2023年春に放送され、数多くの視聴者の心を揺さぶった連続ドラマ『波よ聞いてくれ』（テレビ朝日）のDVD-BOXが2023年9月6日に発売される。

2023年6月度のギャラクシー賞を受賞するなど高評価を受けた『波よ聞いてくれ』が、多くの人の心に深く刺さったのは、小芝風花が演じる破天荒なやさぐれヒロイン・ミナレの我が道を突っ走る姿と、ラジオの波に乗せる熱いしゃべりだ。

そんなミナレのアルバイト先の店長・宝田役を演じたお笑い芸人・バイきんぐの西村瑞樹は、小芝風花の演技っぷりをどう見て、さらに自身もパーソナリティーを務めているラジオというメディアの魅力についてどう思っているのか──。

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相方・小峠英二も「観ていたらしい」

──ドラマ『波よ聞いてくれ』でスープカレー店「VOYAGER（ボイジャー）」の店長・宝田嘉樹役を演じた西村さん。出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

西村　もともとドラマやお芝居には興味があったのと、宝田店長の役がちょっとクセのある役でおもしろかったので、今回出演のお話をいただいたときはうれしかったです。

──普段コントをされていますが、その経験も今回のお芝居に生きたのではないでしょうか？

西村　自分では特に実感がないです。正直、かなりギリギリだったというか、皆さんについていくのがやっとで、いっぱいいっぱいだったんです。ただ、明確に違うなと感じたことはありました。コントって基本はお客さんの前でやるものですし、しゃべりつつもお客さんをちょっと見ることができるんです。

でも、ドラマの撮影の場合は、真正面でセリフの言い合いをするので、相手の目を見てしゃべるんです。その違いに最初は慣れなくて、おでこを見ながらしゃべったりしていました。小芝風花さんのあの目で見られると、セリフが飛びそうになるので。

──（笑）。ちなみに、演技をしながら相方の小峠（英二）さんのことがちらつくことはありましたか？

西村　それはないです。コントと別物だったので。ただ、ドラマを観てくれていたらしいというのはマネージャーさん経由で聞きました。感想は聞いていないですけど。

──そうなんですね！　西村さんは、オンエアはチェックされていましたか？

西村　ちょっとこっ恥ずかしいなと思いながら、リアルタイムで観ていました。オンエアを観ていると、「あのシーンはもっとこうしたらよかったな」っていうのがあとから出てくるんです。それに関してはコントと一緒だなって感じました。

ミナレと宝田の言い合いは「信頼し合っているからこそ」

──西村さんが演じた宝田店長は、北海道で食べたスープカレーに感銘を受けて舞波町にスープカレー屋をオープンさせたという役柄でした。役に対する印象を教えてください。

西村　「スープカレー屋の店長か……。でも俺、スープカレー作ったことないな、今度作ってみようかな」って思いました（笑）。

──実際、作ってみましたか？

西村　作りました。YouTubeにも投稿しました！　実際の撮影ではスープカレーのお店の人を呼んで、作っていただいたスープカレーを劇中でも使っていたんです。ただ、僕は食べるシーンがなくて……。

──食べられなかったんですか？

西村　いえ！　それが老人ホームで炊き出しをするシーンがあったんですけど、そのときにめちゃくちゃ雨が降ったんです。そのとき、すぐに撮影を再開できるようにずっとテントの下にいたんですが、そこで小芝さんやほかの演者さんとカレーを盗み食いしてしまいました（笑）。すっごくおいしかったです。

──小芝さん演じるミナレとの関係性も素敵でした。

西村　会えば口ゲンカをする関係性ではある一方、ミナレは仕事ができますから。そういうところは信頼を置いているんだろうなって思います。だからこそ安心して、遠慮せずに言い合えるんでしょうね。

──そういった関係性は、小芝さんと話し合って作り上げたのでしょうか？

西村　いえ、本番までにリハを重ねて、なんとなく固まっていく感じでした。実は台本に書かれているセリフだけでなく、うしろでアドリブで言い合いをつづけている場面も多くて。そういう部分はぜひ、DVDで巻き戻しながら注目してもらえたらうれしいです。

──テンポ感のいいかけ合いだなと思っていましたが、アドリブも含まれていたんですね。ミナレとのかけ合いで気をつけていたことはありますか？

西村　ミナレは、まくし立てるようなしゃべり方をするので、それに負けないスピード感でしゃべっていくことを心がけていました。でも、小芝さんが全然NGを出さないんです。あれだけのセリフ量で、かつ早口なのに。そんな小芝さんを見て、「僕みたいなもんはNG出せねえな……」って、よけいプレッシャーを感じていました。

──実際はどうだったんですか？

西村　これがですね、ほぼ出していないんです。ギリギリでなんとかごまかして乗り越えた感じで、本番ではほぼ出していないんです。あんなに早口でしゃべることって、ネタでもやらないので、ドキドキしましたけど。

芸能生活で初の誕生日サプライズに後悔…!?

