『DAIENKAI 2024』開幕。クリープハイプ×ヨネダ2000がこの日だけの楽曲でコラボ
音楽×お笑いの新しいフェス『DAIENKAI 2024』が2024年7月13日(土)、14日(日)の2日間にわたって東京ガーデンシアターにて開催された。
吉本興業の主催で昨年初めて開催されたこのイベントは、音楽とお笑いが融合した新時代のフェス。アーティストと芸人によるネタあり、歌ありのコラボコーナー等、まさに“音楽とお笑いの大宴会”によるスペシャル・エンタテインメントが大きな話題を呼び、2年連続の開催となった。本稿では、初日7月13日の模様を送る。
現地集合の回
オープニングを務めたのは、この日の「ENKAI BUCHO」を務めるレイザーラモンのふたり。HGによる「DAIENKAI 2024年!」「フォー!」のコール&レスポンスで華々しくスタートした。
「KAMPAI ACT」としてトップバッターで登場したZiDolは、浦井のりひろ(男性ブランコ)、稲田美紀(紅しょうが)、ケツ(ニッポンの社長)、中谷(マユリカ)、高見(スーズ)の5人からなる、kento fukayaがプロデュースする芸人アイドルグループ。kento fukayaの紹介からスーツ姿の5人が登場してダンス&ボーカルを見せると、客席は総立ちとなった。ケツの“世界一短いソロダンス”、浦井の激しめなエアギターにも拍手喝采が送られた。
続いて登場した日谷ヒロノリはキレキレすぎるキメを連発。「コール&レスポンス&POWER」でオーディエンスと一体となった。RG楽団は、RGがTHE 虎舞竜「ロード」で鉄板の鼻ハーモニカを炸裂させると、アイロンヘッド辻井亮平、シマッシュレコード、トニーフランクがアコースティックギターを弾きながら集い、次々とギター弾き語りネタを披露して爆笑をかっさらう。
最後は「現地集合の回」出演者がステージに集まるなか、「乾杯のためだけにこの方が来てくれました!」と呼び込まれて、とんねるずの石橋貴明に扮したイチキップリンも加わり、全員で乾杯して賑々しくイベントのオープニングを飾った。
とりあえず生の回
ニューヨーク、バイク川崎バイクによるブロック紹介では、この日7000人のお客さんが来場していることが発表された。「ブランデー戦記が、このあと、ぶちかます! BKBヒィーーーヤッ」とBKBの紹介に呼び込まれて、ブランデー戦記のライブへ。真っ赤に染まるステージで重低音と歪んだギターによる演奏を開始。緊張感のあるド迫力なバンドアンサンブルと蓮月(Vo/Gt)の耳に残る歌声で、総立ちの観客を圧倒して、「僕のスウィーティー」等を披露した。
いったんステージをあとにしたものの、ニューヨーク屋敷裕政の「もう1曲だけ聴きたくないですか!?」の煽りに再びステージに上がった3人。「さらにスペシャルゲストが来ています!」と呼び込まれて登場したのは、なんとニルヴァーナのカート・コバーンばりのボーダーシャツを着た“シマサ・コバーン”(ニューヨーク嶋佐和也)。そして屋敷が弾いたイントロは、ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」だ。ブランデー戦記が放つグランジ・サウンドをバックに歌うシマサ・コバーンとギターソロを弾く屋敷。90年代レジェンド・バンドの再現に興奮させられた。
BKBの漫談、ニューヨークの漫才に続いて、ニッポンの社長の町工場を舞台にしたコントには、ブランデー戦記の3人が参加。さすが大阪出身という軽妙なやりとりと自ら段ボールの山に飛び込む体を張った熱演で客席を大いに沸かせた。
エンディングでは、みのり(Ba)と ボリ(Dr)がBKBに変身して現れ、それぞれBKBネタを披露して大爆笑。屋敷が思わず「ブランデー戦記からカリスマを奪うな!」とツッコむほどのサービス精神で楽しませた。
彩り野菜のサラダの回
オープニングで中谷がZiDolのメンバーとしてパフォーマンスを行ったマユリカには客席から黄色い声援も。同じく浦井がZiDolで歌とダンス、エアギターまで見せた男性ブランコ、「無限に広がるノーフューチャー」との煽りVに首をかしげながらも『大阪交通カルタ』のネタで湧かせた金属バット、お客さんも巻き込んだ貫録の漫才で笑わせた銀シャリと、次々と人気コンビのネタで爆笑したあとは、昨年に続き出演のキュウソネコカミがライブを敢行。
