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7ORDER安井謙太郎、芸能人に会いたいで始まった活動が「自分の仕事」になるまで

安井謙太郎

文=新 亜希子 撮影=澤田詩園 編集=梅山織愛


お笑い芸人、アーティスト、俳優など、話題のタレントに「仕事遍歴」を聞くインタビュー連載「求人ボックスpresents Echoes of Career~人気者の仕事遍歴~」

当時なぜその仕事を選び、それがその後の活躍にどうつながっているのか?をテーマに、現在の職業に至るまでの経歴を聞きながら、そこで得たこと、逆境の乗り越え方を紐解く。

今回は7ORDER安井謙太郎が登場。中学生のときに芸能界に入り、15年以上活動を続けている安井。インタビュー前編では、アーティストとしての活動を始めたきっかけや「仕事」として意識を持つようになった出来事を聞いた。

【後編はこちら】「失敗も含めてすべての経験が個性に」メンバー兼CEOとしての向き合い方

「赤西くんに会ってみたい」で芸能界入り

アーティストを志したきっかけは?

中学生のころにドラマ『ごくせん2』(日本テレビ)を観て、初めて同性をめちゃくちゃかっこいいなって思ったのが赤西仁くんでした。そのときは俳優さんとしての赤西くんしか知らなかったんですけど、調べていくと「KAT-TUN」というグループで歌ったり踊ったりしている人なんだって知って、興味を持つようになって。それを家で話していたら、小学生のころの友達のお母さんが、赤西くんが所属していた事務所のファンで、「舞台を観に行かないか」と誘ってくれたんです。その方の知り合いが外部ダンサーとして出ていたこともあって、楽屋にごあいさつをして帰ることになったんですけど、近くにいた事務所の人に「夜の公演も来て」と言われて、連絡先を伝えて。

それで事務所に入ったんですね。

でも、舞台が終わっても、すぐに連絡はなくて。夏休みのある日、急に事務所から電話がかかってきたんです。そこから、気づいたらレッスンを受けていました。にゅるっとこの世界に入っているんですよね(笑)。気づいたらリハーサルをしていて、その次の日にはNHKホールで踊って、という不思議なスタートでした。だからきっかけは、お芝居がしたいとか、歌いたい踊りたいというより、「赤西くんに会ってみたいな」ぐらいの気持ちでしたね。

実際に表舞台に立ってみて、どんな感覚でしたか?

振り返ると部活みたいな感じだったなって思います。毎日同じ場所に行って、リハーサルをして、本番に出て。まわりも同世代で、みんなで切磋琢磨していた感覚です。本当の意味で仕事だと思うようになったのは、だいぶあとのことだったかもしれないですね。僕は当時、鎌倉の学校に通っていて、東京には家族で月に1回行くか行かないかくらいだったのが、毎日のように東京に行くようになって、生活が変わったことが刺激的でした。「思っていたのと違う」ということもなかったです。そもそもこの世界に対して「思っていたこと」がなかったから。まったく違う習い事を始めて、新しい友達もできて、ただ楽しい日々だったなっていうのが最初の印象です。

安井謙太郎
ライブリハーサル中の安井

代わりのいない役で変わった意識

そんな安井さんが活動に対して、「仕事」だという自覚を持ち始めたきっかけはなんだったんですか。

僕は入所してすぐに、舞台で役をもらう機会があったんです。当時、女形が似合う人を探していたみたいで、そこでピックアップしてもらって。「ほかの人とは違う役割がある」と感じる機会を最初に与えていただいたところから、責任は感じていたし、「これは仕事なんだ」と思っていました。だって、舞台上で自分がしゃべらなかったら、物語が止まっちゃうんです。大勢いるバックのうちのひとりだったら、僕が出られなくても舞台は成立するけど、セリフを言ったり、きっかけを演じたりするシーンがあったから、代わりがいない。その経験を通して、これは仕事なんだと思うようになりました。

「仕事」だという認識が芽生えても変わらず、活動は楽しかったですか?

