「気づけばひとつもおいでやす小田さんのことを書いておらず…」TBSアナウンサー田村真子1stフォトエッセイ『陽がのぼるほうへ』重版記念インタビュー
『ラヴィット!』(TBS)でおなじみのTBSアナウンサー・田村真子による初のフォトエッセイ『陽がのぼるほうへ』(太田出版)が、このたび重版することが決まった。
15篇のエッセイと、40ページ以上のフォトストーリーが収録された本作。社会人7年目の日々の中で感じた仕事への向き合い方や壁にぶつかったときの乗り越え方など、等身大で綴られた彼女の文章には、後輩や同世代へのアドバイスもたくさん詰め込まれている。
今回は重版を記念して、発売後の周囲からの反響や、刊行から時間を経て感じていることなど話を聞いた。

先輩や後輩からもらった、うれしい感想

——1stフォトエッセイ『陽がのぼるほうへ』重版、おめでとうございます!
田村 ありがとうございます!
——北海道から沖縄まで全国各地で書籍を手に取っていただき、田村さんの全国的な人気を感じられました。重版が決まった感想はいかがですか?
田村 素直にうれしいですし、重版はなかなかないことだと聞くので大変ありがたいです。初版だけでも手に取っていただけたらありがたいと本人的には思っていたので、正直「重版なんてしちゃって大丈夫でしょうか……」というのが本音です(笑)。重版したのに売れ残った、なんてことがないように、私も告知をがんばらないといけないですね。

——『ラヴィット!ロック』の書籍ブースには、お子様連れのご家族も多くいらっしゃいました。まさに、日本全国、老若男女に愛されていらっしゃいますね。
田村 恐れ多いです……でも、わざわざ書籍の感想をお手紙で送ってくださる方もいて「勇気をもらった」「悩んでいるのは自分だけじゃなかった」と感想をもらえてうれしかったです。書籍を買ってくださったお子さんにも、いつか、何かの役に立ちますように。
——お仕事の話も多かったので、同僚のアナウンサーからの反響はいかがでしたか?
田村 身近な人に手に取ってもらえるのはうれしいんですが、気恥ずかしくて、自分から感想を聞けていないです。でも、先輩の江藤(愛)さんがわざわざ書店で本を買ってくださって、「私もカタカナで書かれた原稿を読むのが苦手だよ」とこっそり教えてくれました。
あとは、TBSアナウンス部の部長が、新人アナウンサーにこの本を勧めてくれているみたいです。新人のころの葛藤や私なりのスルー術など、悩んでいることと重なるのではないか、と。実際に若手の子から「自分がぶち当たっている壁と田村さんの悩みが同じだと知って、乗り越え方を参考にしました」「私だけじゃないんだと思いました」と、声をかけてもらったことも。連載のときから、同世代や後輩に少しでも役立つ本になったらいいなと思っていたので、この本を作ってよかったなと思いました。

——ご自身の就活のころを思い返した「私はTWICE」の章がお気に入りです。
田村 反響の多かった章ですね。昨年、TWICEのライブに行ったのですが、この文章を書いたこともあって就活時を思い返しながら、勝手に感慨深い気持ちになりました。私が就活をしていたころから大人気のアーティストでしたが、今ではすっかり世界的な大スターになられていて、おこがましいですがまた生でパフォーマンスを見られてとてもうれしかったです(笑)。ほかにも「自分の心を守るための『スルー』」、「父のお弁当」といった章もよく感想をもらいました。
——『ラヴィット!』メンバーから感想はもらいましたか?
田村 対談ページに出てくれているちーちゃん(近藤千尋)からは、「毎日こうやってがんばっているんだなっていうのがよくわかった」とすごく褒めてもらいました。川島(明)さんは、「友達と喫茶店でお茶しているみたいな話を読める本」だと言ってくださって、親戚からも同じようなことを言われたので驚きました。
——おいでやす小田さんは「自分のことが書かれていない」と……。
田村 そう、そうなんです! 『ラヴィット!』でも長くご一緒していて、小田さんのことは大好きなのに……いつもとてもお世話になっている存在なので、エピソードはいくらでもあるはずなんですが、気づけばひとつも小田さんのことを書いておらず(笑)。このエッセイでは『ラヴィット!』のオンエア以外のことを中心に書いたので仕方がないんですが、それでもとっても後悔しています。小田さんからも「なんやねん」って言われてしまいました(笑)。
——でも、小田さんは自分が出ているかどうかも含めて、書籍を全ページチェックされたということですよね。
田村 優しいですよね。小田さんも対談集を出されているので、本を出す大変さはご存じで。「自分で全部文章を考えて書いているのはすごいことだ」と、たくさん褒めてくださいました。第2弾があれば、今度は必ず小田さんのことを書きたいです。
新生活の不安に寄り添う一冊
——コメントを寄せてくださっている同級生の方々など、お友だちの反響はいかがでしたか?
田村 私のことをよく知ってくれている人でも、この本を読むと改めて内面を深く知れた、と言ってくれました。この年齢になると、顔を突き合わせてまじめな話をすることも多々ありますが、そればっかりじゃないので。「日々仕事に向き合って、いろんなことをまじめに考えながら生きていることがよくわかって、私もがんばろうって思えた」と感想をくれた友だちがいます。

