10月8日に控える『キングオブコント2022』。
決勝進出者に思い入れのあるコンビはいますか?と幸さんに聞いてみると、「キモい」というワードが14個も書かれた愛のあるコラムが届きました。
「キモいのに、面白い」じゃなくて「キモくて、面白い」
『キングオブコント2022』の決勝進出者が決まった。
私たちはエントリーもしてないので、プレッシャーも無く、ただただ一視聴者として純粋に楽しみだ。
吉住と岡野陽一さんのコンビ、最高の人間がユニットで初めて決勝進出を果たしたり、や団さんやクロコップさん等、何年もコントをして来て、初めて決勝進出が決まった先輩達が居たり。
面白くない訳が無い決勝戦に、今からワクワクが止まらない。
そんな中、今年の『キングオブコント』決勝戦に進出した、“いぬ”さんというコンビを知っているだろうか?
私は、いぬさんが大好きだ。
いぬなんていう可愛いコンビ名からは想像出来ない程、言葉を選ばずに表現するのなら、めっちゃキモい。
見た目は、大きめの柴犬位、小さい。
しかも、2人ともだ。
1人だけ小さかったり、2人とも大きいコンビは居るけど、2人とも柴犬サイズのコンビはあんまり居ないんじゃないだろうか。
2人の中でも小さい方、太田さんは、もじゃもじゃの髭を生やしている。
小さくて、マッチョで、もじゃ髭を生やしている。
髭が生えているからキモい、と思いきや、多分、生えてなくてもキモい。
信じられないかもしれないが、髭が生えているほうが、キモくない。
太田さんの相方、有馬さんと少し前に会った時にお祝いの言葉をかけたら
「ありがとう!何かの間違いで可愛いとかならないかな?」
と言っていた。
なる訳が無い。
なってたまるか。
国民だってそんなに馬鹿じゃない。
これだけキモいキモい言っているのは、何も見た目の事を言っている訳じゃない。
ネタが、恐ろしくキモいのだ。
「どんなネタをするのか?」と聞かれて説明するとしたら、キモいという言葉しか当てはまらない。
コントでは無いけど、“太田さんが上半身を脱ぎ、三点倒立して、その上で有馬さんがキーボードを弾く”という一芸がある。
とても真似する事が出来ない、凄い芸だ。
ただ一点、キモポイントがある。
勘の良い方ならお気付きかもしれないが、この芸、太田さんが上半身を脱ぐ意味は、無い。
なぜ上半身脱ぐのだろうか?
私は、ある日よく考えた。
太田さんが上半身を脱ぐ意味について考えるだけの、なんとも贅沢な一日を作った。
考えた末、一番しっくりくる答えは、三点倒立した時、シャツが下に捲れちゃうから。
しかし、すぐにそれは間違えだと気づく。
だって、シャツをズボンにしまえば良いんだもん。
結果、上半身を脱ぐ意味は、無い。
あの日は、非常に無駄な一日となった。
動画で観れるコントの中に、“脇に歯がついてる強い男”というのがある。
もう、これ以上の説明は無い。
太田さんの脇に歯がついている。
それを見た有馬さんは大して驚く事もなく
「脇に歯がついてんのか、関係ねえ」
そう言って喧嘩を挑むネタ。
関係ない訳が無い。
だって、脇に歯がついてるんだもん。
説明するには難しいけど、いぬさんのネタはキモくて、面白い。
キモいのに、面白い。
じゃなくて
キモくて、面白い。
キモいがあった上で、めちゃくちゃ面白い。
言葉で説明するにはとても難しいので、是非ともいぬさんのネタを生で見てほしい。