サーキットイベント『Boys & Girls』:PR

「自分らはここで息をしている」コロナ禍のライブで得た実感。気鋭3バンドがサーキットイベント『Boys & Girls』に託した想い

2021.7.2

文=天野史彬 編集=森田真規


2021年7月25日に、名古屋E.L.L、ell.FITS ALL、ell.SIZEの3会場で開催されるサーキットイベント『Boys & Girls』。このイベントを主催するのが、Maki、moon drop、カネヨリマサルという3組のインディーズバンドだ。

3組共に名古屋のインディーズレーベル「TRUST RECORDS」とビクターエンタテインメント内のレーベル「Getting Better Records」が共同で立ち上げたレーベル「D.T.O.30.」に所属しており、近年、ライブシーンで着実に認知を拡大し、勢いを増している気鋭のバンドたち。

若きバンドマンたる彼らは、去年以降のコロナ禍をどう過ごし、そして新たに開催するサーキットイベントにどんな未来を託すのか。3組のフロントマンにZoomを通して集まってもらい、語り合ってもらった。

それぞれ認め合う、タイプの異なる3バンド

──Maki、moon drop、カネヨリマサル、3組のバンド同士の関係性は、どういったものなんですか?

浜口飛雄也(moon drop) もともと僕らmoon dropとMakiはライブハウスに出始めたころからずっと一緒にやってきていて。カネヨリマサルともライブハウスで出会ったんですけど、一緒のレーベルに所属することになってからは今までより一緒の現場でライブすることも多くなりましたね。今、めちゃくちゃ切磋琢磨できている3バンドだと思います。

──どんな部分でシンパシーを感じ合っている3組なんですか?

浜口 ボーカルが3組とも変です(笑)。

一同 (笑)

──どういったところが変なんですか(笑)。

浜口 なんと言ったらいいか、それがわからないから変というか(笑)。どう変なんですかね……姉さん、一番年上なので、お願いします。

ちとせみな(カネヨリマサル) えー(笑)……個性というか、自分が出したい音楽や言葉を、いい意味でも悪い意味でも、ちゃんと持ってそうやなって思います、3人とも。たぶんボーカル同士でバンドは組めないんですよ。我が強いのかもしれない。

山本響(Maki) moon dropもカネヨリマサルも、愛を歌うバンドだと思うんです。僕は飛雄也くんのことを「ラブソング工場長」と呼んでいて、それは悪く言えば「恋愛バカ」ってことなんですけど(笑)。moon dropは男性目線、カネヨリマサルは女性目線で、それぞれ「愛」を歌っているバンドだと思う。
ただ、僕は恋愛の歌をあんまり歌ったことがないので、僕だけちょっと仲間外れかなっていう気もしています(笑)。僕はいい意味でも悪い意味でも、自分の実体験を音楽にできないんですよね。

Maki【Soon】Music Video

浜口 僕が歌う愛と響が歌う愛は、だいぶベクトルが違うかもしれないね。僕と響の間にいるのが、みなさんっていう感じもする。

山本 どっちかというと、僕は愛に飢えてますね。

ちとせ (かすかに笑う)

山本 姉やん、今鼻で笑いました(笑)?

ちとせ 別に(笑)。飛雄也くんの歌う愛は対象がしっかりあって、その相手に伝えにいっている感じがするけど、響くんの歌う愛は「隠されている愛」っていう感じがする。それが誰に向けられているのかは、解読は難しいかも。ただ、「ライブハウス愛」っていうことでいうと、響くんはMCでそれをすごく感じさせることがあるなと思ますね。

moon drop【僕といた方がいいんじゃない 】Music Video

──各々、お互いのバンドで好きな曲はありますか?

山本 僕、カネヨリマサルの「もしも」を聴いたときに「こんなことを思われたい」って思ったんですよ。<もしもでっかい夕焼けを見たなら/あなたに教えたいなと思うのに>っていう歌詞があって、「俺、今までの彼女にそんなこと思われてたんかなあ」って思いました。でも、覚えていないかもしれないけど、1回、ちとせ姉さんに言われたのが、「響くんはあんまり女の子を大事にしなさそう」って(笑)。

カネヨリマサル【南十字星】Music Video

ちとせ ええっ、そんなこと言ったっけ(笑)? でも、たしかMakiのドラムのまっちくんが「響はそういう人間だ」って言っていたような気がする。

山本 僕は「メンヘラ製造機」って言われてるんで(笑)。

ちとせ 私は、Makiの「虎」がめっちゃ好きで。MVを初めて観たときに初期衝動を感じたんですよね。Makiの尖っているカッコよさがめっちゃ出てて、「これは誰も追いつかれへんな」って思った。

