高学歴のふたり、猛反対の親。8年の絶縁と8回の家族会議
──高学歴なおふたりですが、どのあたりで芸人を目指し始めたんでしょう?
高木 大学時代は、友達の福島と趣味で楽しくやれたらいいかなくらいに思ってました。でも、福島は思ったよりプロになりたい気持ちがあったみたいで、じゃあちょっと真剣にネタ作ってみるかって取り組んでみたら、けっこう楽しいな……と。プロになるか悩んでいるときに、『大学生M-1グランプリ2012』で優勝できたんで、結果も出るなら考えてみようっていうので、今がある感じです。
福島 僕は、お笑いはあんまり知らないけど、小学生のときに『ギャグマンガ日和』を読んで、クラスでものまねしてたんです。そのときからちょっとずつ目立つ人になりたいと思ってました。で、高校で仲よくなった高木が僕よりすごくお笑いが好きで。高木のメールアドレスに“とろサーモン”って入ってて、僕はそこで「とろサーモンっていう芸人がいるんだ」とか、少しずつお笑いの文化に触れていきました。
大学でお笑いサークルに入って活躍してるみんなを見てたら、「頑張れば俺もできるのかな?」と思って、プロになりたいなと。『大学生M-1グランプリ2012』で優勝した何カ月後に『(学生才能発掘バラエティ)学生HEROES!』のオーディションで勝って、 大学4年の4月から1年間、毎月テレビに出られたんです。それがだいぶ楽しかったのも大きいです。
──芸人になると決めたとき、周囲の反応はいかがでしたか?
福島 親以外は「楽しそうじゃん!」って感じで、変な目とかはなかったです。ただ、親は本当にすごかったですね。ツラい言葉もたくさん言われて、泣かれて、帰ってくるなって雰囲気で、ほぼほぼ絶縁みたいな(笑)。
──修復はいつごろ……?
福島 今でもまだ修復できてないです。母親は、どんなに反対しててもやっぱりかわいい息子って感じで優しくしてくれるんですけど、僕の頑固は父譲りなんですよね。父親とは2年前に殴り合いのケンカをしちゃって、そこから連絡も取ってないし、会ってもないです。
──殴り合いのケンカ……。高木さんはいかがですか?
高木 僕はまわりからも反対されましたね。大学で研究室に入ってたんですけど、 そこの教授にお笑い芸人になりますって言ったら、聞いたことのない放送禁止用語で罵倒されて(笑)。 家族にも反対されました。家族会議を8回開いて、母親にも泣かれたんですけど……うちはわりかし、すぐに諦めてくれて。
──8回は“すぐ”のうちに入りますか?
高木 福島の8年に比べたら、8回はすぐですね。9回目は開催されることなく、僕が逃げるように家を出て終了しました。でも、1年目ぐらいのときには応援の方向に向かってくれて。
天才に追いつくためには、得意ジャンルの漫才を頑張るしかない
──おふたり共ご家族の反対話は衝撃的でしたが、2012年の『大学生M-1グランプリ』で優勝し、2017年から5年連続『M-1グランプリ』の準々決勝に進出していますし、先日の『ツギクルグランプリ』では優勝。正直、順風満帆なイメージがありました。
福島 たまに言われるんですよ。若手の発掘オーディションとか行くと、「もう売れてますよね?」とか。
高木 売れてるわけないだろ……(笑)。
福島 まったくそんなことないんですよ。それこそ、毎日のように一緒にライブ出てた宮下草薙、ハナコ、東京ホテイソンとか、仲いい芸人がバンバン売れていって……「俺たちヤバいな」というのはずっと感じてました。
──高木さんは、特に草薙(航基)さんと仲がいいんですよね。同じ事務所の宮下草薙が先に売れたとき、率直にどう思いましたか?
高木 意外と素直に「でしょうね」って思いました。ネタもおもしろいし、特に草薙はキャラクターがわかりやすいから、すぐテレビの人になるんだろうなと。草薙ってああ見えて意外と人が好きで、すごい気が遣える奴なんで、楽屋とかでも全員を気持ちよくしてくれるんですよ。そんな人、非の打ちどころないじゃないですか。だから、宮下草薙に関しては悔しいとかなかったです。
福島 僕は、売れる度合いと速度にはビックリしました。いつかは絶対テレビの人になるとは思ってたけど、こんなに早いんだ?って。テレビの人って、最初はちょっと苦戦しつつ段々と……ってイメージだったのに、あっという間に大スター。悔しさもあるけど、これはもう、あっぱれ。
悔しさを紛らわす意味で、勝手に宮下草薙と僕らの違うところみたいなのを見出したりしたんです。彼らはネタもおもしろいですけど、正統派というよりは、やっぱりタレント性もすごい。で、僕らはキャラがなくて、なんとか台本で正統法で……って感じなので、別のジャンルでやってくしかないなと。僕らは天才じゃないから、頑張って秀才になって努力して、いつか宮下草薙と一緒にテレビ出れるようになりたいなって、目標としてすぐ切り替えることができました。
──太田プロダクションの芸人さんって、マルチに活動される方が多い印象です。ストレッチーズさんは、どういう売れ方を目指しているんでしょう?
