OWV本田康祐が目指す“立っている雰囲気だけでかっこいいチーム”

2025.2.27
OWV本田康祐が目指す“立っている雰囲気だけでかっこいいチーム”

文=坂井彩花 撮影=山口こすも 編集=森田真規


オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』シリーズの元練習生によって結成され、吉本興業に所属しているボーイズグループという共通点を持つOWV(オウブ)とOCTPATH(オクトパス)。

さらに、グループのリーダーであり、ダンスを大きな武器とし、メンバーカラーが赤という共通点の多い本田康祐(OWV)と古瀬直輝(OCTPATH)。Quick Japanでは約1年前にふたりのリーダー対談を実施。その対談がきっかけでお互いが両グループの振り付けを担当し合うまでに至った。

そして、4月にグループ結成5周年を迎えるOWVライブツアー『OWV LIVE TOUR 2025-VERSUS-』の3月1日、神奈川・KT Zepp Yokohamaでの公演では、両グループの共演も実現する。

ここでは約1年ぶりとなる古瀬との対談を直前に控えた、本田へのソロインタビューをお届けする。時を経て変化してきたというパフォーマンスの理想像や、古瀬に対する思いについて明かしてもらった。

本田康祐
(ほんだ・こうすけ)1995年4月11日生まれ、福島県出身。4人組ボーイズグループ「OWV(オウブ)」リーダー

エンタメ力は肌で感じないと出せない

本田 ゆくゆくは、立っているだけでかっこいい、踊らなくても成り立つグループにしたいとみんなで話しているので、今は各々のバイブスで踊るように意識しています。MVとかもあるから振り付けの精度も上げているんですけど、ライブでは熱のほうを大事にしていて。お客さんにパッションで届けるというか。ダンスで100%を伝えようとするのではなく、歌や表情、動作といった何かをダンスにかけ合わせて、自分を中心として熱を発するイメージ。ダンスを100%でそろえる美学もあるけど、僕らにとっては「伝える」が第一優先だから。今は各々がやれることを全部がんばっています。

本田 そうですね。やっぱり最初はそろえることに重きを置いていました。でも、大人数グループがそろえる美学をやっているなかで、4人しかいない僕らが同じことをしていてもおもしろくないなと思い始めて。だったら、ノリとか雰囲気とかスタイルとかを、かっこいいと思ってもらえるようにしようと。僕も今年で30歳になるし、「もし踊れなくなったときも、かっこよくいられるグループでいたい」という話をしていくなかで、「立っている雰囲気だけでかっこいいチーム」を目指すようになった感じです。

最近はライブでもパーティチューンを多めにして、あえて自分たちは踊らずに、お客さんを乗せる方向へシフトしていて。少しずつそっちのイメージを強くして、ここぞというときには踊って、「踊りもできる」っていうふうに見せていきたい。そこは、ほかのグループとのギャップですね。

OWV - 「Supernova」Music Video

本田 いろんな人のかっこいいところを見て学んだり、自分たちがのライブを振り返って吸収したりしながら、ステージに立ち続けるしかないと思います。サイヤ人みたいに、戦いの中で覚えていくというか。やっぱり、肌で感じないとエンタメ力は出せないと思うから。人前に立って、何がよくて何が悪かったのか、なんで沸いたのかってことを覚えていく必要があると思います。だからこそ、5年、10年と経ったときに、貫禄が出てくるんだと思うんです。

本田康祐(OWV)

いい意味での裏切り

本田 お客さんの反応を見ること。ダンスにしても、歌にしても、MCにしても、お客さんの反応を受けて、「これを使っていこう」とか「このくだりよかった」っていうふうに自分たちのパフォーマンスに反映していくので。自分たちだけで考えないで、相手の空気を瞬時に受け止められるところは、柔軟なのかもしれないですね。

本田 どちらかというと、僕たちが作ったエンタテインメントに対して、どういう反応をしてくれるのか見るのが楽しみって感じですかね。「(セットリストで)新曲はどこの位置がいいんだろう」とか「どういうふうに解禁するのが一番かっこいんだろう」とか、そういうことばかり考えて、答え合わせをしたときにいい反応が返ってきたら「次はもっとがんばろう」と思える。サプライズ精神というか、エンタメの駆け引きというか。いい意味での裏切りみたいなものを考えているのが、一番楽しいかもしれないです。それこそ、新曲発表のタイミングとかも、どうしようかなって毎回考えてます。

