【HANAユニット対談】JISOO×NAOKO×MAHINA「たくさんがんばってきた人に聴いてもらいたい」特別なデビュー曲

2025.6.21

ヘアメイク＝Moe Shitate、Sakurako Handa、honoka.、Erena Tarumi（MASTER LIGHTS）　スタイリング＝Shohei Kashima（W）　ワードローブ＝山本ひとみ

オーディションプログラム『No No Girls』から誕生し、2025年4月に『ROSE』でメジャーデビューを果たした、ちゃんみなプロデュースの7人組ガールズグループ・HANA（ハナ）。発売中の『Quick Japan』vol.177では、「私だけの声、私だけの物語」と題したインタビュー特集を掲載している。

ここでは、本誌には掲載しきれなかった彼女たちの「声」を盛り込んだインタビューをお届けする。第2弾は、NAOKOとJISOOとMAHINAによるユニット対談。

ちゃんみなも絶賛する歌唱力とダンススキルを持つNAOKO。韓国からひとり来日し、オーディションで自身の殻を破ったJISOO。グループ最年少で、ラッパーとして急成長を見せたMAHINA。三者三様の魅力を放つ彼女たちが、目指すアーティスト像を語り合う。

【HANAバックカバー＆17ページ特集「私だけの声、私だけの物語」】『Quick Japan』vol.177

出会ったことがない感情がたくさんある

──みなさんが自分を表現する上で大切にしていることは？

JISOO　私は、探究心が自分の強みだと思っています。知識欲が強くて、気になることができたら、最後の最後までとにかく調べる。リリックを書くときはいろんな言語を使いますが、たとえば私の母語ではない英語で使いたい表現があったら、どんな意味があるのか、過去にどう使われてきたのか、全部調べます。

NAOKO　JISOOは本当に何事にも貪欲。おいしいお店とかもたくさん知ってるんですよ。

MAHINA　いつも助けられてるよね。私は年齢的に、出会ったことがない感情がまだたくさんあると思っていて。そんななかでも、歌詞やメロディの中にできるだけ入り込むことを意識しています。恋愛の曲だったら、自分は経験がないので友達の恋愛相談に乗って、想像をふくらませてみたり……。昔から国語の教科書を読んでいても、主人公の気持ちになりきっちゃうようなタイプで。作った感情ではなく、自分の心の内から出る感情をお届けできるよう、オーディションでもファイナルまでにすごく研究しました。

JISOO　すごくよくわかる。私だったら、もし悪女の曲をやるとしたら、悪女が出てくる映画を観てとことん研究するかも。この3人はMBTIがほぼ一緒なこともあって、考え方が似てるよね。

NAOKO　うんうん、すごく共感！　私が大事にしているのは、嘘をつかないこと。パフォーマンスに対して少しでもマイナスな感情を持っていると、それは絶対に伝わってしまう。「これをクリアできた」「ちゃんとできてる」と、自分に嘘をつかずに信じて、そのまま昇華することを意識しています。そうすることで説得力があるパフォーマンスができると思うし、一番大切にしていますね。

JISOO
（ジス）韓国出身。高い歌唱力をちゃんみなから評価されている

NAOKO
（ナオコ）「練習がないと生きていけないタイプ」と自ら明かすほどの努力家で、抜群のパフォーマンススキルを誇る

「ROSE」を聴いて号泣

──メジャーデビュー曲「ROSE」はみなさんだからこそ歌える楽曲で、とても心に響きました。最初に聴いたときはどう感じましたか？

JISOO　私は、号泣しました……。

MAHINA　みんなうるうるしてたよね。「これがデビュー曲なんだ……！」という驚きもありました。

NAOKO　本当に素晴らしい曲で……。振り入れでは、私とJISOOが号泣しました（笑）。振り付けにストーリーがたくさん詰まっていて。

JISOO　2人ずつ、3人ずつに分かれる振り付けが多いんですが、構成に感動したんです。

──ミュージックビデオの撮影は韓国で行われたそうですね。真冬の撮影で、とても寒かったのでは？

NAOKO　それが幸運にも風がなくて、春らしい気候でした。

JISOO　意外と寒くなかったです。

MAHINA　JISOOは寒さに強いというのもあると思うけどね（笑）。MVでは、最初の「I’m looking sweet but I’m all dynamite」のパートがおもしろいシーンになっていて注目してほしいです。JISOOがカジノでゲームをしている下で、私がダイナマイトを仕掛けていて、爆発寸前に脱出しようとする。JISOOが「早く！行くよ！」と急かすなかで、私は必死でコインを回収しようとするという（笑）。ほかのメンバーはシリアスなシーンも多いんですが、そこは思わずにっこりしてしまうパートだと思います。

JISOO　普段の私たちのやりとりそのままだったよね（笑）。

MAHINA　演技でもなんでもなかった（笑）。

NAOKO　（笑顔で）めちゃくちゃおもしろかったよ！

HANA / ROSE -Music Video-

“人間”を描いている曲

──自分のパート以外でも大丈夫なので、それぞれ「ROSE」で好きな歌詞を教えてください。

JISOO　本当に全部大好きなのですが、やはり「Just like a rose／トゲだらけの／My heart ain’t yours／醜い世界でも」というコーラス部分には、「ROSE」という曲の意味が全部込められていると思います。

NAOKO　そうだね。私たちが『No No Girls』で経験したことがどんどん美しく昇華されていく感覚が、一番伝わる部分だと思います。私は1番でそのパートを担当しているんですが、決意の宣言でもあり、みんなのいろんな感情を乗せたいと思いながら歌いました。

私が好きなパートは、「I’m alive now like bloom bloom bloom bloom」。「bloom」は「花咲く」という意味ですが、グループ名ともリンクしていてすごく誇らしいし、これからHANAとして生きていく私たちそのものだと感じました。

MAHINA　ここはダンスもすごくかっこいいよね。私はラップパート全体が好きで、特にYURIの「生きてる事を憎んで」という部分が響きました。ほかのパートと比べたら暗い雰囲気だけど、きれい事ばかりではなく「人間ってこうなんだよ」というリアルがにじんでいて。自分のパートの「汗や涙も枯れてきた頃に」も、「枯れるまで泣いたんだな……」と想像して、心にとても刺さりました。

NAOKO　全体を通して、「ROSE」は“人間”を描いている曲だなって感じます。

──この曲は、どんな方に届いてほしいですか？

NAOKO　私は、これまでたくさんがんばってきた人に聴いていただきたいです。そういう方には、共感できる部分がきっとあると思う。誰しも「この努力は誰が認めてくれるんだろう」と途方に暮れることもあると思うけど、再生ボタンを押せばいつも私たちの歌が響くので、そんな方々を応援できる曲になったらうれしいです。

MAHINA　芸能人やアーティストって、完璧な存在に見えがちじゃないですか。でも全然そんなことはなくて、私たちも普通に人間で、心は傷つくし、葛藤もたくさんあって。そういう部分も含めて共感してもらえたらうれしいし、生きることがつらい人に「大丈夫だよ」という思いを届けたいです。

JISOO　私も傷ついた人に聴いてもらいたいです。私自身が歌詞を読みながら「泥だらけでも自分を隠さず、自分をもうちょっと愛してもいいんだ」という気持ちになれたので、みなさんにも「そのままの自分を愛そう」という思いを抱いてほしい。みんなで痛みを少しずつ共有しながら、一緒に強くなりたいですね。