AMEMIYA|正田真弘写真室「笑いの山脈」第11回

文・撮影=正田真弘 編集=竹村真奈村上由恵


カメラの前に立ちはだかり、ネタの瞬間ものすごい存在感でエネルギーを放出するお笑い芸人。その姿はまるで気高い山のようだ。敬愛するお笑い芸人の持ちネタをワンシチュエーションで撮り下ろす、フォトグラファー正田真弘による連載「笑いの山脈」。本業はポカリスエット、カロリーメイト、どん兵衛、Netflixなど見たことある広告をいっぱい撮っている人。


AMEMIYA「晩夏の冷やし中華」

うちの子供たちは今週で夏休みも終わり。
非常事態ながらも日常が我が家にも戻ってくる。
配信されている『FUJI ROCK FESTIVAL ’21』を観ながら、
お盆が涼しかったり、夏の高校野球がまだやっていたりとふわっとしたこの夏を思い返していた。
そして、モニターから流れてくる忌野清志郎「Rock’n’Roll FOREVER」が最高だった。
やっぱり、音楽の持つチカラは素晴らしい。

冷やし中華はじめました

夏の到来を告げる曲としてしっかりカテゴライズされるこの歌も、
今では「捧げる歌」として人生の門出、節目を迎える人たちに、たくさんの物語を生み出している。

AMEMIYAさんが丁寧に紡いだ歌詞は、本来は「捧げられる人」のために綴られたものだが、
聴いていくうちに自分にとって大切な人の顔が浮かんでくるから不思議だ。

お盆にビデオ電話で話した母もだいぶ白髪が増えていた、膝も悪いらしい。
話題は孫についてがほとんどで、落語家ばりの母親との会話は20年以上、僕はただうなずきつづけている。
母の日の「ありがとう」が精いっぱいの関係だが、誕生日もまだ先だし、
こんなご時世だからこそAMEMIYAさんに「捧げる歌」を頼んで贈ってみたい。


AMEMIYA
1978年11月10日生まれ、千葉県出身。SMA NEET Project所属。東京NSC卒業後、コンビとして活動するもピン芸人となり、2011年にギターをかき鳴らす歌ネタ『冷やし中華はじめました』で『R-1ぐらんぷり』に出場し準優勝を果たす。現在、オーダーに応えてオリジナルソングを作成する営業が大人気。


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