韓国人男性がモテる理由?結婚して感じた彼の異常な優しさと日本人が意外と言ってくれない言葉

本日は晴天なり

ピン芸人・本日は晴天なりによる連載「バツイチアラフォーの幸せだけじゃない日常」

2022年の年末に結婚した本日は晴天なり。パートナーは韓国人のため、最初は文化の違いに驚くこともあったというが、結婚生活も1年以上が経過した現在は、韓国人ならでは?と思う魅力を感じることがたびたびあるという。

意外と言えない?「ありがとう」「ごめんね」

日本が好きな韓国人の旦那は「やっぱ日本すごいわ」が口癖で、最近はかねてから憧れていた着物を中古で買ってきてパジャマの上から羽織り、大正時代の文豪みたいな出で立ちで浮かれている。

彼と結婚したことをコラムに書いた際は、ヤフコメで離婚してすぐ年下の韓国人に乗り換えた尻軽女扱いをされ、「いつ別れるか賭けようぜ!」なんてコメントもあったが、1年経っても私は異常なほど愛されている。

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まず、「ありがとう」の回数がとにかく多い。

エレベーターのボタンを押すだけで「ありがとう」。麦茶を注いでくれて「ありがとう」。話を聞いてくれて「ありがとう」。そばにいてくれて「ありがとう」。

旦那はサラリーマンなので平日は私がお弁当を作っているのだが、もともと料理が得意ではないので、ご飯に具材を並べるだけのビビンバを毎日作っている。「作っている」というか、「詰めている」というべきだろう。

2週間に1回くらい冷凍ハンバーグなどを入れることもあるが、基本的には毎日ビビンバ。それでも毎日「いただきます!」「おいしい!」「ありがとう!」とLINEが来る。

「ごめんね」の回数も多い。

私が体調不良で苦しんでると、彼はなぜか謝ってくる。なぜ謝るのか聞くと「苦しみを分け合えなくてごめん」と言うのだ。私は「分け合えなくてごめん」はおろか「大丈夫?」すら言えず、「うつさないでね」と言ってしまうような薄情者だったので、その考え方は目から鱗だった。

そのため、私が何か理不尽なことで責めても必ず彼が謝ってくる。この人すぐ謝ってくるからケンカにならない!と、これまた目から鱗だったが、それに慣れてくると、「なんで謝ってるの!? 何に対して謝ってるの!? 本当に悪いと思ってるの!?」と、降伏してるのにもかかわらず、責め続けてしまう。

母から若いころ、父とケンカした際に謝ったら「本気で思ってる!? 何に対して謝ってる!?」と詰められて困ったと聞いたことがあったが、モラハラ言動はまんまと私に遺伝していた。

しかし、だんだんと彼に影響を受け、私も些細なことでも「ありがとう」と「ごめんね」を言うようになった。

どんな自分も肯定してくれる

彼は絶対に私の見た目を否定するような発言をしない。私は自分の容姿を中の下もしくは下の上くらいと認識して生きてきたが、旦那は私に「かわいい」しか言わない。何を着ても、どんなメイクをしても、寝起きでも、絶対に否定しない。

おかげで出会ってから8キロも太ったことに気がつけなかった。

さらに、ほかの女性を褒めたりもしない。テレビを観ていて、「この女優さんかわいいよね~」と話しても、「ヌナ(男性が実の姉や親しい年上のお姉さんに使う呼び名のような韓国語)のほうがかわいいよ」と言ってくる。「この中だったら誰が一番かわいい?」と尋ねても、「ん~ヌナが一番かな」と言う。

しかし、この全肯定ムーブには贅沢な悩み事もある。

「この服どう? 変じゃない? こっちのほうがいいかな?!」
「どっちもすごくかわいいよ」
「じゃあ、どっちが似合ってる?!」
「どっちもすごく似合ってるよ!」
「ちゃんと考えてよ!!」
「ちゃんと考えてもどっちも本当にかわいいから……」

本気で選びたいのにまったく参考にならない。

あまりにも「かわいい、かわいい」と言われるので自分でもだんだん本当にかわいいのかもと思い込み始めるが、改めて鏡を見て「ねえ、ブスじゃん! 嘘つき!」と、現実に引き戻されることもよくある。

カメラが趣味の旦那は、私が寝起きでもすっぴんでも「かわいい!」と言いながらバシャバシャ写真を撮る。そのため、家にはパジャマですっぴんのどうでもいい私の写真が大量に現像されていて私からしたら完全にゴミだが、旦那にとっては大切なコレクションらしい。

