Aマッソが踊り、真空ジェシカが漫才を始める。前代未聞のコンビ大喜利ライブ『AUN』を見逃すな!

文=電柱理論 撮影=日吉永遠
編集=福田 駿


コンビの大喜利力を競う大会として幕を開けた『AUN〜大喜利コンビ王決定戦〜』(主催:WLUCK/クイック・ジャパン)はただの「大喜利の」ライブではない。芸人力のぶつかり合いを見せつけられるクレイジーな場所だった。

Aマッソがコンテンポラリーダンスを披露すれば真空ジェシカが突然漫才を始める。場外乱闘で場を荒らしまくった演者たちは席に座るとキレキレの大喜利合戦で会場を爆笑の渦に包み込む。終演後、優勝した真空ジェシカ・ガクは「全部違う3つのライブに出た感じ」と漏らした。

圧倒的なボリュームで駆け抜けた2時間の激闘。これこそ大喜利ライブの新しい正解だ!

誰も経験したことのないライブが始まる

『AUN~大喜利コンビ王決定戦~』というライブを、配信で視聴しました。

このライブは、「笑いの仕事をつくるオンラインサロン」のWLUCKと雑誌『クイック・ジャパン』の主催によるもので、出される大喜利のお題への回答が「ひとりではけっしてできない」という実験的なイベントだ。

たとえば、ザ・ギースと蛙亭の対決で出された1問目は「ケンタウルスが生活する上での悩み1位と89位は?」。一般的な大喜利では89位だけが問われるが、AUNでは、1位という「ありそうなこと」と、89位という「ほぼないこと」という、ひとつのお題に対してふたつの角度が求められる。

ザ・ギースはそのお題に対して、「(高佐)1位が、車道を歩かないといけない」、「(尾関)89位が、ケンタウルスがうしろに矢の筒を背負っているんですけど、その筒の中に虫がよく入ってしまう」と、大喜利偏差値の高さからくる模範的な回答を叩き出して先制。蛙亭も「(岩倉)早く馬になりたい。人間になりたいと思われがちだが」、「(中野)交通費がもらえないことが多い」とモンスターが人間社会で生きる上での悲哀を落とし込んだ回答で追うも、経験の差がアドバンテージとなり、ザ・ギースが勝利した。

BKBの見事なMCで大会は幕を開けた

つづく2試合目の、トンツカタンと青色1号のトリオ対決は、「キレ回答・泣き回答・褒め回答」を3人がそれぞれで回答する「阿修羅大喜利」で行われた。ここで勝利したのは、演技力とチームワークの差が乗っかったトンツカタン。まさか、300年後も里田まいが生きているとは(詳細はアーカイブにて)。

見事なトリオバランスで正解を連発するトンツカタン

ここまでは真っ当な「大喜利ライブ」だったが、3試合目のAマッソ対真空ジェシカから様子がおかしくなっていく。

ライブのオープニングVTRで、Aマッソが「ウチら、『THE W』に向けて2カ月くらい行儀よくした反動、今来てるからね。禁欲の期間経て、今ヤバいからな」と加納が話していたとおり、登場するなり、「コンテンポラリーダンス」を舞い、「観客が観てるというお題に対して答えさして!」と宙に答えを書き始める。さらには、「正直言います。Aマッソは大きな間違いをしていました。これからは、見た目のお笑い!」と『THE W』にて自分たちを下したゆりやんレトリィバァのネタに引っかけ、陽気にダンスする。

コンテンポラリーダンスを舞うAマッソ加納

明らかに登場しづらくなっていたと思われた真空ジェシカは、舞台に出るなり、「Aマッソはぁ、大きな間違いをしているよぉ」と、過去の行儀よくなかったところを攻め、カウンターを決める。それからも席に座ろうとすらしない2組を見て、ライブ終演後、「あれは大喜利じゃない論争」が巻き起こってしまうように思われたが、問題が出された瞬間からは、紛うことなき直球の大喜利対決過ぎた。

重力を見失った真空ジェシカ

圧倒的な大喜利力でクールな優勝を果たす

この記事の画像(全11枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

関連記事

Aマッソと金属バット、やさしいズ、しゅーじまん…ヒラギノ游ゴの<2020年ヘビロテお笑い動画ベスト5>

『M-1グランプリ2020』2回戦のおすすめネタ7選

『ザ・ボーイズ/THE BOYS』

『ザ・ボーイズ』の脳天をぶっ叩く衝撃。あの“戸愚呂・弟”以上の絶望(トンツカタン森本)

エバース

「ウケるからやるは『M-1』では失敗する」。3位だったエバースは2026年、自分の感覚を信じる【よしもと漫才劇場10周年企画】

豪快キャプテン×ダイタク

ダイタク×豪快キャプテン、認め合うお互いの漫才の魅力「簡単そうに笑いを取る」【よしもと漫才劇場10周年企画】

三遊間×ゼロカラン

三遊間×ゼロカラン、人気投票との向き合い方の正解は?「やっぱり有名にならなあかんな」【よしもと漫才劇場10周年企画】

Furui Rihoが『Letters』で綴った“最後の希望”「どんなにつらい日々であっても、愛は忘れたくない」

Furui Rihoが『Letters』で綴った“最後の希望”「どんなにつらい日々であっても、愛は忘れたくない」

EXILE NAOTOが語る、「勝負する身体」がステージと水面で魅せる“攻めの0.1秒”。大きな影響を与えるオーディエンスのパワーとは【『SG第40回グランプリ』特別企画】

4年目の今、重荷だった「王子様」を堂々と名乗れる。Last Princeが語る、プリンスを背負う勇気と楽しさ

甲斐田晴/ローレン・イロアス/3SKMの撮り下ろし表紙を公開! VTuberのトップランナーたちを徹底解剖【春のQJ×にじさんじ祭り!】

ニューヨーク『Quick Japan』vol.181

ニューヨーク、60ページ総力特集「普通は勝てない?」を考える。バックカバーにはSHUNTO×MANATO×RYUHEI(BE:FIRST)が登場【Quick Japan vol.182コンテンツ紹介】