高木 今のところ、マジでなんにも考えてないんですよね。やれることは全部やりたいって気持ちはめちゃめちゃあるんですけど、どういう芸人として売れたいかっていうのはわからなくて。ただ、漫才は自分たちの得意ジャンルだと思うんで、漫才をずっとやっていきたい気持ちはありますね。だからまずは、賞レースで頑張って、今後もネタ番組とかにいっぱい出ていきたいなと。
福島 やっぱりまずは賞レースで評価されたい。太田プロはそもそも芸人の数が少ないですし、 宮下草薙も納言もすごい売れてるけど、賞レースでは決勝に行ってない。だから、僕らがそこに並ぶ方法は、彼らがいってない決勝にいくしかないのかなって。(納言・薄)幸さんとか草薙みたいな、キャラが強くて天性のあるおもしろい人間になるのは無理なんで、別のとこでやっていくしかない。
高木 草薙が「クイズ番組に出たいから、早くMCをお前がやってくれ」って言うんで、なんとか頑張ってMCの立場にはなってみたいです(笑)。ただ、その立場にいくにはひな壇を経験しないといけないですよね。でも、ふたり共ひな壇タイプではないから、明確にMCやりたいって気持ちでいると手前がしんどくなっちゃうんで、ぼんやりといつかできたらいいな~ぐらいで思ってます。
──『ツギクル』の副賞も含め、テレビ出演数がグンと増えたかと思いますが、収録現場はいかがでしょう?
福島 まだまだ“楽しい”とまでは……。やっぱり不安がでかいですね。
高木 今までテレビの収録って「うまくできた=楽しい」「うまくできない=楽しくない」の感覚だったんですけど、何個か連続で収録させてもらって思ったのが、「楽しいけどうまくできなかった」とか「楽しくなかったけど、できたな」っていう現場もあったりして。……楽しいけどできなかったのは、『有吉の壁』(日本テレビ)です(笑)。憧れの場所だったし、芸人がいっぱいいて雰囲気は楽しいんですけど、プロとしては不甲斐なかったなって。
とりあえず準決、できれば決勝、できすぎの優勝
──ストレッチーズさんの宣材写真は、ド真ん中にサンパチマイクが入っていますよね。どういう流れでこのかたちに?
福島 宣材写真って、スタジオとかで白バックで撮るじゃないですか。でも僕らは、時間がないとかなんとかで、ナルゲキっていう劇場のライブ終わりに舞台上で撮ったんですよ。仮の宣材だから~みたいな感じに言われてたから、ふざけ半分で劇場にあったマイクを入れようとしたら、撮影してくれてた太田プロのマネージャーさんも「お、全然いいよ」って感じで。
──マネージャーさんが撮影されたんですか?
福島 そうです。プロのカメラマンじゃないです。肌加工もデスクさんがやったんじゃないっけ?
高木 全然プロの手が入ってない。
福島 それが『ツギクル』で優勝したときにツイッターのトレンド画像とかに出てきて、ビックリですよ。
──そのマイク入りの宣材もあって、漫才愛が強いイメージがついていますよね。『ツギクル』の紹介Vでは、今ある漫才本数が400本と紹介されていました。
高木 スタッフさんが上手で、すごいそそのかされちゃって(笑)。 「漫才を愛してるんですよね? 年間何本作るんですか?」って質問に、ちょっと多めに言ったほうがいいのかなと思って「3、40本ぐらいですかね?」って言ったら「じゃあ40本ですね!」って上のほうで言われて、「ということは、芸歴8年だから8×40で320。……じゃあ、計400本作ってるんですね!」って、あっという間に400本作ってることになってました(笑)。そんなに作ってないんだけどな~と思いながらネットを見ていたら、どこかのニュース記事で「ストレッチーズ、今まで1000本のネタを作成」って出てきて、今どんどん盛られてます(笑)。
福島 実際は150~200個とかです。
──たくさんのネタを作る、おふたりの原動力はなんでしょう?
福島 僕は、ネタ合わせとかも含め、漫才中は『M-1』のファイナルラウンドでそのネタをやってる姿を毎回想像してます。審査員や今田耕司さんが笑ってる姿とかを勝手に想像するとすごいワクワクするんで、力になります。
高木 僕はお笑いがすごく好きだったんで、「昔の俺が応援するネタかどうか」を考えますね。観客に中学生の俺がいたら満足するかな?って。なんか……ナメられたくない、ダサいと思われたくないとかもあります。あと、「この設定でネタやってる人初めて見た」とかって感想がすっごいうれしいから、それは原動力ですね。それだけに執着しちゃってネタがおもしろくなくなっちゃうときもあるんですけど……。
──今まさに勢いに乗っているところですが、今年の『M-1』はズバリどこを目指していますか?
福島 一番は優勝ですね。
高木 『H2』の木根竜太郎みたいに言いたいんだよな……。「とりあえず3回、できれば5回、できすぎの7回」。
福島 「とりあえず準決、できれば決勝、できすぎの優勝」。
高木 と、すらっと言いたかったです(笑)。
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