くだらないことが大好き!TBSアナウンサー田村真子が高校時代にハマった「情熱大陸ごっこ」とは?【明日の朝はどんな朝?】
TBS『ラヴィット!』でおなじみの田村真子アナウンサーが日々の悩みや心の動きを徒然なるままに語るエッセイ連載、スタートです! 大好評だった「『ラヴィット!』日誌」からおよそ2年、田村アナが『Quick Japan』に帰ってきました。入社7年目、中堅会社員として大奮闘する田村アナの日常をお届けします!
今回は「学校っぽい」と言われる『ラヴィット!』の舞台裏から、実際の田村アナの学生時代の思い出を回想します。
今回は『Quick Japan』vol.174からの転載です。本連載はQJ&QJwebで毎月連載中!次回はQJWebで11月中旬に配信します。
『ラヴィット!』が学校っぽい理由
『ラヴィット!』はよく、観ている方から「学校みたい」とたとえられたりします。たしかにそのとおりだな、と私も思います。何が学校らしさを感じさせるのか……特に同世代の人ばかりが集まっているわけでもないし、勉強をしているわけでもないのですが。スタジオの空気感がそうさせているのでしょうか。全曜日の中で、特に学校感というか学生時代に近い感覚を思い出すのは、水曜日と木曜日です。ちなみに金曜日は学校ではなく、もはや親戚の集まりという空気感に近いと思います(笑)。
水曜日は女性レギュラーが矢田亜希子さんだけということもあり、男子校っぽいと言われます。たしかに見取り図の盛山(晋太郎)さんが毎週暴れ回っている様子や、たまに来るさらば青春の光・森田(哲矢)さんと戯れ合う様子は小学生のころを思い出します。そのうちふざけすぎて先生に雷を落とされかねないあの感じです(笑)。すごく楽しそうで微笑ましいです。
先日はOPでサンボマスターさんの曲が流れ始めてからスタジオの様子が映る数秒の間に、ひな壇後列の端、MCから一番遠い見取り図さんの席のほうから、リレー形式でMC側に座っているインディアンスの田渕(章裕)さんにガムテープが届けられたんです。みんなニヤニヤしながらガムテープを机の下で回している様子は、本当に授業中のよう。結局そのガムテープは放送中に使われることなく、なんだったのか謎ですが……。こんな場面がよく見られるのが水曜日。水曜メンバーのみなさんが無邪気でリラックスして放送に臨んでいるからなのでしょうか。学生時代のように遊び心を忘れない、エネルギッシュさが水曜の魅力だと感じます。
一方で、木曜日の学校感はまた水曜とは少し違います。木曜はレギュラーの横田真悠ちゃんやゲストの方も若い人が多いからそう感じるのかもしれませんが、みんなが各々マイペースというか、自由さがある気がします。ゲームで納得のいかないことがあればギャル曽根さんは一歩も引かないし、最近は木曜以外にも進出しているかけおちの青木マッチョさんも毎度本当なのか嘘なのかわからないことを言い、主張を曲げないタイプ。テレビだからといって自分を飾ることなく、本音で、自然体でそれぞれが接しているからなのかも……。
8月に風呂桶で卓球をする「桶ット卓球大会」をした日があったのですが、2時間まるまるOPの日ということもあり桶ットの応援もずっと立ちっぱなしでした。なのでCM中、私とギャル曽根さんと横田さんの3人でスタジオセットのパネラー席の低い段差のところに腰かけておしゃべりをしていたんです。その日はニューヨークの屋敷(裕政)さんが異様に桶ットがうまくて、屋敷さんの話をしていました。「屋敷さんってそういえば前やったゲームもうまかったよね?」「なんでもできるじゃないですか、器用なのかな」「自分から言わないだけで、いろいろできるんだ」といった具合に盛り上がってました。そして赤荻(歩アナウンサー)さんに「もうCM終わるから立ってくださーい」、川島(明)さんにも「女子~!」と言われ焦って立ち上がり。自分たちでも「もう体育祭の女子やん」となっていました(笑)。よくよく考えると、木曜はみんなでやるゲームも体育祭やクラスのお楽しみ会でやりそうなものが多い気がします。となるとやはり童心に帰ってしまうのでしょうか……。
「『情熱大陸』に出たがっていた真子ちゃん」
では実際、学生時代の私はどんな人間だったのか、私は生まれてから大学入学のために上京するまでの18年間を、三重県で過ごしました。中高は仏教系の一貫校で過ごし、仏陀の教えの下で6年間を過ごしました。まぁ仏教精神が今の私に根づいているかは謎ですが、寺巡りは今でも好きです。我が母校はユニークな学生が多く、本当に楽しい6年を過ごしました。数学オリンピックに出るような先輩もいれば、お笑いコンテストや『探偵ナイトスクープ』(朝日放送)に出る同級生がいたり、とてもバラエティ豊かでした。