1曲目「サギグラファー」の途中で芸人たちも全員ステージに登場していきなり写真撮影タイムとなった。ヨコタシンノスケ(Key/Vo)の「俺たちもコール&レスポンス&POWERでやってますので! スマホの曲やっていいですか?」とのMCから「ファントムヴァイブレーション」が始まると〈スマホはもはや俺の臓器〉とコール&レスポンスが広がり、ジャンプするオーディエンスでアリーナの床が揺れるほどの大盛り上がりとなった。
「ただしイケメンに限らない」でヤマサキセイヤ(Vo/Gt)とヨコタが褒め合っていると、マユリカがステージに現れて中谷と阪本が褒め合いを開始したはずが、なぜかディスり合いに。キモダチなエピソードに客席からは悲鳴が上がる。「ギリ昭和」では男性ブランコがカップルに扮した昭和~平成な写真がビジョンに映し出され、さらにステージにも登場して笑いながら腕を突き上げるオーディエンス。キュウソが再び褒め合いを始めると、今後は金属バットのふたりが左右のステージ袖に現れて褒め合いを開始。友保隼平が「おまえにええところなんかあるかい!」と小林圭輔に暴言を吐き険悪なムードで歩み寄ったふたりに緊張感が走ったものの、センターで笑顔のCOWCOWポーズを決めて一件落着。
ヤマサキが「キュウソネコカミ、今年でメジャーデビュー10周年です! 褒めてくれー!」と叫ぶと称賛の拍手が送られた。「お願いシェンロン」ではライブでおなじみ「筋斗雲」が芸人によって運び込まれ全員で「かめはめ波」を決めると、暗転して小田和正「たしかなこと」が流れ出し、明転すると全員に支えられて筋斗雲に乗っていたのは、ニッポンの社長・ケツ。そのままステージを袖に運ばれていった。
ライブ後は全員のコラボで「歌詞ジェスチャーゲーム」を実施。ゆず「夏色」では、友保と中谷が歌詞を自転車のジェスチャーで伝えると、回答者のヨコタは見事に正解。続いて『ドラゴンボールZ』の主題歌「CHA-LA HEAD-CHA-LA」をキュウソのメンバー全員で阪本に伝えたものの不正解に。最後は男性ブランコがコンビで見せた中島みゆき「糸」の息ぴったりなジェスチャーに観客は大爆笑。ヤマサキが見事正解して「彩り野菜のサラダの回」は終了となった。
囲め!お鍋の回
サルゴリラが会話が成り立たない刑事コントで、ゆりやんレトリィバァがベテラン師匠ばりの空気感を出した漫談で、それぞれシュールな世界観を見せてスタート。おいでやす小田は音楽の演奏記号にまつわるフリップネタでシャウト。さや香は石井お得意のダンスを入口に、激しく意見を衝突させるらしさ全開のネタを見せた。
続いては2年連続出演の四星球のライブ、かと思いきやステージには高校野球のユニフォーム姿のサルゴリラの姿が。『キングオブコント2023』決勝ネタの『青春』が始まると、途中から四星球の4人がこれまたユニフォーム姿で登場。北島康雄(Vo)をはじめ、「人生という魚は……」と、全員で一斉にサルゴリラ赤羽健壱を“魚攻め”。「じゃあお前たちは何になるんだよ!?」と赤羽が問うと、「俺たちは四星球という魚になる!」と宣言してライブがスタート。
「ふざけてナイト」に始まり、「UMA WITH A MISSION」では生まれたての仔馬を立ち上がらせるべく、さや香を召喚。石井が次々と繰り出すダンスに触発されて仔馬(北島)が立ち上がると、さや香とともに歌い踊った。「芸人さんを見ていると、人を笑顔にする仕事って素晴らしいなと思います」とリスペクトを表明しながらステージを展開。
「僕らの絵描き歌」でメンバーの似顔絵を描きながら和ませると、せっかくだからとおいでやす小田のイラストも描いてみせると、本人が「わしやないかー!」と叫びながら登場。再び生まれたての仔馬となった北島を小田とともにみんなで応援して歌い上げた。「野球を3年間やってきて、バンドに浮気するなんて。でも『3年目の浮気』ぐらい大目に見てよ」とコントの設定に則って北島がつぶやくと、ゆりやんが登場して「3年目の浮気」をデュエット。女装した男性ブランコ・平井まさあきも加わって北島を奪い合う。最後は「ふざけてナイト DAIENKAI 馬鹿やってんじゃないわ ver.」で全員と一緒に締めくくった。
尽きないお話の回
