川上徹也による『二人の蔦屋 蔦屋重三郎と増田宗昭』が太田出版から刊行される。
江戸と令和時代を超えて響きあう成功と挫折の物語
増田宗昭、全国に広がるTSUTAYAフランチャイズ店、SHIBUYA TSUTAYA、代官山 蔦屋書店など、数々の企画を生み出した蔦屋書店創業者。
蔦屋重三郎、喜多川歌麿を育て、山東京伝を世に出し、謎の絵師・東洲斎写楽をわずか十ヶ月で時代の記憶に焼きつけた江戸の名版元。
当代きっての「企画マン」であり、「人たらし」であり、「商売人」だったふたりの蔦屋の歩みをたどると、驚くほどシンクロする。時代を超えた「二人の蔦屋」の物語を通して、「文化を届けるとはどういうことか」という本質的な問いに対する答えを探る。
著者プロフィール
川上徹也(かわかみ・てつや)
湘南ストーリーブランディング研究所代表。大阪大学人間科学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」という独自の手法を開発した第一人者として知られる。著書は『物を売るバカ』『1行バカ売れ』(ともに角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)、『川上から始めよ』(ちくま新書)、『江戸式マーケ』(文藝春秋)など多数。海外6か国に30冊以上が翻訳され、台湾・中国ではベストセラーになっている本も。『あの日、小林書店で。』(PHP文庫)で2024ひょうご本大賞受賞
目次(一部抜粋)
プロローグ 平成の蔦屋重三郎
前史 1951~ 桜新地 蔦屋が蔦屋になるまで
●増田:色町で生まれ育つ
●蔦重:幼いころに両親と別れ吉原で育つ
一章 1983~ 枚方 蔦屋書店誕生
●増田:貸しレコード店の「話がおもしろくカッコいい」店主
●蔦重:蔦重もレンタルから商売を始める
二章 1985~ 江坂 蔦屋からTSUTAYAへ
●増田:蔦屋書店か?TSUTAYAか?問題
●増田:細かくて大雑把 大胆で繊細 クリエイターで商人
三章 1995~ 恵比寿 急成長とディレクTVの大失敗
●増田:社長解任と楽園の崩壊
●蔦重:寛政の改革で盟友たちが次々と断筆
四章 2000~ 渋谷 上場から上場廃止へ
五章 2011~ 代官山 蔦屋を再定義する
エピローグ 令和の蔦屋重三郎