東京吉本の若手芸人が所属する「神保町よしもと漫才劇場」から、今押さえておくべき芸人を紹介する連載「レコメンド神保町」。前途有望な若手芸人が日々、切磋琢磨しているこの劇場の中でも注目の芸人とは。
第7回はブラゴーリが登場。2024年の『キングオブコント』で準決勝に初進出、9月の『Jimbochoグランプリ』では総合優勝するなど波に乗るふたりに、これからの展望を聞いた。
ブラゴーリ
塚田裕輝(つかだ・ゆうき/1990年5月6日生まれ、神奈川県出身)と大ちゃん(だいちゃん/1991年5月31日生まれ、埼玉県出身)によるコンビ。2024年の『キングオブコント』で準決勝進出
笑顔あふれるスーパーハッピーコンビ
──まずはおふたりのコンビとしてのアピールポイントを教えてください。
塚田裕輝(以下、塚田) 笑顔です。人を傷つけず、嫌な気持ちにもさせず、とにかく笑顔にするお笑いをやる。そして僕ら自身も笑顔がチャームポイント。だからお客さんの笑顔と僕らの笑顔であふれるスーパーハッピーコンビです。
大ちゃん 僕ら『ハッピーラッキーチャンネル』っていうYouTubeもやってるんです。芸人のYouTubeって誰かの悪口や下ネタをおもしろおかしく言ったりしてるものが多いじゃないですか。でも、このチャンネルでは下ネタやネガティブなことは一切言わない。なんなら「タバコ」というワードでさえ言わない。みんながハッピーでラッキーになれるような動画だけをアップしてます。
塚田 子供と一緒に朝から観られる動画を目指してます。だから、タバコなんて悪影響なワードはもちろん出さないですし、そもそも吸わないですし……。
大ちゃん 嘘はつかなくていいよ(笑)。
塚田 葉っぱ(紙タバコ)は、吸わないです(笑)。
大ちゃん なんでIQOSはオッケーなんだよ。双子も生まれたんだからやめなよ……。
──お子さんの誕生おめでとうございます。ネタを作る上でも“ハッピー”は大切にしているんですか。
大ちゃん そうですね。お客さんが考えなくても大笑いできるわかりやすさはやっぱり意識してますね。でも、わかりやすいボケってお客さんもすぐ気がつくんですよ。普通のボケはツッコむまで気がつかなかったり、ツッコミで回収するみたいなのも多いじゃないですか。でも、僕たちは一番手前のボケをやるので、お客さんが気がつくより早くツッコまなきゃいけないんです。だから、とんでもないスピードになっちゃうんですよね。そのスピード感は難しいですよね。
塚田 僕らのネタって誰でもできるんじゃないかって思われるかもしれないですけど、できないっすよ。あのテンポでフリ落ちフリ落ちをたたみかけるっていうのは、なかなかね……。みんながお笑いを知っちゃってるこの時代にできたことじゃないです。
変わらないスタイルに自信がついた『キングオブコント』
──おふたりだからこそ、なせる業なんですね。今年は『キングオブコント』で初めて準決勝に進出されました。決まったときの心境はいかがでしたか?
塚田 通っている自信は2割くらいしかなかったので、驚きましたね。本当にうれしかったです。
大ちゃん 発表の日は17時からネタ合わせの約束をしてたんですけど、塚田さんが来なくて「どうしたんですか」って連絡したら、「雨だからなしだと思った」って言われて。僕はなんの連絡ももらってなかったんで、もういいよ!こんなやつとコンビ組みたくねえよ、解散だよ!って思ってたんです。だけど、その直後に準決勝進出が発表されて、すぐ塚田さんに電話したら、電話越しに子供が「すご~い、パパ~すご~い、パパ~チャンピオ~ン!」って聞こえて。
塚田 言ってたかな(笑)?
大ちゃん それを聞いたら、逆に一緒にいなくてよかったなって思いましたね。もし、ネタ合わせしてたら発表の瞬間、塚田さんは家族といられなかったし、喜んでる声をすぐには聞けなかったので。僕は一生、塚田さんとやっていこうって思いましたね。もう『グリーンマイル』みたいでした。
塚田 ご飯の支度をしてるときだったんですけど、「通った」って言ったら奥さんと息子が駆け寄ってきて、「チャンピオン! チャンピオン!」って喜んでくれて。「準決勝に行っただけだからまだだよ」なんて言いながら、本当にうれしかったですね。
──準決勝での手応えはいかがでしたか。
大ちゃん 正直、ありましたね。何年か前に準々決勝でめっちゃスベったネタがあるんですけど、それをブラッシュアップしてやったんですよ。約1カ月、めちゃくちゃネタ合わせをしたんですけど、当日はとんでもないぐらいウケて。このくらいがんばれば、お笑いってついてくるんだなって指標みたいなのがわかりました。
塚田 4年連続、準々決勝で落ちてきたんですけど、今年の準々決勝でやったネタも角度というか大枠はあんまりこれまでのネタと変わってないんです。でも、これまで以上にすごくウケたんですよね。なんかブラゴーリの受け入れられ方が今までとは違う気がしましたね。
──お客さんにキャラクターを知ってもらえていた、ということですか。
塚田 そうですね。たぶん、ニューヨークさんのYouTubeに出させてもらって、ブラゴーリってこういうコンビですよみたいのをやってくれたのが大きくて。それでお笑いが好きなお客さんにはある程度、知ってもらえたのかなって。
──今年は準決勝で敗退してしまいましたが、次に向けて手応えのあるものだったんですね。
大ちゃん そうですね。ネタの方向性にも自信が持てましたし。
塚田 準決勝に行ったことで、さらに僕らを認識してくれてた方が増えたと思うので、来年はもっとやりやすい状態になってるんじゃないかなって思います。