こがけんが新人シンガーソングライターとなって繰り広げるストリートライブのコントで幕を開けた【尽きないお話の回】は、吉本新喜劇とのコラボステージへ。新喜劇の出演者としてNovelbrightもアナウンスされるとどよめきが起こった。
すっちー座長を中心とした新喜劇は公園で演奏するストリートミュージシャンを取り巻く内容。Novelbrightが路上発のバンドであることから設定されたようだ。劇中にメンバーが登場すると、「(あくまでも劇中で)今日のライブが終わったら解散しようと思っていて」というバンドに対してすっちー座長は、なんとドラムのねぎを指名して「乳首ドリル」へ。阿吽の呼吸で「毛細血管がいっぱい詰まってるとこ、わきー!」「ドリルせんのかーい!」と叫んだねぎに、会場は大爆笑。「このあと、どういう気持ちでライブを聴いたらいいの?」とすっちー座長を困惑させた。
新喜劇の前半が終了となりNovelbrightのライブへ。ボーカル・竹中雄大の伸びやかな歌声と轟音バンドサウンドで、1曲目「seeker」から歓声を浴びた。竹中はこのライブが肋骨骨折による休養からの復帰となることを告げると、「おかえりー!」と温かい歓声で迎えられた。「僕も大阪出身で、吉本新喜劇は何度も観に行ったことがあるので、乳首ドリルも僕がやりたかったんですけど、骨折からの一発目で何かあったら変なニュースになっちゃうので(笑)」と、ドラムのねぎに任せたことを明らかにした。
「また明日」「Awesome Life」と、静と動のコントラストがくっきりと出たライブで観客を惹きつけた。スケールの大きなライブを見せたあとは、「いや、すごかった! これだけやれるんやったら、解散なんて言わんといてよ」と吉本新喜劇のメンバーが出てきて引き止めると、劇中での解散を撤回してハッピーエンドに。そこに吉本音楽プロダクションを名乗るスカウトマンが現れてNovelbrightのデビューが決定かと思いきや、「ぜひうちの事務所に来てください、(新喜劇の)今別府(直之)さん!」とオチがつき、全員一斉に大コケして幕となった。
中締めの回
終日、幕間で観客を楽しませたレイザーラモンが、いよいよ初日のトリを務めるブロック「中締めの回」の出演者を紹介。するとスペシャルゲストとして、全身黒い衣装で覆われたAdoことイチキップリンが登場。手拍子に乗ってフリを決めると「うっせえわ!」と決めゼリフ。ちなみにHGは出演バンドを描いた見事な似顔絵を毎回ビジョンで披露して拍手を集めていた。
芸人の一番手で登場したヨネダ2000は、「DAIENKAIで、餅つこうぜ!」と『M-1グランプリ2022』決勝でも披露したリズムネタへ。「絶対に~、成功させようね~」をコール&レスポンスすると、最後は「うっせえわ!」と先ほどの偽Adoにかぶせて笑わせた。ネタが始まると「ペッタンコ、ペッタンコ」と繰り出されるビートに合わせて拳を上げるオーディエンス。誠が客席まで降りて煽るなど、完全に笑いと音楽が融合したライブとなっていた。続いては『M-1グランプリ2023』&『第45回ABCお笑いグランプリ』王者・令和ロマン。「俺たちもDAIENKAIで餅つこうぜ!」とヨネダ2000に追随すると、音楽が流れ出してふたりで餅つきするはめに。一瞬で終わったものの大爆笑となった。
続いて、アーティストのトリを務めるクリープハイプがステージへ。暗がりの中、尾崎世界観(Vo.Gt)のアカペラからギターリフへとつながって1曲目「ナイトオンザプラネット」へ。サビでミラーボールから多角的に放たれる光が眩しい。長谷川カオナシ(Ba)が「DAIENKAIの日に大炎上の歌を歌わせていただきます」との曲紹介から「火まつり」でボーカルを取る。尾崎は、「去年に続いて呼んでもらってすごくうれしいです。その気持ちを込めて、SEXの曲を歌います」と「HE IS MINE」を歌い、「DAIENKAI、こんなもんかよ?」と煽り立てて激しいステージを見せる。「去年も成功したんだけど……絶対に~、成功させようね~」とヨネダ2000風に呼びかけて曲間で笑わせつつ、〈今度会ったら〉〈セックスしよう〉とコール&レスポンスを成功させた。「できればまた出たいと思っています」と、最後に「傷つける」を歌ってステージを降りた。
