佐々木莉佳子、憧れのサンドウィッチマンを語る「“誰かのため”に行動する姿に学んでいる」

文=羽佐田瑶子 編集=菅原史稀


2011年3月11日、サンドウィッチマンはテレビ番組のロケで気仙沼にいた。それからふたりが毎年訪れ「第二の故郷」と呼ぶその場所で、アンジュルム佐々木莉佳子は生まれ育った。人々へ元気を与える地元のスターに幼少期から親しみ、自身も表舞台で活躍する身となって久しい今、彼女の目にサンドウィッチマンの姿はどう映っているのか。

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佐々木莉佳子

「気仙沼や東北に何かしたい」という共通の意識

──2023年3月放送の『サンドウィッチマン ザ・ラジオショー サタデー』(ニッポン放送)で初めて共演されていましたが、当時について印象に残っていることは?

佐々木 幼いころからテレビでずっと観ていたのですごく緊張したのですが、テレビの印象とまったく変わらずとても優しくて、ふたりが醸し出す空気が柔らかくて、実際に会ってからもっと大好きになりました。人の温かさって、目線だけでも伝わるものがあるじゃないですか。私も、人と話すとき言葉や目線、相づちなど小さなことも大事にしているのですが、ラジオでお話ししたときサンドウィッチマンさんにはすべて備わっていると思いました。あと、私がうまく言葉にできなくて困っているとすぐフォローしてくださったり、全部のお話を拾ってくださったり。おもしろさはもちろんですが、人間性が素敵ですよね。なかなかお会いできていないのですが、たった一度会っただけで虜になりました。

──気仙沼では、どういう存在なのでしょうか?

佐々木 宮城でも別地域のご出身なのに、震災のこともあって気仙沼に特別な想いを持ってくださっていることが伝わってくるので、気仙沼の人たちはサンドウィッチマンさんが大好きだと思います。おふたりのお話を地元でよく聞きますし、みんなが親戚みたいに「この間は気仙沼の〇〇に行ったみたいだよ」とか「伊達さん〇〇食べてたよ」とか、最新情報をくれますね(笑)。ラジオに出させてもらったときも、地元の人たちが共演をすごく喜んでくれました。

──気仙沼で被災した、という境遇が同じことも、特別な気持ちにつながりますか?

佐々木 表に立つお仕事をしている人で、気仙沼で被災した人は数少ないので、サンドウィッチマンさんに対して勝手に仲間意識を持っているんです。気仙沼や東北に何かしたい、という強い気持ちで通じ合えている気がして。おふたりは、実際に「東北魂」と掲げて思いを行動に移されていて、とても地元に貢献していらっしゃいます。その姿に私も「もっとがんばりたい」と思いますし、人柄も行動も学ぶことがたくさんあります。

ふたりは“優しいお兄さんのような存在”

──印象に残っているおふたりの活動は?

佐々木 サンドウィッチマンさんが発起人となった「東北魂義援金」で、気仙沼に「トイレトレーラー」が寄贈されたことです。ふたりが避難した安波山にずっと置かれていて、私も帰省するたびに立ち寄っていました。トレーラーの前にサンドウィッチマンさんの写真が飾られていて、それを見るとおふたりが気仙沼を見守ってくれているような気がしてうれしくて、よく写真を撮って元気をもらっていました。今はそのトイレトレーラーが、能登半島地震で被災した石川県輪島市の避難所で活躍していると聞きました。気仙沼の人たちもきっと、同じく被災した身として今すぐにでも力になりたい気持ちだったと思うので、トイレトレーラーが気仙沼から輪島に届けられたことはすごくうれしかったと思うんです。力になりたい、という思いをかたちにしてくれたのはおふたりのおかげですし、誰かのために行動する姿に私も力をもらいました。

──佐々木さんがおふたりを尊敬していることが、ものすごく伝わってきます。

佐々木 本当に大好きで……勝手に自分にとって優しいお兄さんのような存在だと思っていて、ラブなんです(笑)。すごくうれしかったことがあって、一度気仙沼でテレビ番組のロケをされていたときに、電話をつないでいただいたことがあるんです。ラジオでご一緒したときにおすすめした、私が大好きな気仙沼のケーキ屋さん「シェ・ササキ」の焼きチーズケーキを食べてくださって。「どういうところが好きなの?」と聞かれて、私が「かたいところ」と答えたんですよ(笑)。そうしたら、サンドウィッチマンさんがそれをおもしろがって「かたいチーズケーキに名前を変えよう」とお店に提案してくださって。今「サンドウィッチマン&佐々木莉佳子命名のかたいチーズケーキ」で販売されています。小さなころから通っているお店に、まさか自分とおふたりの名前が並んだ商品が売られるとは思わず、とってもうれしいです。ファンの方もたくさん訪れてくれているようです。

──佐々木さんもサンドウィッチマンも、気仙沼市の観光大使「みなと気仙沼大使」に就任されていますし、一緒に気仙沼を盛り上げていく立派な仲間ですね。

佐々木 私は全然まだまだですが……同じ「みなと気仙沼大使」としてサンドウィッチマンさんの活動を見ていると、「私も大使としてもっとできる!」と刺激を受けます。地元に貢献したいのはもちろん、存在を大きくしたいというか……共通点として、お互いに東北楽天ゴールデンイーグルスが大好きなんですね。たまたま私が観戦した日にサンドウィッチマンさんもいらしていて、モニターに抜かれたんです。その瞬間の大歓声に、宮城の大スターだということを再確認しました。足元にも及びませんが、私は今年の春でグループからの卒業が決まっていて(編集部注・取材は2024年1月に実施)、気仙沼を拠点に活動する「SCK GIRLS」からアイドル人生を歩み出したので、アイドルである私が今できることをやりたいと強く思いました。

──またおふたりに会えたら、どんなことをしたいですか?

佐々木 実は、以前ご一緒したラジオで「気仙沼クイズ」をしたのですが、私は案の定負けてしまいまして。言い訳をさせてもらうと、私は小学校5年生で東京に出たので地元に詳しくないんです(笑)。次、お会いできたら、おふたりに「気仙沼の知識が増えたね〜!」と思ってもらえるようにもっと気仙沼に詳しくなりたいですね。そして、「気仙沼クイズ」をリベンジさせてもらいたいです!

サンドウィッチマン豆知識

サンドウィッチマンさんが好きな気仙沼のソウルフードは、「紅梅の揚げパン」と聞きました!

佐々木莉佳子(ささき・りかこ)
2001年生まれ、宮城県気仙沼市出身。アイドルグループ・アンジュルムのメンバー。2024年開催予定の春ツアーをもってグループおよびハロー!プロジェクトを卒業することが発表されている

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羽佐田瑶子

(はさだ・ようこ)1987年生まれ、執筆・編集。女性アイドルや映画などガールズカルチャーを中心に、インタビュー、コラムを執筆。主な媒体は『クイック・ジャパン』『She is』『BRUTUS』『TV Bros.』『CINRA』など。岡崎京子と女性アイドルなど、ロマンティックで力強いカルチャーや人が好き..

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