山本 ありがとうございます! あと、moon dropの「春を待つ」の歌詞も好きなんですよね。<ビニール袋の中に生活が入っている>っていう歌詞があって。「飛雄也くん、こんなことまで考えてるんだ」と思って、感銘を受けました。

浜口 僕はMakiの「白」っていう曲が好きで。Makiはライブバンドなんで激しい曲が魅力ではあるんですけど、「白」を初めて聴いたときに「こっちもいけるんや」と思いました。あと、カネヨリマサルで印象に残っているのは「今を詰めこんで」ですね。冒頭の<私は、あなたを見ている/それだけ>っていう歌詞がすごいなと思って。僕は、何か行動を起こしたあとの結果を曲にすることが多いんですけど、そこに踏み入る前の状態を曲にできているのがすごいなって。

3人の仲のよさが伝わってきたインタビューは、Zoomを利用して行われた(左から:浜口、ちとせ、山本)

コロナ禍におけるバンド活動

──皆さんが、このコロナ禍でどのようなことを感じながら生活や音楽に向き合ってきたのかも伺いたいです。

ちとせ ライブができない、人に会えない状況になったので、自分に向き合う時間は多くなったなと思っていて。私個人としては、環境を変えようと思って、普段やっている仕事を変えたんです。前の仕事では音楽以外のことにすごく意識を使っていたんですけど、仕事を変えたおかげでそれも減って、生きやすくなったなと思います。この心の変化はきっと、バンドにも影響するだろうなと思っていますね。

ちとせみな(カネヨリマサル)

浜口 僕は、ライブが減った期間で「自分の歌い方を変えてみよう」と思って、試行錯誤していました。ライブでバチバチやっていくバンドもカッコいいと思うんですけど、常々、僕はそういうタイプじゃないなと思っていて。
僕はそもそも歌が好きでバンドを始めたので、歌の面で、今までのライブバンドとしてのやり方では昇華できていなかった部分があるような気がしていたんです。今までライブをやりまくっていたぶん、その昇華できていなかった部分を、このライブが少なくなった期間にちゃんと昇華したいなと思って。自分の歌にもっと重みが欲しかったというか。結果として、自分にとってはいい期間になりました。

浜口飛雄也(moon drop)

山本 僕らはいろんな人たちのおかげで、コロナ禍でもガイドラインに沿った上でしっかりとツアーを回ることができたんですけど、やっぱり、そういうかたちで連日ライブをやっていくことで、突きつけられるものはありましたね。
音楽って、耳があれば聴けるし、心があれば「うれしい」と思ったり「悲しい」と思ったりすることもできる。ライブで暴れるだけが音楽でないことはわかっているけど、でも、やっぱり自分たちはずっとライブをやってきたバンドなので、考え込むことは増えました。夜中や朝方に家の近くの公園とか河川敷で、1時間くらいボーっとすることも増えたり。

山本響(Maki)

──実際に、ライブ現場への向き合い方が変わりましたか?

山本 変化はそんなにないんです。根本として、コロナであろうがなかろうが、カッコよくなければいけないのがバンドだと思うので。ただ、言葉を選ぶ場面は増えましたね。ライブ中に我慢できなくてウワーっとなっちゃう奴もいて、そういう奴には「ルールを守れ」って叱らないといけないんですけど、そいつの気持ちもわかるし、同時に「俺らの気持ちが伝わってないのかな」とも思うし。でも、そのくらい俺らの音楽を好きでいてくれるんだっていううれしさもあるし……複雑でしたね、ツアー中は。

──ちとせさんと浜口さんは、この期間のライブの空気はどんなふうに感じていましたか?

ちとせ 前のように次々にライブが決まる感じではなくなったので、ライブの尊さは再確認しましたね。その上で私は、お客さんも前向きに音楽を楽しもうとしてくれているように感じました。こういう状況でも、できるかたちで楽しもうとしてくれているんだなって。

浜口 僕は、制限されていても伝わるのが音楽やと思うし、さっき言ったように、自分自身としては試行錯誤しながら自分の歌い方を変えていった期間でもあったので、コロナ禍でもあまり窮屈さは感じていなかったです。今までがむしゃらにやってきたし、今もがむしゃらなんですけど、それ以上に、今までとは違う視点で自分を見ることができていたんじゃないかなって思います。

Maki & moon drop & カネヨリマサル presents.サーキットイベント『Boys & Girls』
Twitter:@Boys_Girls_info
Instagram:@boys_girls_info
チケット:https://eplus.jp/sf/detail/3453980001-P0030001

サーキットイベント『Boys & Girls』に託した想い

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天野史彬

(あまの・ふみあき)ライター。1987年生まれ、東京都在住。雑誌編集を経て、2012年よりフリーランスでの活動を開始。音楽関係の記事を中心に多方面で執筆中。

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