はい、基本的には「楽しかったな」っていう思い出です。ただ、すごく“社会”だなと思った印象的な出来事があって……。

どんな出来事だったんですか。

リハーサルって急に行われるものなので、電話で「明日ここに来てください」って言われて行くんですけど、行ったときに空気感で「あれ? いつもと違うな」って感じる瞬間があるんです。ある日、すごく人数が減っているんですよね。昨日まで隣で踊っていた子が、突然、呼ばれなくなることがある。当時は、急に雑誌の撮影に呼ばれることもあれば、今まで呼ばれていたものに呼ばれなくなることもあって、そういうところで競争社会を知りました。毎日楽しいし、みんな友達だけど、高校生くらいの年齢で、急にすごくドラスティックな場面に直面することがある。僕よりもっと歳下の子たちもそういう危機感を抱きながら過ごしている環境はつらかったというか、「こういうものなんだ」と突きつけられる感じがありました。とはいえ、日々は目まぐるしいスピードで過ぎていくので、まったくその状況を咀嚼はできていなかったと思います。進むしかない、そんな感じだったかもしれません。

「自分の仕事」ができる喜び

安井謙太郎

競争社会の中で「役割がある」ということに対しては、喜びとプレッシャー、どちらが大きかったですか。

喜びが大きかったですね。というのも、入所当時は僕だけペーペーで、先輩に囲まれている状況だったんです。どうせ期待されていないだろうから、むしろ何か爪あとを残してやろうみたいな。プレッシャーもなく、のびのびやれました。

安井さん自身は、 誰かに勝ちたいという思いはなかったですか。自分は自分という感覚だったのでしょうか。

もちろん、選ばれない、外されるというときには、悔しい気持ちはありました。「俺、これ外されてるな」ということは、誰にも言われないから雰囲気で察するんですよ。気づいたら、自分が出ていない雑誌が出ている、呼ばれていない音楽番組にみんなが出ている。そう察したときに、首のうしろがすーっと冷たくなるんです。「やばいな」って。だから、競争心みたいなものもあったと思います。いつからか「どうすればこの集団の中で自分の存在意義を得られるんだろう」と考えるようになりました。

外されたとき、辞めようとは思わなかった?

思わなかったですね。外されることもあったとはいえ、僕はチャンスをもらっていたほうだったので、戦える場所はあったんです。言葉にはしないけど、「やってみろよ」という意味だろうなっていうチャンスをいただいていた。だから、そこに全力でトライしたいという気持ちのほうが大きかったです。

「自分の仕事」ができる喜び

安井さんがこの仕事を続けようと思ったきっかけはなんだったのですか?

僕は土曜日も学校があったので、学校に行くことで出られない仕事もたくさんあったんですよ。通っていた学校は絶対に卒業したいと思っていたけど、大学はいったん、「いいや」と思ったんです。これは感覚的なことなんですけど、「今、この時期は、仕事に全力投球したい」と思いました。大学は別にあとからでも行けばいいと思っていたし、特に重い決断をした感覚ではなかったです。それに、ちょうど18、19歳ぐらいのときに、初めて事務所の外部の仕事──広告だったり、ドラマの仕事だったりをやらせていただけるようになって、芸能界の仕事が「自分の仕事」として、かたちになってきている感覚がありました。

学生時代から仕事を始め、さまざまな経験をしてきた安井さんから、仕事にまつわる悩みを持っている人に、何かアドバイスをいただけますでしょうか。

僕らの仕事は、自分たち主体で何かをやれる環境にあるので、仕事を“自分事”として考えられるけど、そうじゃない方もたくさんいらっしゃると思うんです。それでも、「どの部分なら自分事に感じられるかな」と探すのも、仕事のやり方のひとつなのかなとは思いますね。僕は仕事をしていて、そういう方に会って感動することがすごくたくさんあるんです。アサインされたことを自分事にして「もっとこうしよう」という姿勢を見るとすごく感銘を受けるし、仕事はそうあるべきだなとすごく思います。モチベーションが上がらないことも絶対にあると思うんですけど、そのなかで何かモチベーションになるものを探すのも仕事のひとつなのかなって。とか言って、できないときはどうしたってできないんですけどね(笑)。でも、そういう感覚を持っているというだけでもいいのかなと思います。探せなかったとしても、探してみた時間が存在していることで、何かひとつ変わるんじゃないかなって思うから。

社長業との兼任についてを語った後編はこちら

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安井謙太郎

安井謙太郎
(やすい・けんたろう)1991年7 月21 日生まれ、神奈川県出身。6人組アーティスト・7ORDERのリーダーで株式会社L&L’s のCEO

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新 亜希子

(しん・あきこ)エンタメ系ライター。音楽・アイドル・映画を中心に、インタビューやレポート、コラムやレビューを執筆。『シネマトゥデイ』『リアルサウンド』『日経エンタテインメント!』ほか。

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