松本人志が佐久間Pに「僕のダメなところってどこ?」その答えに「売れる!」(まつもtoなかい)

文=てれびのスキマ イラスト=おさく 編集=高橋千里


テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『まつもtoなかい』(6月18日放送)

ゲストは伊藤英明と佐久間宣行。伊藤の生粋のお笑い好きっぷりがスゴかった。

伊藤が佐久間を呼んだのも「佐久間さんを松本さんに会わせたいと思ったから」というのがファン心理にあふれている。とんねるずにも佐久間の番組のDVDを「観てください」と渡したことがあるそう。

松本と佐久間は初対面。そもそも松本はテレ東自体にも出演経験はないという。そんな松本が「佐久間さんに聞きたいことがあるなぁ」と切り出す。その質問は「僕のダメなところってどこですかね?」。

中田敦彦も佐久間に同じ質問をしていたが、佐久間にはそういったことを聞きたくなるのか、あるいは、最も面と向かって答えにくい質問をぶつけることで、その人の本質を見極めようとしているのか。いずれにしてもヒリヒリする質問。

佐久間は一瞬絶句しつつ、おそらく考える時間を作るため「まず、いいところから言ってもいいですか?」と言うと「いいところは、もう聞き飽きたんですよ」と逃さない。

そんな状況を察してか、中居が時間を稼ぐように先に答える。このとき佐久間の脳内は猛烈な勢いで思考が張り巡らされていたに違いない。

そうして佐久間が出した答えは「松本さんの映画とか、『ヴィジュアルバム』とかを世に出すブレーンがいないんじゃないか」というもの。

「フォーマットを作る以外の、イマジナリーの部分をつなげる人がいない」と、本人の欠点そのものではなく環境の部分を言う、さすがは歴戦のプロデューサーという答え。これに松本「売れる!」。

一流同士の緊張感のある探り合いに痺れた。これまで佐久間×松本の作品なんて現実味がなくて想像もできなかったけど、いつか実現するんじゃないかという夢を見させてくれるだけでも尊い。

最後に佐久間は「おふたりみたいなスターは(今後)生まれてくるのか」と逆に質問。これに松本が「いったんお笑いは劇場に戻るような気がしてて」と答えたのが印象的だった。松本「ネガティブな意味じゃないけど、俺が引退したほうが変わる気はする」。

『ガキの使い』(6月18日放送)

久々となる「方正プロデュース」の第8弾。今回は松崎しげる、マイケル富岡、モーリー・ロバートソン、村西とおる、原俊作、まねだ聖子といったゲストも参加。

その中には千秋も。元夫・遠藤が「ご無沙汰しております」と挨拶するなか、「『ガキ使』は絶対断らないと決めている」と千秋。

そんな総勢14名で歌うのは「We Are The World」ならぬ「WE are the children」。松本は「ねぇちょっといいかしら。私の考えなんだけどね」といった長い語りパートがあり、浜田は「女神」として「私は憂う~♪」と壮大に歌い上げる。

毎回、方正の奇才っぷりが垣間見えてとてもいい。方正「バッチリです! 想像以上でした」。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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