ピン芸人・本日は晴天なりによる連載「バツイチアラフォーの幸せだけじゃない日常」。
人生の半分以上、アイドルやボーイズグループのオタクをしている彼女が今、夢中になっているのが11人組のグローバルボーイズグループ「JO1(ジェイオーワン)」。しかし、年齢を重ねて起きる変化は推し活にもあるそうで、最近は彼らに対しても今までとは違う感情が芽生えているという。そこで今回は、アラフォーならではの推し活を紹介する。
推しのエピソードを親目線で聞いてしまう
40歳になってから変わったことがいくつかある。
・突き指が2カ月経っても治らない
・納豆のフィルムを引っ張るだけで痛い
・納豆の粘り気に指が負ける
・2年前の捻挫も頻繁にうずく
・ケガしてないのに肘関節が痛い
そして、推し活にも若干の変化があった。
少し前までの私は自分がアイドルだったら、自分が恋人だったらと妄想することが多かったが、40歳になったら、自分がこの子の親だったらと、自然に推しが我が子だったらと考えてしまうようになった。
地元を離れて東京生活を送っているというエピソードを聞いたら、息子と離れて暮らすなんてツラ過ぎる!私が母親なら週1新幹線で会いに行っちゃう!とか、ライブに親御さんが来ていたエピソードを聞いたら、私が母親ならうちわ振っちゃうな~でも、メンバーに「お前のお母さんうちわ振ってたじゃん!」って参観日ばりにイジられるかもしれないから、許可を得てからにしよう!など、「私が母親なら」というワードを頻繁に思い浮かべるようになった。
雑誌のインタビューやラジオのちょっとした発言でも自分の子供がこんなこと言ってくれたらうれしいなぁとか、テレビやYouTubeを観ては、息子のこんな笑顔が見たいなぁなどと思うようになった。ちなみに私のリアルに息子は存在していない。残念ながら隠し子もいない。
最近はさらにその妄想が加速し、母親が今住んでいる部屋の掃除に来てくれたエピソードを聞いた際、年頃の男の子なんだから部屋を掃除してるときにエロ本なんかが見つかっても見て見ぬふりしなくちゃ。そのへんは寛大な母親でありたいな、でも、アブノーマルなジャンルだったら道を踏み外す前に言及したほうがいいのか? でも、咎められたら背徳感を募らせてもっとのめり込んでしまうかもしれない……明るく冗談っぽく注意してみる? いや、そんなお節介でデリカシーのない母親になりたくない……。いったいどうしたらいいの!? ってか、今の時代はスマホでエロ動画を観るんじゃないか!? 息子のスマホを見るのはマナー違反だよね? そもそも子供のスマホはいつからチェックしなくなるの? やっぱり今の時代、小学生のころからネットリテラシーの授業は必要だよね……。
と、悩み込んだ。
ちなみにもう一度言うが、私のリアルに息子は存在していない。
いつまでもかわいいと思ってしまう最年少
私はJO1を推しているのだが、特にメンバー最年少の豆原一成くんはオーディション当初、高校2年生。そのままJO1としてデビューしているので、4年経った21歳の今も10代のころのイメージが抜けずにいる。
昨年、晴れて成人を迎えたわけだが、JO1メンバーもファンもこぞって、いつまでも豆ちゃんを「かわいいかわいい」してしまう。年頃の男の子がいつまでも「かわいいかわいい」と言われてたら、反抗したくなるかもしれない。
でも、メンバーの中で一番長身になろうと、一番ガタイがよかろうと、一番しっかり者であろうと、必要以上にかわいい扱いされるのはマンネ(最年少)の宿命とすら私は思っている。
本人はそんな子供扱いにちょっぴり不満があるのか、「俺はもう大人ですよ!」的な主張をすることがあり、「“さんずい”のほうの漢(おとこ)って呼んでね!」と希望し、YouTubeの企画でも“漢・豆原一成”を名乗っている。
結局、そんなところも含めてかわいいという結論に至ってしまうのだが、私は豆ちゃんの気持ちを尊重して、普段は「豆さん」と呼んでいる。
そんな豆さんに対して、親心が爆発したエピソードがある。
とあるラジオで彼は「自分から親に電話をすることはない」と言った。なんだ、なんだ?反抗期か?と思ったが、まったく違った。親と電話で話したいけど、切るときにお母さんが寂しそうなのがわかる。それがわかるから切ったあと自分も寂しくなるからだそうだ。
