ザ・マミィ酒井、ヤバさてんこ盛りの“彼女の実家”ドッキリに「人生の分岐点に踏み込んじゃダメなんじゃないですか?」(水曜日のダウンタウン)

てれびのスキマ

文=てれびのスキマ イラスト=おさく 編集=森田真規


テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『水曜日のダウンタウン』(8月16日放送)

先日、この番組の「芸人結婚ババ抜き」で結婚を発表したザ・マミィ酒井へのドッキリ企画として「プロポーズした彼女の実家がどんなにヤバくてももう引き返せない説」。こちらが“本命”で、「ババ抜き」はおまけ的に企画されたものだったというからスゴい。

ニセの実家の玄関には「スイ眠妨害スルナ馬鹿タレが」という張り紙、過剰な消毒、リビングには専用のスタンガン置き場、さらには「電磁波注意」「人間大計画」「目指せ!ロボットユートピア」「富士山噴火まで◯◯日」といった文言の張り紙……と、ヤバさてんこ盛りの家。

ディテールの作り込みが凄まじい。そして謎のマークが飾られている。これに「『ともだち』みたいや」と、浜田が『20世紀少年』を挙げてツッコむのは意外でおもしろかった。

もちろんこれだけでは終わらず、遺影がデスマスク、2階には第2夫人がいて、風呂場には大量のクーラーボックスが置かれているのを見つけると、ついに泣き出してしまう酒井。

彼女を迎えに行くために、家族全員でお札で結界を張った車に乗り込んだところでネタバラシ。「頭がおかしくなりそう」とパニックになりつつも、酒井は「あんまり人生の分岐点に踏み込んじゃダメなんじゃないですか?」と正論。父親が一見まともそうな感じなのがよけい怖かった。このあと、正式に本当の家族に挨拶したという酒井「めちゃくちゃ普通で、ちょっと物足りなかった……(笑)」。

「ロケ中、ミスをしたスタッフが次々とボウズになって戻ってくるとんでもないパワハラ現場、テンションの作り方難しい説」では、やす子のリアクションがとてもよかった。

「聞いたことない番組ほどスタッフが厳しい」との証言も真理。プロデューサーに対してもバリカンを向ける、もはやパワハラなのか?という場面では、「待てーい!」と止めに入るやす子。「力で解決するのって、古いと思うんですよ。会話で解決しようって」と振り返り、「カッコよかったです」と言われて「ややややややややや」と照れるのもチャーミングだった。

最終的に全員がボウズになる“狂信集団”に、酒井の説で使われた「謎のマーク」が浮き上がってくるのが可笑しい。小籔「しょうもないパワハラするディレクターのVTRの仕上がり、だいたいしょうもないからのぉ!」。

『明鏡止水』(8月16日放送)

「武のSEKIGAHARA」と題して、関ヶ原の戦いで活躍した武術を紹介。この戦いで重要な役割を果たしたのは槍。「槍は戦で陣形を守ることに特化した武器。生き残るための武器」と岡田准一はまず解説。「槍はそんなに簡単に入れないからな!」と槍の優位性を説く。

さまざまな槍術のほか、忍者集団「甲陽流兵法 吾妻衆」の伊与久松凬が登場すると「伊与久先生はいい意味でガチもんの変態」と紹介する岡田。確かにただ者ではない雰囲気を醸し出している。

そして小野派一刀流の「切落」の演武に、「僕はこの動きだけで、お酒飲めます」とうっとりしている岡田准一こそガチもんの変態っぷりを今回も見せていた。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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