拝啓、クリープハイプに伝えなくちゃいけない言葉を書き留めてく 〜大ファンが夢を叶えた話〜(パーパー・ほしのディスコ)

2020.11.22

クリープハイプさんに知ってもらうきっかけ:奇跡を起こしてくれた「大丈夫Tシャツ」

2017年、『キングオブコント』の決勝に進んだ。このころ僕はほとんどテレビに出たことがなかった。そんななか、芸人として、コントをしている者として、キングオブコントは頂点である大事な番組だった。コント前に流れるコンビの紹介VTRで、自分は「大丈夫Tシャツ」を着ていた。

それを観ていた心優しき同志のクリープファンの方々がクリープハイプさんにSNSで伝えてくれるという素晴らし過ぎるパスを出してくれた。そのおかげで知ってもらうことができ、ベースの長谷川カオナシさんがツイッターで書いてくれたり、ボーカルの尾崎世界観さんがラジオで話をしてくれた。『キングオブコント』優勝と同じくらいの感動をもらった。でも、大丈夫Tシャツを着ていたのにネタ飛ばした。

最近になって、尾崎さんが関西のお笑い番組まで観るほどのお笑い好きと知ったのだが、もしあのときファンの方が伝えてくれなかったら、今の関係性にはなれていなかったと思う。本当にクリープファンの方々には感謝しています。

「大丈夫Tシャツ」でネタ合わせ中の一枚

尾崎さんと初めての対面:アルコールがただの水と化す

いきなりだった。2018年秋。マネージャーさんからいつもどおり連絡が入った。

「クリープハイプの尾崎さんのラジオに出演が決まりました」。

一瞬意味がわからなかった。メンバーの方にお会いする日が来るなんて今まで少しも考えていなかったし、想像もできなかったので、自分の感情のコントロールセンターが異常をきたして、その日から会う日まで緊張で眠れない日がつづいた。

これは身体的に危ないと察知し、万全な状態でラジオ収録を迎えられるように、マネージャーさんに収録前日は仕事を何も入れないようにしてもらった。でもあのころ、ほぼ毎日がオフのような状態だったのでおそらく、何もせずとも仕事は入らなかったはず、という悲しい推理が正常な今ならできる。

そして、収録当日。結局、前日の夜はまったく眠れなかった。オフの無駄使い。目の前にいる尾崎さんに終始緊張してしまい、お酒を飲みながらの収録だったが一切酔わなかった。味もしなくてアルコールがただの水になった。

ギターの小川幸慈さんが、入社面接中のようなガチガチに固くなっている僕をほぐそうと気遣ってくれてとても優しかった。収録後に尾崎さんから連絡先を交換しましょうと提案してくれて交換することができた。

この日、人生の中で一番やってはいけないことが、「尾崎さんの連絡先のデータを消さないこと」 になった。

アルコールが水と化した初対面時の写真

尾崎さんの連絡先を知ったものの……

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