FRUITS ZIPPER表紙グラビアは「なぜ“天使”だったのか?」『Quick Japan』vol.176撮影振り返り【夕方5時の会議室】

少女写真家・飯田エリカと、QJ編集部・高橋の音声番組『夕方5時の会議室』がスタート。メディア業界で働く同世代ふたりが、日常で感じているもやもやを、ゆる〜くカジュアルにお話しします。
第1回は、現在発売中の『Quick Japan』vol.176より、飯田エリカが表紙撮影を担当したFRUITS ZIPPER特集グラビアの振り返り。特集テーマでもある「かわいいってなんだろう?」という問いかけについても、ふたりで考えました。
この記事では、音声配信の前半部分だけをテキストで公開。後半は、YouTubeまたはPodcastよりお聴きください。
FRUITS ZIPPERと「かわいいってなんだろう?」を考える
飯田 初めまして、少女写真家の飯田エリカです。
高橋 初めまして、『Quick Japan』編集部の高橋です。この番組は『Quick Japan』がプレゼンツする、メディア業界で働く私たち同世代ふたりが、日常で感じているモヤモヤだったりをカジュアルにゆるーくお話しする番組です。
飯田 よろしくお願いします!
高橋 『Quick Japan』で最近、音声だったり動画の試作をもうちょっとやっていこうっていうフェーズにようやく来ていまして、まだまだ未経験な編集部員ばかりなんですけれども、今回は私が飯田エリカさんをメインのトーカーとして、こういった番組をやらせていただければなと思っております。
飯田 ありがとうございます。そういうお話が上がってます、みたいなところからけっこうすぐ実現してびっくりです!
高橋 そうなんです。そもそもの流れでいうと、『Quick Japan』vol.176(2月17日から発売中)でFRUITS ZIPPERさんの特集を組ませていただいて、その表紙グラビアの撮影をしていただいたのが、飯田エリカさんで。
飯田 そうですね。

高橋 事前にロケハンで撮影現場に飯田さんの車で向かっていたとき、いろいろ(私と飯田さんが)たくさんお話をして、そのときにやっぱり飯田さんのお話がめちゃくちゃおもしろくて。
飯田 本当ですか(笑)!
高橋 いろいろフェミニズムにまつわるお話だったりとか、たくさん深いお話をさせていただいたんですけれども、このまま音声で流せるなっていうぐらい。
飯田 そうですよね、道中の車の中で。
高橋 なのでぜひ配信したいなと思って始動してみました。今回のFRUITS ZIPPERさんの特集テーマが「かわいいってなんだろう?」で。
飯田 けっこう深いテーマですよね
高橋 いろんな雑誌で特集されてきたアイドルさんなんですけれど、『Quick Japan』でやるからには、ちょっと批評的な目を持ちながら深いところまで突っ込みたいなと思って。
FRUITS ZIPPERさんといえば、やっぱり「かわいい」。どこからどう見てもかわいい、本当にかわいらしい皆様なんですけれども。「NEW KAWAII」というキーワードをコンセプトに掲げて活動されていて、その中でメンバーのみなさんは「かわいい」っていうキーワードをどう捉えていて、その「かわいい」の先に何を見ているのか?みたいなところまで掘り下げられたらいいなと思いました。
今回「かわいい」をテーマに撮影するにあたって、やっぱりこのキーワードに対して何かしら思うところがありそうなカメラマンさんにお願いしたいなと思って。私自身もいろいろこのワードについては考えてきたんですけれども、飯田さんってやっぱり少女写真家で、今まで女の子たちの写真をたくさん撮られてきたので、このキーワードに対していろいろ思うところがあるんじゃないかなと思い、そしてとびきりかわいいFRUITS ZIPPERさんを撮っていただけるんじゃないかと思い、お願いした次第でした。
飯田 ありがとうございます。『Quick Japan』さんでは前も少しお仕事させていただいてたんですけど、今回けっこう久しぶりで、しかも表紙で。今のジャパニーズ・アイドルというか、日本らしいアイドルを牽引しているFRUITS ZIPPERさんの撮影ということですごくうれしかったです。最初の(編集部との)打ち合わせでも、このテーマについてすごくしゃべって。
高橋 「『かわいい』とは?」みたいな話、しましたよね。
飯田 撮影も、たぶん今までの『Quick Japan』ではあまりないテンションというか、かなり私の作品の世界観をそのまま表現させていただいて。
高橋 もうそれは本当に、委ねました。飯田さんの世界観が私自身もすごく好きっていうのがあって。本当にこの天使の羽がね、ファンの方たちからも好評ですよね。衣装と天使の羽がすごくマッチしていて。
飯田 私が「(撮影のコンセプトを)天使で!」っていうのをかなりギリギリまで粘ったというか……。