本田 そうなんですよ。だから、ツアーのMC中に新曲のトラックをBGMとして流すようなこともしていて。『OWV LIVE TOUR 2023 -MUSEUM- 』では、エンドロールで流れていた「BREMEN」が初披露した日から歌ありに変わっていたのでわかりやすかったと思うんですけど、実はその前から同じようなことを何回もしていたんです。「MCでしゃべっているから、みんなうしろで流れているBGMなんて気にしないんだな。解禁前の曲が流れているのに」ってことは、けっこうありましたね(笑)。

もともとは「BREMEN」を流すのも、ダメって言われていたんですよね。ツアーが始まった時点でほぼマスタリングが終わった状態だったから、「お客さんに雰囲気だけでも味わって帰ってほしい」とお願いして、なんとか流させてもらえました。

本田 この話をしたから、あえてやらなくなるかもしれないです(笑)。そういうことをいろいろと考えて、遊んでほしい。僕らが潜ませたものを見つけてくれたらうれしいですね。

本田康祐(OWV)

20歳のころにハマったShingo Okamotoの振り付け

本田 ダンサーのShingo Okamotoさんが担当したAAAさんの「Miss you」っていう曲の振り付けに、すごくハマっていました。20歳くらいのときは、Shingoさんのレッスンに通っていたんです。レッスンで練習したり、Shingoさんの動画をまねして踊ったりしていたので、今でもShingoさんの作った振り付けは、めちゃくちゃ覚えています。ShingoさんがDa-iCEさんの振り付けもやっていたので、「Startin’ Up」もレッスンで踊りました。それもあって、自分の振り付けのルーツにはShingoさんが入っていると思います。

AAA - Miss you/AAA TOUR 2013 Eighth Wonder

本田 どちらかというと、ダンスの大会で無双しているShingoさんの映像を観たのが先かな。「この人、すごい!」と思って、ハマっていきました。昔はコレオグラフを誰が担当しているか興味がなかったんですけど、ダンスを始めてから「コレオグラフはこの人なんだ」とわかるようになっていった感じです。

本田康祐(OWV)

古瀬は“仲がいい後輩”

(※編集部注:OWVメンバーの浦野秀太が10分で考えた「Abyss」“ヘンテコダンス”を古瀬が自ら考えたコレオグラフとして振り入れしたら、というOWVのYouTubeチャンネルで公開されたドッキリ企画)

OWV|【恐怖】後輩の振り付けがヘンテコだったらOWVはどういう反応をするのか」

本田 最初は、本当に古瀬が作ったのかな……って驚きました。でも、古瀬が踊っていると様になっていたし、まだ僕が昇華できてないだけで、古瀬くらいの感性だったらああいうコンテンポラリー系もあり得るのかもしれないと思う部分もあって。OWVっぽくないところは、さすがにあとで言いに行こうかと思ってましたけど(笑)。正直なところ、その前にOWVからドッキリを仕かけたとき心が痛かったので、古瀬がお返しをできたのならよかったと思っています。

本田康祐(OWV)

本田 後輩みたいな人はたくさんいるけど、事務所の後輩はOCTPATHが初めてだったし、中でも古瀬は会ったときに積極的に話しかけてくれるからかわいいと思っています。仕事で会ったとき、「ご飯行きましょう」と言ってくれるのもうれしくて。基本的に自分からは誘わないので、ありがたいですね。事務所も一緒だし、境遇やグループにおける立場も似ているので、かわいい弟って感じです。とはいえ、しっかりしてるから、そこまで弟って感じもしないんですけど(笑)。仲がいい後輩ってイメージですかね。困ったときに僕を頼ってくれたり、アドバイスを求めてくれたりするのもうれしいですね。

本田康祐(OWV)×古瀬直輝(OCTPATH)の対談は2月28日(金)の公開を予定しております。

本田康祐(OWV)

『OWV LIVE TOUR 2025 -VERSUS-』でOWV×OCTPATHが実現

東名阪福を巡るOWVライブツアー『OWV LIVE TOUR 2025-VERSUS-』の3月1日(土)に神奈川・KT Zepp Yokohamaで行われる公演の第1部にて、OCTPATHとの共演が実現!

詳細は下記の特設サイトよりご確認ください。
https://owv.jp/feature/owv_tour_2025

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ライター_坂井彩花

Written by

坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

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