デビュー後に変化した時間の使い方
──デビューから4カ月が経ちましたが、この期間にどのようなことを感じましたか?
平本 デビュー前は、NICO(DXTEENのファンネーム)とコミュニケーションを取れる楽しい時間がたくさんあるんだろうなって思っていたんです。実際、楽しいことは多かったんですけど、だからこそ会えないリリース前の準備期間がすごく長く感じて。練習漬けになったとき、「早くNICOに会いたいな」と思っていました。
大久保 かわいいね。
平本 練習生期間は大丈夫だったんだけど、NICOと出会ってからは、間が空くと寂しくなっちゃう……。なので、7月に江ノ島で「Dive」を初披露したときは、久しぶりにNICOと会えてうれしかったですね。
──「Sail Away」の振り付け時には、JO1の川尻蓮さんから「デビューすると練習時間が少なくなるよ」というお話もありましたが、やはりそう感じますか?
谷口 感じますね。時間のなさから「これで大丈夫かな」って、不安になった瞬間もありました。実は、デビュー前から2ND SINGLEの準備は始まっていたんです。曲をもらって、レコーディングして、振り入れをして……と進んでいたんですけど、『LAPOSTA 2023』もありましたし、本当にやることが多くて。やらなければいけないことを優先的にしながらも、空いている日はずっと練習に費やしていました。
これからもこういう状況がつづいていきますし、蓮君も言っていたとおり、「そのなかでどれだけクオリティを高められるか」だと思うので。どうしたら成長できるのか、チームとしても個人としても考えていかないと。
大久保 練習量が少ないなかで、一番大事なのは意識だと思うんです。前の練習でできていなかったところを意識しているかしていないかで、練習の進み具合も変わっていったので。初めてのカムバック期間は、時間の使い方を学べた期間でもありました。
──時間の使い方ですか。
大久保 デビュー前は設けられている練習時間に集中して練習していればよかったけど、今は仕事の合間で練習をしている感覚なんです。家でくつろいでるときやメイクのタイミングを、ダンスの動画を観る時間に充てるようになりました。何かを犠牲にして、意図的に時間を作っていかないといけないなって。
谷口 このカムバック期間は、チームとして焦っている部分もあったね。「First Flight」のMVを撮り終わった段階で「がんばった」とは思えたけど、そのあとにダンスプラクティスを撮ることが決まったら、みんな「このままじゃアカン」となっていたし。状況に即して、自然と意識が変わっていったんだろうね。
──一度完成させていたとしても、「このままじゃいけない」と感じるんですね。
大久保 たぶん、永遠に出てくるんじゃないかな。今でこそ「Brand New Day」のMVも「ダンスそろってるな」って思えるけど、撮影当時は悔しかったですから。
寺尾 練習していると「そろってない」って気になるところが、どんどん出てくるんだよね。けっしてレベルが低いわけではなく、理想がめちゃくちゃ高いんです。
谷口 「もっといいものを届けたい」って思うとね。
──デビューを経て、まわりから求められるものが高くなったと感じますか?
大久保 求められるものが高いというよりは……。
谷口 求めないといけないものが高くなった。
平本 自分たちが追い求めているもののレベルが上がったよね。
大久保 本当にそう。ファンの方から「ダンスがそろってる」と褒めていただけることはうれしいけど、それで満足していられないし、どんどん上に行かなきゃいけない。
谷口 『LAPOSTA 2023』で先輩たちと共演させていただいて、「ライブだから、もっとこうしていきたい」っていう話も増えたんですよ。リリースイベントひとつを取っても、「どうやったらもっと盛り上げられるんだろう」ってもっと話し合うようになりました。
目指すべきは、20年後もフレッシュな「Brand New Day」
──5月30日・31日の2日間にわたって開催され、JO1やINIと共演した『LAPOSTA 2023』は、皆さんに新たな気づきをもたらしたんですね。
大久保 カバーでINIさんの「CALL 119」をパフォーマンスしたとき、ファンの方々がすごく沸いてくださったのも新しい発見でした。
──いわゆるDXTEENっぽい爽やかなコンセプトだけでなく、ハードな楽曲も通用すると気づいたってことですか?
大久保 「こういう反応をしてもらえるんだ!」と知ることができたっていうか。僕たちはDXTEENがカッコいい系のパフォーマンスもできるって、知っていたんですけどね(笑)。
谷口 見せてなかったから。
大久保 だから、びっくりした方もいたと思うんですよ。とはいえ、自分たちらしさを意識した「CALL 119」ができた気がしています。
寺尾 個人的には今回のカバーを通して、DXTEENは楽曲の世界観に入り込むのが得意なのかなって思いました。それでいて、声色や歌い方で自分たちらしさを出すことができる。
平本 『LAPOSTA 2023』のときは、「やってやるぞ!」って気持ちひとつで意識的に曲に入り込んでいたわけではなかったけどね(笑)。「新しい自分たちを見せてやる!」って、意気込んでいました。
──JO1とINIと並んでパフォーマンスされた『LAPOSTA 2023』を通して、DXTEENとしてどのようなアーティストを目指したいって思いましたか?
大久保 爽やかさや青春感、シンクロダンスといった僕らの強みは、ずっとつづけたいですね。キャリアが長くなるほど「あれやりたい」「これやりたい」って挑戦したいことが増えていくと思うんですけど、新しいことを取り入れつつも、自分たちの強みは捨てたくない。いいところを大事にしながら、いろんなことをどんどん吸収していきたいと思います。
25歳くらいになった僕たちがデビュー曲「Brand New Day」をパフォーマンスするとき、変にすかしたりすることなく、それまでにやってきたことをつづけているアーティストでいたい。進化していくためには、やってきたことをなしにするのではなく、どんどん積み上げていくことが大切だと思うので。
──“青春感”って年を重ねるごとに失われるものとして語られたりすると思うんですが、年齢が上がっていっても青春感を失わないためには、どのようなことが必要だと思いますか?
平本 初心を忘れないことが一番大事かなって、僕は思います。「Brand New Day」を初めて披露したときの気持ちをこれからも忘れずにいたいですし、忘れそうになったらみんなで声をかけ合って、もう一度見つめ直していく。それがなにより大事なことなんじゃないかな。
寺尾 ファンの皆さんの応援への感謝や活動できることが幸せだってことも、忘れずにいたいよね。個人的には、楽しく過ごすことも大事だと思っているんです。嫌なことがあったりストレスが溜まったりすると、表情に出てきちゃうし、きっとパフォーマンスにも影響を及ぼしてしまう。みんなで楽しんで活動をしていたら、10年後でも20年後でもフレッシュさのある「Brand New Day」ができるのかなって。
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