全肯定は見た目だけではない。

先ほども言ったが、私は自分で作ったおにぎりがまずすぎて吐いたことがあるほど、料理が苦手だ。最近はレシピを見ながらなんとかこなしているが、相変わらず失敗は多い。

本日は晴天なり
筆者が作ったオムライス
本日は晴天なり
筆者が作ったチヂミ

しかし、彼は私の料理を否定しない。

「味濃くなっちゃった」→「白飯が進むね!」
「味薄いかも」→「これくらいがちょうどいいよ!」
「冷めちゃったかも」→「冷めてもおいしいなんてすごい!」
「おかず少ないかも」→「ダイエットしてるし!」
「これ変な味しない?」→「そう? 俺は好きだけど?」

絶対に文句を言わないし、毎回「おいしい! 幸せ!」と言って食べてくれる。どうしても好みの味じゃないときは、「俺の舌がおかしいから、ちょっと辛くするね!」などと、けっして私の味つけのせいにはしない。料理嫌いの私でもこんなふうに喜んでもらえたらやる気が湧いてくる。

そんな旦那に言われた今までで一番辛辣な言葉は「関与しないでほしい」だ。焼肉をしているとき、私もトングを持って適当にひっくり返していたら言われた。「俺に」ではなく「肉に」関与しないでほしいという意味だった。

愛されすぎているがゆえの束縛

毎晩、お風呂上がりに頭皮マッサージをしてくれたり、ボディクリームを塗ってくれたり、サプリを飲もうとしたら遠くにいても水を持ってきてくれたり、総じて優しさのかたまり。完全にノロケで申し訳ないが、人生で親以外にこんなに優しく大切にされたことはない。

韓国人男性は優しいと聞いたことがあるが、私の旦那もそうだ。しかし、そのぶん「束縛」も激しいらしく、私の旦那もその「あるある」にけっこう当てはまっていると思う。

彼はよく私に対して「ネッコヤ!」と言う。これは韓国語で「私のもの!」という言葉で、独占欲の高さを感じる。旦那は基本的に、私を家から出したくないそうだ。もちろん、優しさのかたまりなので強制はされないが、出会って間もないころは温厚なDV男なのでは?とか、数年後には豹変して監禁されるのでは?と思わせるような危険さも感じた。

私がバイトをしたくても旦那は「しなくていいんじゃない?」と言う。芸人仲間には「バイトもせずに養ってもらえるなんて最高じゃん!」とか言われるが、これは「バイトしないでずっと家にいて」の意味だ。

とはいえ、家大好き人間で引きこもりがちな私なので、運よく旦那の思惑どおりになっている。だけど、たまのお笑いライブや推しのライブなどで出かけると、なぜか自分も家に帰らず居酒屋などで飲みながら待っている。そうなるとだいたいベロンベロンに酔っ払ってやらかすことが多いので禁止にした。

家で待つ旦那は、私が帰ると「会いたかったよヌナ~!」と飛びついてくる。2時間程度の外出でも毎度同じリアクション。

泊まりの仕事があったときはなんと同じホテルを自分で予約してついてきた。さすがにこれはストーカーさながらの行為だが、私も旦那の言動に毒されているので、むしろうれしいと思っていた。バカップルならぬバカ夫婦はこうして誕生していくのかもしれない。

もちろん、韓国人男性全員が優しくて束縛が激しいわけじゃないだろう。あくまで、これは私の旦那の場合だ。

かわいすぎる「はちゅおん」

韓国語には日本語「つ」に当たる発音がないため、「はつおん」は「はちゅおん」になる。

よくものまねをされているチャン・ドンゴンの「あなたのことがちゅきだからー!」というセリフも実は「好きだから」はちゃんと言えていて、そのあとの「いつまでも」が「いちゅまでも」になっている。

旦那は日本語がかなりうまいほうで「つ」の発音も難なくできるのだが、家などリラックスした空間では油断していると、「ちゅかれた(疲れた)」や「あちゅあちゅだね(熱々だね)」などと言い出す。直してほしくないので、私はニコニコしながらそれを黙って聞いている。

結婚してどんどん幸せ太りしてる彼は、端から見たらどこにでもいるただの成人男性、いやむしろこの春で35歳になる立派なおじさんだ。でも、「このうどん、あちゅあちゅだねぇ」とか言われたら、もう器をひっくり返して抱きしめたくなるほど、私にとってはかわいいのである。

K-POPアイドルにハマる日本人女性が多いが、容姿端麗のムキムキ長身男性が「気をちゅけてね」とか「ありがとうごじゃいますぅ」とか言うんだから、その理由も理解できる。

旦那は出会ったころから私のことを「宝物」だという。結婚する前に何度も「いい? 私は世間一般的に見たらゴミだよ? あなたはゴミを拾って宝物だ~って言ってるんだよ?」と伝えたが、いまだに本物の宝物を扱うように私を大切にしてくれることに感謝しかない。

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太田プロダクション所属のピン芸人。キャバクラバイト歴10年、身長173センチの長身女子。推し事が中心の日常も、YouTube『本日は晴天ちゃんねる』にて垂れ流し中。

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