私はよく女子校出身の子から「女子校っぽい」と言われることもあるのですが、母校は男子の数が女子よりもかなり多い学校でした。でもその中でも比較的自由に女の子たちとふざけ騒いだ学生生活だったので、そう見えるのでしょうか。……というか6年間も一緒だと、男子のことを良くも悪くも意識しなくなるんですよね。文化祭の準備中にふざけまくる男子に「ちょっと男子~!(怒)」とイラついた記憶はあります(笑)。そういう点では男子校のような水曜の空気は当時から慣れっこだったのかもしれません。
あと、当時からおもしろいことは大好き! 私のまわりには楽しい友達がたくさんいました。6年間もあるのでどの時期を切り取るかというところはあるのですが、覚えているところだと『情熱大陸』遊びにハマっていた時期がありました。学内での行動にいちいち『情熱大陸』っぽいかっこいいナレーションをつけていくというものです。いかにも学生っぽい、くだらない遊びですよね(笑)。でも高校生なんて箸が転んでもおかしい年頃というじゃないですか。だから本当におもしろかったんです!
恥ずかしいのは、このブームの渦中にいた私たちは『情熱大陸』に出たくて仕方がなかったわけです。朝の電車でその話をしていたときに、ちょうど別のクラスの女の子がいて、それがおもしろかったのかその話を自分のお母さんに話したそうで。だからいまだに私はその子のお母さんの中で「『情熱大陸』に出たがっていた真子ちゃん」として認識されています。別に『情熱大陸』に出たくてTBSアナウンサーになったわけではありません。制作するMBSとは系列局ですが、局アナが出られるような番組ではありませんので……。
試験を受けなくていい学校生活!
帰りの電車でも最寄り駅が同じ友人とは「教頭はゆくゆくは学園長の座を狙っている」「学園長との関係は良さそうだが、校長とは絶対仲が悪い」など勝手な妄想話を繰り広げ、盛りがった挙句乗り過ごしそうになることは日常茶飯事。今思えば、恋バナよりもよくわからない妄想話ばかりしていました。本当にバカな話ばかりだったなぁと思いますが、その友人はそんなくだらないことに付き合いつつも、しっかりと東大に進学していきました(笑)。
基本的に理系の人数が多く医学部などを目指す優秀な同級生がたくさんいて、その中で私は万年「真ん中ぐらい」という学年順位を抜け出せませんでした。優等生というポジションにはつけなかったわけです。難関校の指定校推薦を狙うにしても高い評定を取るのは難しく、そもそもそんな評定を取れる実力があるならもっといい大学に受かるじゃん!ということであきらめ、一般受験でがんばることに。
高校生になってからは、学校が終わったら塾の自習室に行き勉強しつつ友達とご飯を食べつつ居眠りしながらまた勉強して家に帰りまたご飯を食べて就寝するという生活でした。今思うと若いとはいえけっこうハードな生活です。座り続けるって疲れますもん。まぁ私は居眠りしてしまってましたが……勉強が好きなわけでもなかったので、もちろんストレスもあります。よく胃も痛くなったし、一発勝負の受験、もしかしたらどこも受からないのではないかと絶望し、塾で半泣きになったことも。今思い出すと、大変だけどなぜかすごく楽しい学生生活でした。気の合う楽しい友達に毎日会えるというのは何にも勝る幸福なのだなと、大学までの学生生活を思い出すとひしひしと感じます。
いまだに高校や大学時代と今がごちゃ混ぜになった空間で遅刻や教科書の忘れ物をする夢を見て、途中で「あ、私はもう試験を受けなくていい世界で生きているんだ」と気づきます。それだけ、そのころの経験が私の人生において大きいのだと思います。
でも、今の私が日々を過ごしている『ラヴィット!』は学校のような楽しさがありつつも試験勉強はしなくてもいいわけです! それって最高の環境ですよね! ビリビリイスや激クサ空気砲さえなければ……。
そんな今の私は学生時代の夢を見る一方で、『ラヴィット!』に遅刻する夢、原稿がめちゃくちゃでちゃんと読めない夢をよく見ます。そしてきっとこの類の夢を、いつか番組を卒業したあとも一生見続けるんだろうなと今から震えています(笑)。「今」は私の第二の青春のようです。
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