ネットと共に生きる人たちへのメッセージ
インターネットというものが一体何をもたらすか、何を与えてくれるか。神聖かまってちゃんはこの10年間で、時に愛され、時に炎に包まれながら、それを体現してきた。
の子が幼少期にちばぎんから奪ったキラカードを背中に貼り付けて返した、Zepp DiverCity Tokyoのライブ直後。ちばぎんの肩車から降りたの子が楽屋に向かうまでの通路の中で、
「ありがとね」
と、ちばぎんの肩をポンと叩いた。第二子が生まれて父親になったちばぎんの、少したくましくなった背中はその瞬間丸くなり、少年みたく小刻みに震えているように見えた。まるでキラカードを集めていたころのふたりに戻ったかのようだった。こんなうしろ姿が撮りたくて、ずっと撮影をしてきたのかも知れない。
普段は本音で向き合えない彼らを素直にさせたのは、紛れもなくその場にいた2000人以上の観客であり、配信を観ていたリスナーだろう。1対1のコミュニケーションではなし得ない、“第三者”を介することで生まれる光景。それがこのバンドのひとつの到達点であり、インターネットと共に生きる人たちへのメッセージにも受け取れる。
普段、不満や愚痴を誰にも吐けないでいても、SNSではつぶやける。そんな“かまってちゃん”でも別にいいじゃないか。日常では出会うことのない“第三者”が声をかけてくれるかも知れない。その声は彼らが活動をつづけられたように、誰かの壊れそうな心を癒してくれる可能性だって秘めているはずだ。
この世界は、生きること、死ぬことだけが選択肢ではない。だから、このバンドはこの世にいなくちゃいけない。誰かにとって、神聖かまってちゃんが新たな選択肢になりますように。
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神聖かまってちゃん
10th Album「児童カルテ」発売中
「スーパーぴえんツアー」
3月27日(金)名古屋 CLUB UPSET
4月3日(金)梅田 Shangri-La
4月7日(火)渋谷 CLUB QUATTRO関連リンク