HANA、初ファンミでつかんだ揺るがぬ“Yes”。CHIKA「あなたのために歌い続けるから、みなさんが抱えてるつらいことを私たちにぶつけてください」

BMSGとちゃんみながタッグを組んだガールズグループオーディション『No No Girls』で誕生した7人組ダンス&ボーカルグループ「HANA(ハナ)」。
「HANA」は社会現象となり、2025年1月に「Drop」でプレデビューを飾って以降、華々しい記録を次々と打ち立て、快進撃を続けている。そんなHANAの初のファンミーティングツアーであるHANA 1st FANMEETING『HANA with HONEYs』(※編注:「HONEYs」はHANAのファンネーム)が、2025年8月、全国4都市11公演で開催された。
ここでは、8月20日に神奈川・ぴあアリーナMMで行われた最終公演の模様をレポートする。
目次
幕開けは新たな「Tiger」
オープニングはHANAのメンバーそれぞれが『No No Girls』時代の自分たちを振り返る映像でスタート。その後、ステージにCHIKA、NAOKO、JISOO、YURI、MOMOKA、KOHARU、MAHINAの7人のシルエットが現れた。
大歓声の中、NAOKOが<吠えろ Tiger baby I>とアカペラで「Tiger」の一節を歌い出した。いきなり歌唱力だけで約1万2000人のHONEYsを掌握。しかも、流麗なピアノが際立った新たなアレンジの「Tiger」だ。

そして、YURIが「HONEYs、手を上げて! ラスト、盛り上がれますかー!」と声を上げ、「HA~NA!」という恒例のかけ声から「Drop」へ。イントロでKOHARUが「HONEYs、歌えるよな!?」とアジテート。7人それぞれの歌、ラップ、ダンスの進化を感じつつ、存在感が凄まじいことになっている。
フェスやちゃんみなのツアーなど、これまでに何度もHANAのライブは観ているが、それらのライブは自己紹介的な全方位への気配りと、「かましてやろう」という「前に前に」という想いを強く感じた。
しかし、360度HONEYsしかいない空間においてのHANAは、自らを支えてくれているHONEYsに愛を返そうという想いのもと、どっしりと地に足をつけて愛を放出し、音楽の力を何倍も増大させるという、また違った佇まいだ。
花道を歩いてセンターステージに到着。炎が上がる中での「Burning Flower」へ。MAHINAのラップに続いて「聞こえない~!」と「くだらな~い!」というHONEYsのかけ声が飛ぶ。圧巻のパフォーマンスにアリーナが小さく感じるのだから末恐ろしい。

リメイク衣装に宿る“30人の想い”
「最終日にして熱が最高潮ですね!」とKOHARUが口にしたあと、トークコーナーへ。7人が着ている衣装は、『No No Girls THE FINAL』で3次審査まで進んだ候補者30人の衣装をリメイクしたものだという。NAOKOのたくさんの缶バッジやYURIのバンダナなど、それぞれのリクエストが織り込まれているのだそう。
KOHARUは「『No No Girls』全員の意志を込めてここに立ってます」と胸を張った。『No No Girls』の候補者はライバルでなく、お互いを高め合う同志であり、それは今でも変わらない。
そして、ビジョンにBMSGのダンススタジオが映り、このあと披露するユニットパフォーマンスのためのチーム決めをするという。MOMOKAがホワイトボードにあみだくじを書いていく。ひとりずつ名前を書くだけで爆笑の連続。A・B・Cそれぞれのチームのメンバーが決まり、声を上げながらスタジオ内をぐるぐる回ってチームごとに固まるという楽しく自由な7人。「こんなに盛り上がるなんて思ってなかった!」とMAHINAが興奮する姿などが流れ、ほっこりしたムードがぴあアリーナMMに漂った。
JISOO&MAHINA、息ぴったりのステージ
Aチームは、JISOOとMAHINA。JISOOがスタンドマイクでB.o.B「Nothin’ On You(feat. Bruno Mars)」を歌い始めると、MAHINAが登場し、JISOOに笑顔で寄り添ってラップを披露。弾むようなリズムを刻むふたりの歌とラップがものすごく曲に映えている。英語の発音も見事だった。
ふたりが寄り添って自撮りをする映像がビジョンに流れると、JISOOが「『HANA with HONEYs』は今日で最後だけど、私たちは今からだから素敵な思い出たくさん作ろうね!」と呼びかけた。そして、JISOOとMAHINAは「HONEYs、ずっとそばにいてね」という手書きのメッセージボードを掲げた。


NAOKO&YURIが紡ぐ、極上のR&B
Bチームは、NAOKOとYURI。ふたりとも好きなR&Bで、歌がメインの曲にするという方針を決め、選曲へ。
NAOKOが好きな紫色の、サブステージに置かれたソファに座るふたりの姿が目に入った。数日前、HANAも出演した『SUMMER SONIC 2025』でヘッドライナーを務めたアリシア・キーズの「If I Ain’t Got You」を歌い出す。YURIのハスキーな歌声とNAOKOの透明感あふれる歌が重なり、まさに溶けそうな心地よさ。極上の余韻が広がった。


