「太ももから足先へのラインをきれいに見せることを意識しました」ライザや水着姿の春麗などゲームヒロインに扮したコスプレイヤーに聞いた“こだわり”

2025.11.10
(左から)ちなつさん、僕のプリンさん、ALIさん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


世界最大規模のコスプレの祭典として知られる『世界コスプレサミット』。その最新回『世界コスプレサミット2025』に参加していた、人気ゲームのキャラクターに扮したコスプレイヤーたちにインタビューを実施。それぞれの“こだわりポイント”を聞いたレポートをお届けする。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも参加する上での醍醐味のひとつ。昨今ではほぼ毎週末、全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるものの、まだ参加したことがない方に向けて、本稿では2025年夏に行われたコスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

ここでピックアップするのは、世界最大規模のコスプレの祭典として知られる『世界コスプレサミット』の最新回であり、8月1日~3日の3日間で24万7000人ものコスプレファンが集結した、『世界コスプレサミット2025』(略称:コスサミ、WCS)に参加していたコスプレイヤーたち。

今回の『コスサミ』でも、スマートフォンを中心に展開しているゲーム作品のコスプレ人気が高かったが、その一方で家庭用ゲームのヒロインに扮するレイヤーも多く、『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』のライザや、『ファイナルファンタジーVII』のティファたちが参戦。

また、昨今のeスポーツの盛り上がりを受けて、対戦格闘ゲームのキャラに扮するレイヤーも増加しており、『ストリートファイター』シリーズの春麗や『ヴァンパイア』のモリガン、『GUILTY GEAR』のイノ、『餓狼伝説』の不知火舞といったキャラクターたち(に扮したレイヤー)も続々と集結。終了時間ギリギリまで、各所で写真撮影や交流を楽しんでいる姿が見れらた。

「こちらの杖は一から手作りで用意しました。これまでに自作した武器や小道具の中では一番がんばって制作したものなので、仕上がりには満足しています。衣装に関しては、太ももから足先にかけてのラインをきれいに見せたくて、ブーツは足首の部分を縫って、脚にフィットするように工夫しました。全身にこだわりが詰まっているので、ライザになりきれていたらうれしいです」(『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』ライザリン・シュタウト[ライザ]/僕のプリンさん)

『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』ライザリン・シュタウト(ライザ)/僕のプリンさん
『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』ライザリン・シュタウト(ライザ)/僕のプリンさん

「春麗は私のアイデンティティと重なる部分が多い、非常に思い入れのあるキャラクターです。そのため、メイクやポージングに関しては日々、研究を重ねていて、彼女の魅力を的確に表現することに力を注ぎました。また、長時間の撮影でも春麗ならではのポーズを維持できるように、週に3回ほどボクシングのジムに通って体を鍛えています。そこでのトレーニングは体型維持にもつながっていて、コスプレ活動の大きな支えになっています」(『ストリートファイター』シリーズ:春麗/ちなつさん)

『ストリートファイター』シリーズ:春麗/ちなつさん
『ストリートファイター』シリーズ:春麗/ちなつさん

「今回に限らず、コスプレをするときはいつも、二次元のキャラクターが現実に現れたかのような表現を心がけて実践しています。こちらの衣装はオーダーメイドで制作していただいたもので、特にシルエットをきれいに見せることや、頭と腰の翼の質感にはこだわりました。モリガンはサキュバスのキャラクターであり、対峙した相手を魅了する妖艶な佇まいが最大の特徴なので、少しでもそういった部分が伝わればいいなと思い、表情の作り方やポージングも研究してきました」(『ヴァンパイア』シリーズ:モリガン・アーンスランド/ALIさん)

『ヴァンパイア』シリーズ:モリガン・アーンスランド/ALIさん
『ヴァンパイア』シリーズ:モリガン・アーンスランド/ALIさん

「衣装とギターは自作で用意したもので、衣装に関しては質感とシルエットの再現にこだわりました。帽子はつばの広さや高さ、折れ曲がる位置などを忠実に再現したかったので、何度も作り直して、ようやく納得のいく形に仕上がったのがこちらです。それと武器であるギターは、実在する有名なギターがモデルになっているので、よりリアルな造形になるように本物のギターの部品や弦を使って作り上げました」(『GUILTY GEAR』シリーズ:イノ/mirioさん)

『GUILTY GEAR』シリーズ:イノ/mirioさん
『GUILTY GEAR』シリーズ:イノ/mirioさん

「スカート、手袋、肩のベルト、肘あてなどは、一から手作りで用意したものです。私自身とキャラクターの身長には差があるので、着たときにぴったりのサイズになるように、スカートの長さや広がり方を調整したところがこだわりです。また、ウィッグも理想の長さ&色味になるように、今回のイベントに合わせて新調しました。動きに応じて揺れ動くけど、長すぎず、重たい見た目にならない……という点にこだわって制作したもので、仕上がりには満足しています。多くの方が暑いなか、撮影してくださったり声をかけてくださったので、とてもうれしかったです!」(『ファイナルファンタジーVII』ティファ・ロックハート/こまちさん)

『ファイナルファンタジーVII』ティファ・ロックハート/こまちさん
『ファイナルファンタジーVII』ティファ・ロックハート/こまちさん

「ウィッグ制作をがんばりました。メイクにもこだわって、舞らしさを表現できたかなと思っています」(『餓狼伝説』シリーズ:不知火舞/ぱんなさん)

『餓狼伝説』シリーズ:不知火舞/ぱんなさん
『餓狼伝説』シリーズ:不知火舞/ぱんなさん

QJWebでは今後も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、レポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

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ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..