これを聞いたとき、私は嗚咽するくらい泣いた。息子が電話をしたがらない理由が、寂しくなるからだったなんて。これは私も同じような経験があり、お母さんと電話をし終えた際、部屋がシーンとなるのが切なかった。
その場にいた白岩瑠姫くんと木全翔也くんが共感しているのにも泣いた。みんな同じような感情を抱きながら、それでも仕事のため自立し、がんばっている……。そしてそんな息子からこんなふうに思われていたら、それはそれは幸せだろう。なんていい息子なんだろう。ああ、こんな息子を産むぞ、私は豆原一成を産むぞ!と強く思うのだった。
「私のものにしたい」という感情の正体
この夏から始まったJO1ライブツアー『2023 JO1 2ND ARENA LIVE TOUR ‘BEYOND THE DARK’』の東京公演に行った。
推しのひとりである川尻蓮くんは前髪を下ろしたスタイリングだった。推しのビジュアルが自分好みだったときの高揚感はハンパない。昔から前髪がある人が好みで、高校生のころ、前髪と眉毛の交差するバランスが好きだと友人に力説したことがあるくらいだ。
ライブではいつも、パフォーマンスリーダーである蓮くんから目が離せなくなる。ステージ全体を見ていても、視界に蓮くんを捉えた時点でもうロックオンしてしまう。今回はスタイリングまで私の大好物だったので、ますます蓮くんしか見えない状態だった。
ライブ中、コールをしながら「蓮くんを私のものにしたい」という危ない気持ちが湧いた。蓮くんに対してこんな恋愛依存症のメンヘラ女みたいな感情が湧いたのは初めてだった。
が、すぐに、「いや、“私のものにしたい”とはちょっと違うな……この感情の正体はいったいなんなんだ?」と自分の気持ちに違和感を覚えた。蓮くんを目で追いながら、その感情の正体を言語化しようと考え、その曲が終わるころにはその結論が出た。
自分の家に大理石でできた巨大な円柱みたいなホログラムを設置する。画質は8K(ホログラムに8Kとかあるのか?)。そのホログラムに蓮くんだけを追いかけたカメラの映像(チッケム)を垂れ流しにし、いつでも全曲見られるようにしたい!が、正解の感情だった。
つまりは、蓮くんのパフォーマンスや表情を360度どの角度からも、どの瞬間も全部見逃したくないし、いつでも何度でも見たいという気持ちが「私のものにしたい」の正体だった。危ない感情が芽生えたかと思って、ライブ中にもかかわらず焦ってしまった。それくらい、蓮くんを“そーゆう目”で見ていない自負があった。
親目線にさせてくれないメンバーも
対照的に、“そーゆう目”で見ているといえば、與那城奨くんだ。
今年5月、私はついに生の與那城奨くんに対面した。CDの特典会が抽選で当たったのだ。
詳しくは長くなり過ぎてキモくなり過ぎてしまうので割愛するが、私は短い時間内でよなぴ(與那城くんを私はこう呼ぶ)の存在にいつも感謝している旨を伝え、「そろそろ時間です~」のスタッフさんの声が聞こえたとき、思わず「結婚してください」と言った。
笑顔で「またね~」と手を振っていたよなぴは、私のプロポーズを聞くと急に真顔になり、とびっきりイイ声で「いいよ」とイタズラに笑った。
おい! なんでそこだけ真顔になっちゃうんだよ! ダメだよ!! そんなことしちゃったら危ないおばさん(私)が君の戸籍を全力で狙いに行く可能性あるんだよ!? 危機感ないなぁ、もう!と、怒りすら覚えた。
外で待っていた友人に話すと「不倫じゃん!」と言われたが、自分でもこれは不倫だと思った。私がスタッフなら、こんなこと考えてるやつ、絶対出禁にする。40歳の推し活は親目線になっちゃうと語った私だが、“生城奨”だけはぜんぜん親目線にさせてくれなかった。
40代に突入して心にも体にもいろんな変化があるけど、けっしてネガティブな変化ばかりではない。推し活も若いころより今のほうが楽しめている。
ただ、ライブに行くのにも遠出したり長時間立ちっぱなしだったりと、推し活を楽しむためには体力がいるので、突き指が治ったら無理のない範囲で筋トレを始めようと思う。
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