ヨネダ2000の呼びかけでアンコールが沸き起こり、メンバーがステージに上がるとヨネダ2000のふたりはステージ前に座り間近で鑑賞。「あれ? この曲聴いたことない? なんか参加したくなってきた」と、愛がなぜかパイナップルを2個取り出して演奏に合わせて「パイナポー、パイナポー、両手にパイナポー」と歌うと「なんで参加できるんだよ!」とツッコむ誠だが、自らもベースアンプの背後からパイナップルを2個取り出してバンドに参加。ファンキーな演奏と繰り返すフレーズで会場中を巻き込んで一体となり、最後はメンバー全員が両手にパイナップルを持って踊るシュールな光景が繰り広げられた。
そのあとを受けて登場したコットンは、西村がさっそくコントの電話相手に「今何してるの? 両手にパイナップル持って歌ってる? それって宗教?」と笑わせると、カラオケ採点のネタを披露。キョンが「長丁場、おつかれさま!」と客席への労いの言葉をかける場面も。
エンディングでは、ヨネダ2000とクリープハイプのコラボネタはこの日のために尾崎が音源を作ったことが明かされた。さらに練習なしで一発本番だったそうで、「やっぱり天才同士だとそうなっちゃうんですよね」と誠はドヤ顔で笑わせた。
尾崎はヤクルトファン、西村はカープファンということで、今日の試合の結果をここで発表することに。発表したのは原辰徳元監督に扮したイチキップリン。カープがサヨナラ勝ちしたことが告げられると、ヤクルトファンの尾崎を励まそうと「東京音頭」を会場全体で歌うことに。尾崎は「……なんですか?(笑)」と困惑した様子で苦笑いしていた。
大エンディングではこの日の出演者がほぼ全員集合。一本締めで締めくくり、盛りだくさんでカオスな初日の幕を下ろした。
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『DAIENKAI』
【日時】
2024年7月13日(土)10:00開場/11:00開演/21:00終演予定
2024年7月14日(日)10:00開場/11:00開演/21:00終演予定
【会場】東京ガーデンシアター
【7月13日(土)】
◆アーティスト(50音順)
キュウソネコカミ、クリープハイプ、四星球、Novelbright、ブランデー戦記
◆KAMPAI ACT
ZiDol、日谷ヒロノリ
◆芸人
レイザーラモン、おいでやす小田、こがけん、銀シャリ、サルゴリラ、バイク川崎バイク、金属バット、ニューヨーク、男性ブランコ、ニッポンの社長、マユリカ、コットン、さや香、ゆりやんレトリィバァ、ヨネダ2000、令和ロマン、吉本新喜劇・座長すっちー……and more
◆ENKAI BUCHO
レイザーラモン
【7月14日(日)】
◆アーティスト(50音順)
神聖かまってちゃん、PEDRO、THE BAWDIES、ヤバイTシャツ屋さん、ヤングスキニー
◆KAMPAI ACT
ジュースごくごく倶楽部
◆芸人
野性爆弾くっきー!、囲碁将棋、ガクテンソク、ミルクボーイ、アインシュタイン、ななまがり、マヂカルラブリー、見取り図、相席スタート、ロングコートダディ、蛙亭、空気階段、ミキ、ケビンス、EXIT、オダウエダ、カベポスター、フースーヤ、ナイチンゲールダンス、令和ロマン……and more
◆ENKAI BUCHO
バイク川崎バイク【料金】
・二日ぶっ通し券19,000円(税込)
・一日券9,800円(税込)
・各回指定券(第一部指定席・第二部指定席)9,000円
※お席はすべて指定席です
※二日ぶっ通し券は二日間とも同席です
※座席位置は一日券より二日ぶっ通し券が優先されます
【チケット】
<チケット一般販売(一日券)>
※FANYチケット、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス
受付期間:5月11日(土)10:00〜
<二日ぶっ通し券について>
※先行予約のみでの販売となります。一般発売での取り扱いはございません
※あらかじめ先行ごとの販売枠数を設定しております
※二日間共通チケットとなるため、公演期間中は紛失しないようにお気をつけください
※公演ごとに出演者は異なります関連リンク
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