ふたりがハマる芸人仲間のラジオ
──続いて、おふたりからのおすすめを伺いたいのですが、今ハマっているものなどありますか。
塚田 僕は『軟水のグビビラジオ』(stand.fm)ですね。普通におもしろくて、毎回聴いてます。大川内(聡)はちゃんとトークとかもするんですけど、つるまるが放送中、「何がやねん」って70回ぐらい言うんすよ。
大ちゃん それだけを? ワード少なっ。
塚田 相づちだけじゃなくて、自分でトークしたときも最後に「何がやねん」って言うんですよ。「こいつがこんなおかしかったんだけど。それでこいつこんなこと言ってんねん。あいつ何がやねん」みたいな。とにかく「何がやねん」に注目して聴いてほしいですね。
大ちゃん 僕は近い芸人のラジオだと、『まんぷくユナイテッドのニューラジオ』、ゼロカランの『同郷のさしみ』(stand.fm)、『おミュータンツのニューラジオ0』の3つを聴いてるんですけど、今回はまんぷくユナイテッドをおすすめしていいですか。ツッコミの狩野(大)が松下(遼太郎)にいろんな要求をするんですよ。金貸せ、もっとお笑いがんばれ、平場でボケろとか。
塚田 ただのプライベートダメ出しじゃん(笑)。
大ちゃん そう、ただの公開説教ラジオ。だけど実は松下のほうがTikTokとかYouTubeですごくバズっていて、狩野の100倍稼いでるんですよ。たとえじゃなくて、ちゃんと100倍(笑)。なのに、なぜかラジオだと狩野が説教する立場なんです。だから、こっちは松下に説教して気持ちよくなってる狩野を笑うというのがこの番組の楽しみ方ですね。
塚田 やばいじゃん(笑)。
大ちゃん 一番おすすめは松下に狩野が「ネタを書くから1本につき、1万円ちょうだい」ってお願いする回なんですけど、お願いというか「1万円ください」っていうお願いじゃなくて、キレてるんですよ。「1万円くれって言ってんじゃん!」みたいな。
塚田 狩野は自分が変なこと言ってるって気づいてないの?
大ちゃん 狩野は「何も間違ってないっすよね?」って言ってたんで、「お前は何も間違ってないよ」って言ってあげました。ラジオが終わっちゃうんで。
塚田 もはや終わったほうがいいよ(笑)。
ライブ玄人におすすめの『英雄』
──最後におふたりがネイチャーバーガーさんと毎月開催されている『コーナーライブ「英雄」』についてお聞きしたいのですが、これはどんなライブなんですか。
大ちゃん 『英雄』はなんて言えばいいんですかね……。たとえば「なんでだよ!」ってツッコミも普通に言ったんじゃもうウケなくって、「なんで⤴だ⤴よぉ⤵」だとウケるんですよ。それに、普通のライブのお客さんだったら引くことを、『英雄』のお客さんは求めてるというか。
塚田 バットで背中をぶっ叩いても笑うようなお客さんたちですからね。お客さんもおかしいんですけど、僕たち自身も『英雄』だけは、お客さんに笑ってもらうことより、自分たちが一番おもしろいと思うことを自由にやっちゃってますから。
大ちゃん ここだけは最初に言ったことと真逆のことをしてます(笑)。
──でも、2年以上続いているということは、お客さんにも楽しんでもらっているということですよね。
大ちゃん そうですね。最初は1、2列ぐらいだったのが、最近は基本7、8列ぐらいまで入っていただけるようになって。これ以上やったらウケないっていう線引きって芸人の中にはなんとなくあるんですけど、『英雄』はその先に行っても、笑ってもらえるんですよね。だから『英雄』でのボーダーは、もうこれ以上やったら裁判になっちゃうよ、みたいな。闇に葬られてきた事件を今まで何個も起こしてるんですけど……。
塚田 そういう意味では、ライブならではのよさは一番出てるライブではあるかもしれないです。テレビじゃもちろん見られないハプニングもありつつ、ギリギリを攻めながら過激なことをやってるっていう。
大ちゃん 後世には語り継げないですよね(笑)。でも、それでも続いてるのは、結局、支配人さんとか社員さんが『英雄』大好きなんですよ。ほかのライブでやったら一発で終わるような事件もたくさん起こしてきたんですけど、社員さんたちが大好きなので。
塚田 なんせ1月1日の夜公演を任されてますからね。
──なるほど。ライブ初心者の方よりはいろんな公演を観ている人におすすめのライブなんですね。
大ちゃん そうですね。絶対に初見で来るべきライブでは絶対ないです。いろいろなお笑いライブ行って、なんかもっと違うの見たいなっていう人には、ぜひ一回来てみてほしいです。
塚田 見たことないくらいスベり続けてたりするんで。
大ちゃん でもこっちは堂々とスベってるわけじゃないですからね。ちゃんと焦ってますから(笑)。どうにか笑いになれ!って思いながら汗だくになってスベってます。
『ブラゴーリとネイチャーバーガーのコーナーライブ「英雄」』
2024年10月11日(金)開場20:45/開演21:00/終演22:00
会場チケット:前売1,200円(税込)/当日1,500円(税込)
オンラインチケット:1,200円(税込)
詳しくはこちら
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【ブラゴーリ×QJWeb サイン入りチェキプレゼント】フォロー&RTキャンペーン
■キャンペーン応募期間
2024年10月11日(金)〜2024年10月24日(木)■キャンペーン参加方法
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