年間100本以上のお笑いライブに足を運び、週20本以上の芸人ラジオを聴く、21歳・タレントの奥森皐月。今回は、『M-1グランプリ2025』準々決勝の結果を受けて、注目の組や今後の展開を大予想する。
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『M-1グランプリ2025』決勝まであと1カ月!
『M-1グランプリ2025』の決勝放送日まで1カ月を切り、予選大会も佳境を迎えている。

3日間にわたり134組が参戦した準々決勝では、過去のファイナリストや名だたる漫才師が敗退するという波乱の展開となった。
現時点で準決勝進出となっている30組は、すでに決勝戦か敗者復活戦に出場することが決まっている。つまり、テレビでネタを披露することが確定しているのだ。
傾向や特徴、注目の組などから、『M-1グランプリ2025』がどのような展開になるのか考えていく。
30組中13組が“非吉本”! これまでにない異例の展開に
まず、30組の中で決勝進出経験があるのは真空ジェシカ・ヨネダ2000・エバース・ヤーレンズ・ママタルト・カベポスター・ミキの7組。そして準決勝が過去最高成績なのは10組。
つまり13組は準決勝(敗者復活戦)自体が初めてで、テレビでしか『M-1』を観ていない人からすると「初見」の芸人さんとなる。これは例年に比べてかなりフレッシュな顔ぶれといえるだろう。
また、30組のうち吉本興業所属が17組、それ以外の事務所所属が13組という、これまた珍しい割合となっている。昨年はいわゆる“非吉本”が8組だったので、大幅に増えていることがわかる。
その内訳も、マセキ芸能社/人力舎/ケイダッシュステージ/サンミュージック/SMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)/ワタナベエンターテインメント/グレープカンパニー/太田プロ/タイタン/浅井企画と多様だ。
こんなにもさまざまな事務所の芸人さんが準決勝まで勝ち残ったことは、これまでになく異例。
真空ジェシカ川北(茂澄)さんが、吉本興業以外に所属している漫才師のことを「ニセ漫才師」と呼んでいるが、決勝メンバーの過半数を「ニセ漫才師」が占める可能性も出てきている。これはかなり興味深い展開だ。
準決勝進出者が『マイナビ Laughter Night』チャンピオンLIVEにも集結
先日、TBSラジオで放送されている『マイナビ Laughter Night』というネタ番組のチャンピオンLIVEが開催された。
公開収録を勝ち抜き、投票で週間1位になり、さらに月間で1位になった組だけが出場するので相当ハイレベルで、本当に実力だけで勝ち上がってきた人が集まる素晴らしい大会だ。甲乙つけ難いほど、どの組もおもしろく、今勢いのある芸人さんが集っているのを肌で感じた。
今年の『M-1』準決勝進出メンバーのうち、今夜も星が綺麗・例えば炎・イチゴ・おおぞらモード・スタミナパンの5組は、そのチャンピオンLIVEのファイナリストメンバーである。いかに『マイナビ Laughter Night』が最先端であるかを、今回の準々決勝の結果で思い知った。
もともと好きだったが、久しぶりに生で見たイチゴの迫力がすごくて、今年の『M-1』は活躍間違いなしと思っていたので準決勝進出がうれしい。
決勝の舞台でイチゴが輝いている姿は容易に想像できる。来年のバラエティでイクトさんが活躍するところまで見える。木原(優一)さんのツッコミも注目されそう。楽しみだ。
驚くべきことに、そのチャンピオンLIVEにおいて、今夜も星が綺麗・おおぞらモード・スタミナパンはコントを披露していた。
おおぞらモードはコントで優勝を収めたばかりなのに、『M-1』でもここまで見事な結果を出していてすごい。この勢いでどこまで進むのか、目が離せない。
勝ち残ってうれしい! 数少ないラストイヤー組
今回の準決勝進出メンバーの中で特にうれしかったのは、TCクラクションと黒帯の2組。TCクラクションは2021年から4年連続、黒帯にいたっては2018年から7年連続で準々決勝敗退という惜しい結果だった。
あと1歩のところで毎年準決勝に進めず「こんなに毎年おもしろいのに……」という気持ちで観ていたので、この2組が準決勝に初進出したことには胸が躍った。テレビで観られることが確定している時点で最高だ。
黒帯は今年が芸歴15年目で今年がラストイヤー。どんな結果になるのかドキドキが止まらない。
30組のうち、ラストイヤーなのはもう1組。カナメストーンだ。
カナメストーンはライブシーンでは凄まじい人気を誇るコンビで、どのライブでも目立っている印象。『M-1グランプリ』では過去4回準々決勝に進出していたが、準決勝進出は今回が初。
ふたりの世界がのびのびと繰り広げられる漫才というイメージが強く、決勝戦や敗者復活戦でどのような振る舞いをするのか想像がつかない。
「お手製の顔はめパネル」など、ライブで幾度となく観てきたくだりを『M-1』決勝で観られる可能性があると考えるとおもしろい。数少ないラストイヤー組なので注目だ。
純粋にネタがおもしろすぎる! フランツはダークホース枠!?
今回はカナメストーンだけでなく、ひつじねいり・フランツとマセキ芸能社所属が3組もいる。
ひつじねいりは昨年も敗者復活に出場しており、お笑い好きの知名度も高いが、フランツはいわゆる“ダークホース”枠だと思っている。
しかし実力は折り紙つき。結成2〜3年目のころに偶然ライブで観て、あまりのおもしろさに衝撃を受けた。『AUN〜コンビ大喜利王決定戦〜』の予選大会で2度優勝しており、ふたりとも大喜利が強いという凄まじいコンビだ。
ただ、ボケの土岐(真太郎)さんは、春とヒコーキぐんぴぃさん・ガクヅケ木田さん・サスペンダーズ古川(彰悟)さんを輩出した「キモシェアハウス」に住んでいたこともあり、どうしても“キモ”の印象がついてしまう。
いわゆる“ワーキャー”系ではないため、純粋にネタがおもしろすぎることがいつか広く世間に知られるといいな、とずっと思っていた。今回私が一番期待しているのはフランツかもしれない。
今年も「初出場組vs経験組」の構図に期待
さて、過去のファイナリストが次々と準々決勝で敗退したなかで、4年連続決勝進出中の真空ジェシカ、2年連続決勝進出中のヤーレンズは今年も勝ち残っている。過去の戦歴から、今年も優勝候補となるだろう。
ほかにも昨年4位のエバースや、過去2回決勝に進出しているカベポスター、2018年に4位を取って以来毎年惜しくも決勝に進めていなかったミキも準決勝に進出している。
お笑い賞レースでは、キャラクターやネタが知られていない状態からいきなり登場して爆発するパターンが多いが、近年はファイナリスト経験のある人がその経験を活かし優勝するケースも多い。今年も初出場組vs経験組という構図になるだろう。
史上初の2連覇という衝撃から早1年。今年の予選は例年以上に読めない展開で、決勝も例年以上におもしろい予兆がある。
11,521組というありえないエントリー数から勝ち上がった30組。そこからさらに選ばれる9組はいったい誰なのか。
仕事をがんばり、体調を整え、万全の状態で『M-1グランプリ2025』敗者復活戦・決勝戦を生放送で観られるようにしていく1カ月。寒さは増していくが、『M-1』は熱くなる一方だ。
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