ExWHYZ・mikinaが降りたことのない地を訪れ、散歩をしながら自分と向き合う連載「未開拓駅さんぽ~初めての街で考える~」。今回はJRと京王電鉄・井の頭線が通る「吉祥寺駅」で下車。
よく訪れる街だが、この日は自身がモデルを務めた振袖の広告を目的として散歩。その中で、すべて思いどおりにいくわけじゃない、自分の行動と向き合う。
母に見せたかった振袖姿
ちょと遅めだけど、皆様明けましておめでとう。
新年は寒くて水で手を洗うたび、冷たくて痛くなって両手を固く握りしめてる。
のに、
春の匂いはする、新春の名を感じるや。
花粉症の友達はもう鼻がくすぐったいんだと。春の匂いは花粉の匂いなのかな?
歌詞でたまに見る「くすぐる春の香り」って、花粉が鼻をくすぐってるってことなのかね〜。
それと春のそわそわが合わさって、心も鼻もくすぐったい春ってことなのかね〜。
そんな新年早々に振袖のモデルをさせていただきました。
前撮り以来、振袖を着た。
当時、式はいろんな理由で行けず、当日の振袖も着られずで半ば夢の話みたいにお仕事で着られたらな〜と過ごしてきたけど。
叶ってうれしかった!
すぐ母に連絡したのだ。喜ばせたいとかそんなんじゃなくて、ずっとこの姿を見せたかったみたいだ。
この日は成人を迎える人もそのまわりの人々もきっと、ああ人生ってじんわり。となる日な気がして、そんな特別な日に携われてうれしかった。
そんなうれしいお仕事のポスターが実際の店舗に飾られると聞いて、事実を噛み締めたくなってしまい……
……見に行っちゃうことにした。
まるでお嬢なやめたい行動
南口を出てすぐのマルイへ。
すぐ店舗に行く予定だったけど、ドキドキして意味なく途中のお店でチョコを買う。
店舗に着くも、少し遠くからチラ見する不審な動きをしてしまう。
そんな私に話しかけてくれた優しい店員さんにパンフレットを指差しながら「実は……これ私で……」と照れて言う始末で、想像ではカッコよく去るつもりだったのに。
だったのにね。
結局肝心のポスターは別の場所に飾られていて、手元にチョコ、店員さんの記憶に「実際会うと不審なご本人」を無駄に残してしまったのだった。
実は吉祥寺には、ここに行くっていう理由だけでも駅を降りてたくらいの好きな古着屋さんがある。
今日は着てたコートがなんか気に食わないから、今すぐ着替えたくて、なんならそこで買っちゃうことにした。まるでお嬢。新年の浮かれじゃなきゃできない大それたこと。
今年はそんな準備バッチリで出かけたら起こるはずない!みたいな、マイペースが先のマイペースを阻害するようなことやめたいのに。
新年一発目の、ピッカーーン!
最近気づいてしまった。マイペースがマイペースを崩すという危険と同時にひとつの希望。
マイペースは「だいたいの生活が苦手な人」だと思っていたが、自分の乗りこなし次第ではこのペースを崩さずに、「生活楽ちん人」にもなれるんじゃ……?ということを。
もしや、マイペースには無理だろうが、いつか丁寧に生きたいぜ〜という願望も、思ってるより夢じゃない……? ここで脳内ではとっても都合のよい丁寧な生活への解釈が始まった。
たとえば、土鍋でご飯を炊いたり、陽の当たる窓辺で本を読んだりすることが丁寧な生活そのものではなく、それらで得た体や心で生きた結果が丁寧な生活。
というわけで、土鍋でお米を炊くどころか、無洗米を快速モードで炊き、ご飯をしっかり食べた結果が私にとっての丁寧な生活。本に憧れはあるけど、ただ陽を浴びることが大好き。それだけでご機嫌。だからそれこそが、丁寧な生活。
自分は思ってるより自分だけの構造でできていて、マジもんの自分だけのものなのかー。そのたったひとつを大事にして、堂々として、めちゃくちゃ寄り添えばいいのか。
新年一発目の、ピッカーーン!である。
こんなことを思いついた自分にまた、今さら気づいて……青い……と思って、や、でもこれも自分の構造。と思い直す。
気づいたばかりで不慣れなことが多いだろうけど、いつか無敵のマイペースになるかな。
そんなふうにこれからもやっていければいいかな。