高橋 天使にしたのには何か理由があったんですか?
飯田 やっぱり「かわいい」と「FRUITS ZIPPER」をかけ合わせたアウトプットが世の中にすごくあるじゃないですか。もうちょっとナチュラルな衣装だったりとか、それこそ今のアイドル衣装みたいな感じも、パキッとした感じもあるし。
でもせっかく『Quick Japan』さんで撮るんだったら、そういうのとは被らないイメージで、しかも「かわいいってなんだろう?」というテーマのときに、バックストーリーを考えたくて。撮影日に(撮影と同時並行で)メンバーインタビューをする形式だったので、本人たちが何を思ってるとかは知らない状態で(撮影に)臨むので、勝手にこういうものだろうっていうのは限定せずに、いろんな意味合いで成立するのだとしたら、ちょっとファンタジーにしてもいいのかなと思って。
打ち合わせのときに思いつきで「天使にしてもいいですか? ファンタジーな感じの……」と言った気がして。私の中でイメージしたのは、FRUITS ZIPPERのみなさんが、実は人間じゃなくて天使だったとしたら……みたいなファンタジックな設定のフォトストーリー。ロケ地も都会ではなく、すごく自然があるところとか、どこかわからない部屋の中で撮らせてもらって。
FRUITS ZIPPERさんたちって「こんな失敗もかわいい」とか肯定してくれる、ファンの人の自己肯定感が上がるような「かわいい」の提示の仕方をしてて。そのメッセージ性ってなんか、人間に力を分けてくれるアイドルっていうのが、神様からのメッセージを伝えて人間がよりよく生きられるようにしている天使と重なるんじゃないかなと思って、天使設定もアリなんじゃないかな?みたいな感じにしてみました。
(撮影の)イメージボードみたいなのを作って、スタイリストさんとかにも共有してくださったと思うんですけど、私がざっくり作ったテーマをキャッチしてイメージを広げてくれて、素敵なスタイリングとヘアメイクをしてくださって、想像以上の世界観で撮影できたなって。

高橋 みなさん天使だけど、やっぱりそれぞれ個性がありますよね。メンバーカラーも入っていて、衣装もちょっとずつ違ったりとか、そういうところもFRUITS ZIPPERさんらしいというか。
飯田 実際撮らせてもらって、もうみなさんかわいすぎてびっくりしたんですけど、最初の打ち合わせのときに「『かわいい』を連呼するカメラマンって信用ならん!」みたいな話をしたのに、私も全然「かわいい」を連呼したな……みたいな(笑)。本当になんかどう撮ってもかわいかったんで、すごいなっていうのと、一人ひとりのかわいさとか強さみたいなものが全然違ったんで、びっくりしました。
高橋 川のあたりでFRUITS ZIPPERさんたちが踊ってるような写真もありますけど、こちらも本当に天使たちが戯れてるようなカットですよね。
飯田 「遠くから(天使たちの戯れが)うっかり見えてしまった」ような感じで撮れたらいいなと思って、引きの写真もけっこう撮らせてもらいました。
高橋 この特集で、みなさんにとっての「かわいい」ってなんですか?というのを聞いていて、それに対するそれぞれの答えだったりもここに書いてあったり、あとはプロデューサーの木村ミサさんにも「かわいい」という言葉に思うことをお話しいただいたりとかして。
もちろん「かわいい」って魔法のような言葉だったり、でも時には呪縛になったり、でもなんか最終的には、今FRUITS ZIPPERさんが提示してくれている「あなたがあなたのままでいる」っていうのが「かわいい」だよね、っていう結論になったんですよ。
飯田 なるほど、なるほど。
高橋 でもやっぱり「かわいい」の捉え方は人それぞれだと思うので、必ずこうであるっていう断言はできないんですけど、なんかそういう「かわいい」に悩んでる人たちに何かメッセージやヒントになったらいいなというふうには思っています。
飯田 すごい、いいですね。アイドルさんを特集するときって、そんなに深掘らない企画もいっぱいあるじゃないですか。コンテンツとして、そのときのPRに必要な内容をしゃべって……みたいな。でもきっといろんなコンテンツをファンの方も読んでると思うので、この角度でまたFRUITS ZIPPERのみなさんのことを知れる特集っていうのは、すごくいいですよね。おもしろいなって思いました。
音声の続きはこちらから!ふたりが「かわいい」にモヤモヤしたこととは?
第2回は、映画・ドラマ監督の枝優花さんをゲストにお迎えし、ドラマ『コールミー・バイ・ノーネーム』の制作秘話や、映像業界における“女性監督”という肩書について思うことをお聞きします。
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