——同級生から「私もがんばろうと思えた」という感想をもらえるのは、うれしいですね。
田村 メッセージを寄せてくれた親友3人とは直接、書いたことと書けなかったことについて、あれこれ話す時間が楽しかったです。学生時代なんておもしろい話しかないので、どのエピソードがこの本にふさわしいのか、悩んだみたいで(笑)。寄りすぐりのエピソードを引っ張り出してくれました。
——みなさん、どんな話が思い浮かんだんですかね。
田村 本にも書かれていましたけど、凍った水たまりを見つけて飛び込んで滑っていた、みたいなくだらない話ばっかりなんです(笑)。でも、改めて学生時代を振り返れたことで大事なことを思い出せて、絆が深まりました。
——ちなみに、書かれていたエピソードはだいたい覚えていましたか?
田村 ほとんど覚えていました。ドラマ内のセリフをよくモノマネしていたのも、少女時代のライブに自分が出演したという夢の話も、コーンスープを飲んで朝からおなかが痛くなったことも、全部覚えています。

——ご家族は読まれたんですか?
田村 そういえば……どうなんでしょう? お互い恥ずかしいから面と向かって話せていませんが、母は連載時から読んでくれていて「よく、こんな文章が書けるね」と言ってくれました。改めて父と母に感想を聞きたいですね。
私も、エッセイを書いてからしばらく時間が経ったので、改めて読み返したいと思いました。「いつも心にマスオさん」は、定期的に読み返したい章です。新年度が始まり、新しい生活が待っている方もいらっしゃると思うので、読み返していただいたり、重版の機会に手に取っていただけたりしたら、意外と使える本じゃないかと思います。
知的探究心を掘り下げていきたい
——『ラヴィット!』放送開始から丸5年、ご自身も30代にまもなく突入するなど、2026年は節目となる年かと思います。最後に今年の抱負をお聞きできますか?
田村 毎年、「来年はちょっとゆっくり過ごします」と年末に答えているんですが、年が明けるとリフレッシュするのか「新しいことをやりたい」という前のめりな気持ちになってしまいます。『ラヴィット!』は徐々に変化している番組ではありますが、キリがいい節目のタイミングで、さらなる変化があるのではないかなと思っています。そういうときに受け身になるのではなくて、変化についていって、一緒に新しいものを作っていく気持ちで番組に取り組みたいです。
あとは、仕事面でまた新たなことをやりたいですね。私たちは仕事をもらわないと何もできない立場なので、なかなか自分発信の企画を立てられないんですが、最近は『ラヴィット!』を中心に賑やかなお仕事が多いので、違う方向性の番組もやりたいです。たとえば国宝やお城巡りなど、知的探求心を掘り下げていくような番組のお仕事。節目の年を迎えて、学びたい欲が高まっています。プライベートでも、日本の行ったことがない場所に行ってみたいですね。きっと大人として、知見を深めたい欲求が高くなっているんだと思います。

田村真子
(たむら・まこ)TBSアナウンサー。1996年、三重県生まれ。2021年より『ラヴィット!』MCを務めるほか『タミ様のお告げ』『知識の扉よ開け!ドア×ドア クエスト』などの番組を担当。2025年、フォトエッセイ「陽がのぼるほうへ」を刊行し、2026年に重版が決定。
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