『賞レースづくしの夏』【Aマッソむらきゃみのグルメ連載「今月のスープ」#19】


「ちょっとよかったあの日」の記憶を唯一無二の筆致で描くAマッソむらきゃみによるファンタスチックな回顧エッセイ。第19回となる今回は、今年初めて挑んだ数々の“賞レース”の記憶を。漫才とコントの新大会『ダブルインパクト』、忍者コスプレで駆け抜けた富里スイカマラソン、さらにはカタン日本選手権の予選まで。笑いも後悔も学びもひっくるめて、むらきゃみ流“初体験の舞台”を描き出す。

Aマッソむらきゃみ「今月のスープ」記事一覧

今月のスープは「ミネストローネ」

【材料】
・キャベツ…1/6キャベ
・玉ねぎ…半玉
・にんじん…半じん
・ジャガイモ…1男爵
・さつまいも…半ベニサツマ
・なす…1ぴょん
・ソーセージ…4ちん
・(A)水…400ml
・(A)トマトジュース…300ml
・(A)コンソメ…大さじ1
・オリーブオイル…大さじ1
・ニンニク…1カケラ
・塩コショウ…老若男女に愛される量
・パセリ…散り行く花のように

【作り方】
①野菜withソーセージを食べやすい大きさに切ります!
②鍋にオリーブオイルをお入り〜のして中火で熱してニンニクと玉ねぎを入れて炒める。
③玉ねぎがしんなりしたら、残りの野菜とソーセージを入れて炒める。全体に油が馴染んだら(A)を入れて弱火で10分煮るん♪
④全体的に火が通ったら塩コショウで味を整える。
⑤器に盛りぃ、パセリィを散らして完成!           

ミネストローネはイタリアの代表的なスープ。
イタリア語で「ごちゃ混ぜ」という意味です。
野菜たっぷりで食物繊維が腸内環境を整えてくれてダイエット効果があります。嬉しいね。
冬はあったかく、夏は冷製スープとして楽しめますよ。
うちは今年初めて出る賞レースをたっぷり楽しんでますよ。

むらきゃみの賞レース記①-ヒュイゴーから写輪眼まで-

今年から開催された漫才とコントをやる大会ダブルインパクト。
初代王者はニッポンの社長に決まった。
Aマッソも参加したが準々決勝で敗退してしまった。
久々の賞レースに緊張し刺激をもらった。
準々決勝のネタ順が一つ前がEXITで、
漫才の「もうええわ」代わりの「お後がヒュイゴー」が聞けてこの大会に出て良かったと思えた。

数年前から後輩のモチダ・ポ・ソフィと出よう!出ようと目論んでいたが
コロナの影響で中止になり今年やっと初めて出れることになった【富里スイカロードレース】。
通称スイカマラソン。

富里市はスイカの名産地。
給水所が給スイカ所になってまして、
スイカを補給できるマラソンなのです。

ナイスコスチューム賞ってのがあるとホームページに載っていたのでいっちょ噛みさしてもらいますよと。
忍者になれば速く走れそうという発想で
「忍たま乱太郎」「NARUTO」「忍者ハットリくん」
が候補にでた。
「忍者ハットリくん」はただの忍者すぎると即却下になった。
モチダが「わっしナルトがいいですぅー!!!」(一人称「わっし」)
と興奮なさってたところを冷静に
「うちは忍たまがええけどな〜」(一人称「うち」)
わっしとうちのIKENNOKUICHIGAI⚡︎

ラジオでもコスチューム候補を募集し、
「ひょっこりはん」「スギちゃん」「サンシャイン池崎」「オラキオ」
とできるだけ軽装なコスプレ候補が出揃ったが
ディスカッションにデスカッションを重ねた結果、
モチダのナルトになりたい欲に押され、
コスチュームはモチダがナルト、うちがサスケに決定した。

そんなことより7キロ走る練習しないと!初めて皇居RUNをする。
夜、ビル群の光が池に映って眩い。
めっちゃいい感じと思いつつも
{都会で排気ガスとか多いから黒い鼻くそ出てきそう}
なんて思ったりしながら走っていた。
結局皇居はそれっきし走らなかった。
さらにうちは本番までに7キロ走ることなく出場することになる。怠惰。

当日の朝は雨天決行やけどこの降水量は決行?
と思わすような雨嵐で長靴で会場に向かうが会場付近に到着した頃には小雨になり、走る頃には止んだ。
初めて言いますが、うちは晴れ女の自負がある。

雨上がりの水たまりにキラリと映る太陽に照らされながらナルトとサスケが登場!
初めてのコスプレは鼻血が出るほど恥ずかしくて、
モチダに「1秒たりともうちから離れないで!」と懇願した。


いざ、スタートするとナルトは人気で
「ナルト〜かんばれ〜」と声援が贈られる。
モチダはナルトになりきっていたので
「影分身の術!!シュ!!」と術を繰り出していた。

一方サスケは誰からも声援がもらえず
こんなに知名度が違うのかと悔しさを知った。
プライドを捨てて「ナルト〜がんばれ〜」の声援の時に
ナルトよりも大きい声で「ありがとうございます!頑張ります!」と返したり
「写輪眼!」「千鳥!」と覚えたての技を繰り出してみた。

目立つことで「サスケだ〜!!」なんて顔をさしてくれるだろうと期待していたのに
「誰?」「なんのキャラ?」「何をされてる方なの?」
とアッコさんが出てくるほどの知名度の低さに引いた。


