緊急事態宣言直前、不要不急の大句会『東京マッハ』が燃えた日

2020.4.15

ウイルスが阻む状況のなかで言葉は

俳句は座の文芸である。
たった17文字について、大の大人が何十分も、「も」が気に食わないだの、「嵌め殺し」がよいだの、あーだこーだと議論する。
緊急事態だと宣言されたヒリヒリした世界で、直接的実利的になんの役にも立たないことを、延々と会話している。
人と人とが近づくことをウイルスが阻む状況のなかで、言葉は、届く。
そして、それが世界の見え方をちょっと変える。
窓を見て、渡り鳥を想像する。空き地を見つけて、そこに光を感じる。不要不急の水餃子を食べたくなっている。

そういった想像力をドライブするちょっとした何かが、人間にも穴人間にも必要だ。

句会が終わって告知タイムへ。長嶋有は最後までインスタライブ中継をつづけた


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