──現場はどのような雰囲気でしたか？

西村　皆さん、楽しそうにしゃべっていました。ただ、僕自身は撮影の合間も必死でセリフを覚えていて、あまり入っていけてないんです……。ただ、小芝さんのお母さんがキャンプをするみたいで、そういうお話を振ってくれたことはありました。

──DVDの映像特典には、誕生日のサプライズの様子も写っています。西村さんは小芝さんにキャンプグッズをプレゼントされていましたが、何をプレゼントされたのでしょうか？

西村　椅子と焚き火台だったかな……。お母さんと一緒にキャンプに行かれたことがあるということですが、ご本人は詳しくないと言っていたので、僕のセンスで入門グッズを見繕ってプレゼントさせていただきました。

──西村さんご自身のお誕生日に、サプライズをされていた映像もDVDには収録されています。このときのことを振り返っていただけますか。

西村　実は4月生まれの演者さんがめちゃくちゃいて、サプライズが多過ぎたんです。だから「（自分にもサプライズが）あるのかな」って勝手に予想しちゃっていて、いいリアクションが取れなかったんですよね。

僕、今まで誕生日サプライズをされたことがなくて、このときが初めてだったんです。だから、いいリアクション取りたかったんですけど。「え!?　俺っすか……！」って、白々しいぐらい、ちょっとオーバー気味に（笑）。

ラジオから聞こえる人の声に安心する

──DVDパッケージになることで繰り返し観られるようになりますが、西村さんが何度も観たいと思ったお気に入りのシーンを教えていただけますか？

西村　やはりミナレが初めてラジオでしゃべるシーンは、度肝を抜かれました。台本を見て、セリフが長いことは知っていたんですけど、映像で観ると「むちゃくちゃすごいことやってるな」って。

──西村さんもラジオをやられていますが、ミナレみたいに、いきなりブースに入ってしゃべってと言われたらどうですか？

西村　僕が今やっているのは、生放送じゃなくて5分尺の収録番組をやっているんです。それでも10回ぐらい噛んでいるので、できるわけないって思います（笑）。とてもじゃないけど考えられないです。

──そんなことないと思いますが（笑）。西村さんがラジオで収録する際は、どんなことに気をつけて話しているのでしょうか？

西村　実は苦手なんです、話すのが。しかも、話し相手もいないので、すごく難しいなって毎回思っています。だから本当に基本中の基本にだけ気をつけていて、いかに噛まずにゆっくりしゃべれるかを意識しています！

──では、ラジオをやる楽しさがあれば教えてください。

西村　メールを送ってくれた方とコミュニケーションを取れるのは、ネタやテレビとは違うおもしろさだなって思います。収録なのでタイムラグがあるものの、同じ季節や時間を共有できるのはラジオならではだなと。

──聞く側として感じるラジオの魅力はありますか？

西村　やっぱり何かあったときに情報を得るのは、ラジオに頼ることになると思うんです。停電したらテレビもつかないですけど、ラジオは電池でも聞けるし、手動で充電できるものもありますから。僕もキャンプをするようになってから、ラジオをよく聞くようになりました。

──なぜ、ラジオを聞くようになったのですか？

西村　人が話している声を聞くだけで、すごく安心感があるんです。それがとても心地よくて。ひとりでキャンプをしているときに、焚き火の前で、偶然周波数の合ったチャンネルを聞いています。どなたかも存じ上げない人が話していたとしても、なぜか楽しくて聞いちゃうんです。どんな人かを想像しながら聞くのはラジオの魅力だなって、キャンプをするようになってわかりました。

──確かに、番組を途中で聞き始めたら、どなたの番組かわからず最後まで聞いてしまうことってありますもんね。

西村　そうなんです。それが楽しいんです。想像力をかき立てるという意味で。

原作マンガ

沙村広明『波よ聞いてくれ』（講談社「月刊アフタヌーン」連載）
国内外で熱狂的な支持を集めた大ヒット作『無限の住人』で知られる沙村広明氏による、「月刊アフタヌーン」（講談社）で連載中の同名漫画が原作。2020年の「マンガ大賞」では第4位にランクイン、さらに同年に地上波でアニメ化もされて話題となった大人気作！

ドラマ『波よ聞いてくれ』とは？

小芝風花の新境地！　ラジオを舞台にした恋愛、ホラー、アクション、ヒューマン…なんでもありの刺激MAXなコメディー！　スープカレー店のアルバイト店員・鼓田ミナレ（小芝風花）は、彼氏にフラれて金もだまし取られてしまい、バーでやけ酒を飲んでいたところ、たまたま隣に居合わせた見ず知らずの男・麻藤兼嗣（北村一輝）に愚痴をさく裂。挙げ句、泥酔して記憶をなくしてしまう。

翌日、仕事中にミナレが店内に流れるラジオを聞いて衝撃を受ける。なんと、ラジオから流れているのは自分の声…!?　実は、麻藤はラジオ局のチーフディレクターで、ミナレの失恋トークを密録して、ラジオの生放送で流していたのだ！焦ったミナレがラジオ局に駆け込むと、そこには待ち構えたように不敵な笑みを浮かべる麻藤の姿が。ミナレはすぐに放送を止めるよう訴えるが、麻藤は悪びれる様子もなくミナレに告げる──「無音が3秒続けば、放送事故。止めるからにゃ、おねえさんが間を持たせてくれるんだよな？」。引くに引けなくなったミナレは、ぶっつけ本番でマイクの前に立つことに──！

『波よ聞いてくれ』DVD BOX

発売日：2023年9月6日（水）
仕様：DVD-BOX 5枚組
価格：20,900円（税込）
発売元：株式会社テレビ朝日
販売元：株式会社ハピネット・メディアマーケティング
（c）沙村広明／講談社／テレビ朝日・MMJ

封入特典：
・スペシャルリーフレット
特典映像：
・制作発表記者会見
・秘蔵メイキング集
・鼓田ミナレこと小芝風花のラジオ『波よ聞いてくれ』特別ver.
・TELASAオリジナルスピンオフドラマ『波風よ立ってくれ』
・TVerオリジナルスピンオフドラマ『荒波よ揉んでくれ～南波瑞穂のAD奮闘記～』
・公式SNS動画集
・PRスポット集

※レンタル同時リリース
　レンタルには封入特典・特典映像の収録はありません