小森隼&陣が挑む、鈴木おさむ最後の『芸人交換日記』が開幕。「今、届けるべき物語になった」
2月20日に開幕した舞台『芸人交換日記』の公開ゲネプロが行われ、企画・脚本・演出を務める鈴木おさむと出演する小森隼(GENERATIONS)、陣(THE RAMPAGE)、アンジェリーナ1/3(Gacharic Spin)が囲み取材に登壇した。
鈴木おさむ、放送作家キャリア最後の作品
原作である『芸人交換日記〜イエローハーツの物語〜』は、鈴木が『クイック・ジャパン』で、2009年から連載していた作品を2011年に小説として発表したもの。売れないお笑いコンビのリアルな生活と葛藤を交換日記形式で描いた作品だ。2011年8月にはオードリー若林正恭と田中圭を主演に舞台化、2013年3月には伊藤淳史と小出恵介を主演に映画化されている。
2024年3月末をもって放送作家業の引退を発表した鈴木にとって、放送作家キャリア最後となる本作。「辞める前にこの物語をどうしてもやっておきたかったんです。隼と陣とは朗読劇でこの物語をやったことがあったんですけど、機会があったらお芝居でやりたいと前から言っていたので」と、上演を決めた理由を明かす。
また、無事にゲネプロ公演を迎え、「今日観て、2011年に上演された作品とはまた違った、今、届けるべき物語、お芝居になったと思いました。3人とも素晴らしいお芝居でした。本当にありがとうございます」と、出演した3人への感謝を伝えた。
主人公の田中役を務める小森は、「1月の末から3人で力を合わせてやってきたんですけど、ステージに立って稽古場では感じられなかった田中の気持ちに気づくことができました。残りの公演ではまだまだ僕の知らない田中に出会えるでしょうし、たくさんの方に観ていただけるんだなと思うと、本当にわくわくしかないです」と、公演への期待を語る。
もうひとりの主人公、甲本役の陣も「自分もTHE RAMPAGEというグループで活動しているんですけど、世界線が違ったらこうなっていたかもしれない、この先こうなるかもしれない、といったことを感じながら甲本という役をやらせていただいているので、いろんな感情になります。その日、その日にしかない表現というものがきっとあると思うので、全力で走りきりたいです」とコメントした。
本作が舞台初挑戦となるアンジェリーナは「毎日毎日稽古をするのがすごく楽しくて、舞台ってこんなに生活に彩りをくれるんだって、生きる活力になっていました。その想いを全力でステージで表現したいと思っているので、最終日まで駆け抜けていきたいです」と笑顔を見せた。
ゲネプロ公演での3人について、鈴木は「この作品は細かい芝居うんぬんよりも、自分の中にある気持ちを出すのが一番いいと思っています。隼が演じる田中のネチネチした部分は、もう小森隼そのもの。陣が演じる甲本のみじめさも見事で、本当に自分の中に(その感情が)あったからできたんだと思います。アンジも素晴らしかったですね」と振り返る。
また、「この物語は夢をあきめるということが一個のテーマです。僕が40歳ぐらいのときにこの物語を書いたんですけど、自分が辞めるとなった今、この物語で辞めていくっていう、こんな幸せなことはないと感じております。この3人に最後の舞台を送り出していただけることにすごく感謝ですし、ぜひ、たくさんの人にこの物語を目に焼きつけていただきたいと思います」と、最後の作品に向けての心情を語った。
前に進む勇気を与える作品に
鈴木とは10年以上の付き合いで、師匠として慕う小森は「作家業を辞められるっていうお話を聞いたときはものすごく衝撃でした。でも『最後の舞台でぜひ、田中をやってもらいたい』というお話をもらったときは本当にすごくうれしかった」という。「おさむさんに褒められたくて、ここまでがんばってきたみたいな気持ちもあります。もしかすると表に立つおさむさんと携われるのはこれが最後になるんじゃないかと思うので、今まで教えていただいたすべてを返せるようがんばりたい」と、意気込みを語った。
陣も「最近は不条理なことや、人と人がうまく交わらない瞬間を感じたりすると思うんですけど、この作品を観終わったあとに、隣にいてくれる人にありがとうとか、そういう言葉が出るように自分たちも一言ひと言を紡ぎながら演じていきたいと思います。今の世の中を少しでも元気に明るくできるようにがんばります!」と、アンジェリーナも「私自身もこの作品に生きる活力をもらいました。配信を観てくださるみなさんも、公演に来てくださるみなさんも、誰ひとり離さずしっかり抱きしめて、イエローハーツの物語をこれから先もずっと続けられるような素敵な舞台にできるようにがんばりたいです」と公演への思いを話した。
最後に鈴木は「今、テレビ朝日で『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』というのが話題になっていて、あいつはこういうのばっかり書いてんじゃないかって思われてるんですけど、この作品を観ていただいたら、僕は変態ではないというのが伝わると思います(笑)」と、現在放送中の自身が脚本を務めるドラマ作品の話題を交えながら、「この作品は青春、涙ありで(『離婚しない男』と)同じ人が書いたとは思えない作品ですけども、ぜひ観て感動していただきたいです」とコメントし、会見を終えた。
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鈴木おさむ企画・脚本・演出 舞台『芸人交換日記』
2024年2月20日(火)~25日(日)TOKYO FMホール(東京都千代田区麹町1-7)
出演:小森隼(GENERATIONS)、陣(THE RAMPAGE)、アンジェリーナ1/3(Gacharic Spin)
企画・脚本・演出:鈴木おさむ
主催:TOKYO FM
後援:ゴーイングメリー、LDH
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