?」ってなりますよね、いきなり右か左か聞かれたら普通は気持ち悪いですよ。

でも、右寄りとか左寄りとか、普段言わずに暮らせているっていうのは、日本はなんてのどかな国なんだろうとも思いました。どっちつかずでも暮らせるのは幸せなことでもあるし、だから選挙に行かなくなっているという弊害も起こっているのかもしれない。また、そうも言いきれないところもあり、難しいですね。

ただ、右寄りとか左寄りというのを、なんとかお笑いに変えようとしているウエストランドときしたかのの奮闘もおもしろかったです。「苦労してるなあ」って(笑)。

カズレーザー/『KILLAH KUTS』(キラーカッツ)エピソード3
カズレーザー/『KILLAH KUTS』(キラーカッツ)エピソード3

これをおもしろいと思えるかどうかでその人のお笑い観が試される気がします。これで笑える人は、ほかのさまざまなところでも笑うタイプなんだろうな、とか。僕も自分が好きな笑いっていうのが試されている感じがしました。

ただ、いい意味で、観ても観なくてもどっちでもいい内容のVTRになっています。こんなに「ここを観て」とオススメする箇所がないVTRもほかにないんじゃないかな(笑)。ぜひ、多くの人にそれを感じてもらいたいですね。

たしかに。まだ聞いてない二択はほかにもいろいろありそうな気がします。シリーズで広がっても楽しいかもしれませんね。

『KILLAH KUTS』(キラーカッツ)はAmazon Prime Videoで配信中

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