CHIKA&KOHARU&MOMOKA、三者三様の爆発力
Cチームは、CHIKAとKOHARUとMOMOKA。テーマは「ぶちかます」だという。
場内にエンジン音が響く。披露された曲は、Little Mix「Power ft. Stormzy」だ。メインステージに仁王立ちする3人。繰り出されたCHIKAのパワフルな歌声、MOMOKAのコケティッシュ味のあるラップ。そして、楽しそうに歌うKOHARUの手をMOMOKAが引き、3人で階段を下りる。
MOMOKAが力こぶを見せるポーズを決めながら<I got the power>とスピットすると、地響きのような歓声にぴあアリーナMMが包まれた。オリジナルの振りを踊りながら、三者三様のポーズと表情で締めくくった。
3曲とも音楽への愛と原曲へのリスペクト、7人の新たなポテンシャルも見られて最高だった。今後、何度でも観たいと思わせられるカバー企画だった。



爆笑と熱狂のQ&A&ゲームコーナー
お互いのカバーを絶賛したあとはトークパートへ。。
「Q&A」、「ライブに一番関係ないものを持ってきてもらう選手権」、「ジェスチャーゲーム」とそれぞれ大いに盛り上がったトークパート。筆者の隣に座っていたおそらく初めてHANAのライブを観たであろうオーディエンスは、思わず「ギャップがあるね」と口にしていた。まさしく、尋常じゃなくパワフルでハイクオリティのパフォーマンスから一転して、普段は親しみやすくてユーモラスなのもまたHANAの魅力だ。
HONEYsの“声”を導いた「NG」「Blue Jeans」
「生まれ持った顔ポーカー」という『No No Girls』の5次審査の課題曲「NG」にYURIがつけたリリックのコール&レスポンスから、「NG」パフォーマンスへ。
KOHARUが「心に!」と言ってマイクを差し出すと「太陽!」、YURIの「お口が」と言うと「達者!」というふうに、HONEYsとのコール&レスポンスはすでにあうんの呼吸の域。
「次の曲は夏を涼しくしてくれる曲です。HONEYsの声、よかったら聞かせてください!」とNAOKOが言うと、涼し気なイントロが聴こえてきた。
音楽シーンを席巻中の最新曲「Blue Jeans」だ。HANAは楽曲に水を注いで新たな花を咲かせるかのように、ライブごとにその日のバイブスで歌をアレンジする。また、このときだけの「Blue Jeans」が育っていった。CHIKAが「みんな歌って!」と呼びかけると、<Blue jeans 古いスニーカー>というHONEYsの歌が響き渡った。

そして、「ちゃんみなさんやSKY-HIさん、そのほかのスタッフの方々とずっと一緒にいられたら、HANAはどこまでも行けるんじゃないかと思ってしまうくらい、いつも支えてくださっています。ちゃんみなさんがいなかったら、私たちも生まれていません。目指すべき背中がいつも近くにあることはすごく幸せなことだし、ありがたいことだと毎日身に染みて感じています」と話し、言葉を詰まらせるYURI。
涙をこらえ、「ちゃんみなさんに伝えたいのは、“私たちを見つけてくれてありがとう”ということと、“光になってくれてありがとう”ということ、“生きてくれてありがとう”ということです」と続けた。
このあと、7人はひとりずつHONEYsへメッセージを送った。
「ROSE」とともに、未来へ続く“YES”
<醜い世界でも/咲いた 花 泥だらけでも/I can’t hide no more/with my beautiful thorns>。HANAがメジャーデビュー曲「ROSE」で掲げたステートメントは、多く人に光を届けた。CHIKAは曲中、「みなさんが抱えてるつらいもの、苦しいものを全部私たちにぶつけてください! 私たちは絶対にあきらめない! あなたのために歌い続けるから、みんな一緒に歌って!」と叫んだ。この先もHANAは我々の光となってくれることだろう。そう確信させられる何ひとつ嘘のないステージだった。

この上ない充足感が漂うなか、CHIKAが「私たちから重大な発表があります!」と言うと、初のホールツアーが開催されることがビジョンに映し出された。
「みんながいてくれて本当にうれしいです!」とKOHARUが言うと、7人は並んで肩を組んだ。手をつないでマイクを通さず「みなさん、本日は本当に本当にありがとうございました!」とあいさつすると、カラフルなテープが宙を舞った。7人は長い間ステージに留まり、「ありがとう!」「大好きだよ!」とHONEYsに感謝を伝えながら手を振り続けていた。

『No No Girls』を通して、これまで突きつけられてきたさまざまな「No」を「Yes」に変えた7人。初のファンミーティングでファンから目いっぱいの愛を浴びたことで、自らに対する「Yes」はより強固なものになっただろう。だからこそ、さらに多くのHONEYsと再会できる初のホールツアーの発表に感極まった7人の姿があった。ホールツアーでは、さらに大輪の花を咲かせるに違いない。

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