最初のコスチューム案で「オソロにしたいな〜」って言うてたのに
ナルトにするならうちはサスケにするってなんで言うてもーたんや、
なんでWナルトにしなかったんだと走りながら後悔し始める。
その後悔が右横腹の痛みになって、
7キロ走る練習もしてなかったからなぁとまた後悔。
その後悔が足の痛みに変わりもう棄権してやろうかと思っていたら、
シンプルおじさんランナーが「写真いいですか?」と声をかけてきた。
ナルトが「もちろんだってばよ!」
「サスケもいいですか?」とサスケに気づいてくれた!
サスケの口調知らんから咄嗟に「ふん、よかろう」と雰囲気で返事していた。
内心は{かまへん!かまへん!なんぼでも撮ってや〜!おおきにやで〜!}と言いたかった。
そこからお腹の痛みも、足の痛みも無くなり、ゾーンに入り7キロ完走できた。

見事、コスチューム賞には選ばれなかったが、
いつ何時も“エンターテイナーであれ”ということを改めて学んだ。
スイカをかじりながら来年は不動の人気キャラクターになりきってワーキャー!をかっさらう!と心に誓う。

むらきゃみの賞レース記②-母性と無表情と全敗と-

うちの初めての賞レースは続く。
カタン日本選手権の予選に参加。
こんなにボードゲームにハマるとは思ってなかった。
そして大会に出るなんてね!
カタンはドイツ発祥のボードゲームで世界三代ボードゲームの一つだドン!

まいあんつ(左)/Dr.ヘラクレス しんじ(右)

事務所の後輩まいあんつと元バオバブ現Dr.ヘラクレスのしんじと一緒に参加。
「受付が終わった人から空いてる席に座ってください」
とアナウンスがあったので空いていた4人掛けテーブルに着席する。
近くのテーブルにカタンの帽子にカタンのTシャツを着た白髪ヒゲもじゃジジイがいて、みんなで
「うわ!見て!カタンジジイおる!(ヒソヒソ)」
「ほんまや我の名はカタンとか言いそう(ヒソヒソ)」
「伝説のカタンジジイと名付けましょ(ヒソヒソ)」
「ギャハハハハ(大笑い)」
と名物ジジイを見つけて大盛り上がりしていたら
「まだ始まってねぇのかよ」
と根頭見(ねずみ)ペケペケみたいな40代男性がうちらのテーブルにやってきた。

着席と同時にサンドイッチを2口で食べ、
リュックからもうひとつサンドイッチを取り出して、
また2口で食べた。
しかも両方たまごサンドだった。
{何?怖い!!洗礼?}
うちは訝しい表情を浮かべてビビっていると、
190cmの大男しんじは睨みを利かせて威嚇する。
しかし、それを制してべらぼうコミュ力おばけまいあんつ
「何度も出られているんですか?(元保育士の優しい笑顔)」
とペケペケに話しかける!
するとペケペケは「はぁ、まあぁ」
と歯クソを飛ばしながら答え、ニヤついた。
コミュ力おばけは「私たち初めて出るんですよ〜色々教えてください!」
そこからペケペケは鼻の下を伸ばしながらゲゲゲと大会の概要や戦術などを教えてくてた。

会場のネット環境が終わっていて対戦の振り分けが出来ず、
試合開始時刻が1時間半押したがペケペケのレクチャーがあったのでそこまで長く感じなかった。
(今思うと押しすぎ!運営がんばれ!)
ネット環境が改善され、それぞれの対戦テーブルに移動する。

配属されたテーブルに行くとすでに男性が3人座っていた。
カタンを作ったクラウス・トイバーは
「また明日あなたと遊びたい」と思うようなプレイで遊んでほしいと言っていたと説明の時に聞いたのでまず挨拶が大事だろうと思い「ちゃお〜!よろしくお願いします〜!」と舞台で出すくらいの声量で挨拶するとみんなに軽会釈されてなんだかシラけた。
カタンデ失敗。
一旦、女は三歩下がりますスタンスをとる。
いずれネットワークビジネスに手を出しそうな大学生が
「みなさんは初参加ですか?(マルチ商法〜?)」
とみんなに質問をしてくれたのでうちとボードゲームサークルに入ってる大学1年生は「はじめてです。」と答えた。
「ぼぼぼぼ僕はきょ、去年出ました!」とチェリっチェリのチェリ坊が顔を赤らめて答えていた。
「おお〜!(カタンの大会は)経験者なんですね〜」
とみんなで小さく拍手をした。

なんだかみんな年下ですごく母性が湧いてきてゲームが始まり資源の交換の交渉をするのですが、
チェリ坊に「き、木とてて、鉄を交換してください!」なんてふがふがされた日にゃ〜
「いいよ〜今回特別やで〜」と資源を交換しまくっていたら、早々にチェリ坊が逝き果てた(勝利)。

二戦目は母性は閉じ込めて、岡田紗佳が麻雀をしてる時のような
無表情だが美しく、静かなる力強さがある感じを醸して挑む。
負ける。

三戦目は「うち芸人やで!」とかまして、負ける。

四戦目は疲れていてボーっとしてたらきな臭い勝ち方で終わる。
カタンは交渉術が上手い人の方が勝率が高い。
気分でコミュニケーションの仕方を変えるのはダメだ。
自分らしさを貫くことが大事だ!と学ぶ。

全敗だったが対戦相手ほぼ全員とインスタを交換したまいあんつのコミニケーション能力には頭が上がらない。
「また明日もあなたとに遊びたい」って思われる人になるように精進します。

一旦、今年の賞レースはこれにて終了になりそうです。

「やい!やい!KOC、M-1でろや!」それはお口ミッフィーで( ・×・)

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むらきゃみ(Aマッソ)

1988年生まれ。大阪府出身。Aマッソのボケ、ツッコミおよびグルメ担当。2024年2月21日に「村上」から「むらきゃみ」に改名。

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