素朴なおばさんの正体は“血も涙もない毒蛇”
第2話では、第1話で顔見せ程度だった登場人物が徐々に存在感を増していった。
検事のチェ・ミョンヒ(キム・ヨジン)は、ボサボサ頭にメガネ姿でエアロビクスを踊るのが大好きな中年女性。だけど正体は、捏造も脅しも朝飯前の悪徳検事。特技は「美談を怪談にすること」と「相手が無実であろうと欠点を見つけられる」こと。
素朴でいい人そうなおばさんなのに、実はとんでもない悪党というキャラクター造形がおもしろい。演じるキム・ヨジンは『宮廷女官チャングムの誓い』や『梨泰院クラス』でもひと筋縄ではいかない女性を演じていた。チョ・イソのお母さん役と言えばわかる人もいるかも。
地検幹部のセクハラのもみ消しを頼まれて、「いつかまとめてぶっ潰してやる」と呟くミョンヒ。そんな彼女をウサン法律事務所の代表、ハン・スンヒョク(チョ・ハンチョル)がスカウトする。かくして“マフィアの寄生虫”と“血も涙もない毒蛇”が悪魔合体を果たす。
国家情報院のイタリア組織犯罪対策チームのチーム長、アン・ギソク(イム・チョルス)も動き出した。ヴィンチェンツォが入国してきたときから警戒していたが、上司に報告してもまったく相手にされない。ついに自費での捜査を決意するが……。
コミカルで哀愁あふれるチーム長だが、彼の見立てはほとんど正解という隠れた切れ者。演じるイム・チョルスは、『愛の不時着』でも哀愁があるけど職務に忠実だった保険担当者を演じていた。
バベルグループの若き総帥、チャン・ハンソ(クァク・ドンヨン)は見た目どおりの傲岸不遜な人物。しかし、研究員の不始末について、アイスホッケースタイルの謎の男に折檻される。バベルグループの真の総帥はいったい誰なのか……?
弱い人たちが最後に掴む「藁」になりたい
「自分の罪を受け入れる人もいれば、罪を犯して平然と生きている人もいる。とにかく誠実で弱い人がやられるんです」
ヴィンチェンツォとマッコリを酌み交わしながらユチャンが語る。この国では、誠実で立場の弱い人ほど痛い目に遭っていた(ほかの国のこととは思えないが)。ユチャンは弱い人を助けたい一心で、勝ち目のない裁判にも果敢に挑みつづけてきた。「藁」という風変わりな法律事務所の名前の由来を問われると、こう答えている。
「私は弁護人ではなく、彼らの藁なんです。すべてを失った人たちが、最後に掴める存在。1本の藁なんだ」
泣ける……。ふたりの姿がちょっと親子のように見えた。翌朝も仲よくもやしスープを啜っているのが微笑ましい。
しかし、バベル建設は甘くない。死者が数人出ようとおかまいなく、建物を破壊して再開発を進めるのが常套手段。取り壊しの情報を聞いて嘆き悲しむクムガ・プラザの住人たちを尻目に、なぜかインスタの「いいね」を押しつづけているヴィンチェンツォ。そして、ついに数台の重機がクムガ・プラザ目がけて出発する。
父親が心配でビルに駆けつけたチャヨンが見たものは……盛大なイタリア式ワイン・パーティー! ヴィンチェンツォが莫大な自費を投じて行った、インフルエンサーやイタリア大使たちを巻き込んだ大パーティーに、バベル建設が雇ったアント・カンパニーのならず者たちも手を出せずじまい。かくして、クムガ・プラザは(とりあえず)守られたのであった。
まだまだコミカル色が強かった第2話。しかし、これからヴィンチェンツォとバベルグループの戦いはどんどん熾烈になっていく。愛すべき登場人物たちの身に何事もありませんように……。デデン!
関連記事
-
-
天才コント師、最強ツッコミ…芸人たちが“究極の問い”に答える「理想の相方とは?」<『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』特集>
Amazon Original『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』:PR -
「みんなで歌うとは?」大西亜玖璃と林鼓子が考える『ニジガク』のテーマと、『完結編 第1章』を観て感じたこと
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
「まさか自分がその一員になるなんて」鬼頭明里と田中ちえ美が明かす『ラブライブ!シリーズ』への憧れと、ニジガク『完結編』への今の想い
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
歌い手・吉乃が“否定”したかった言葉、「主導権は私にある」と語る理由
吉乃「ODD NUMBER」「なに笑ろとんねん」:PR