「邪神ちゃんの下半身は蛇なので…」ギャグマンガのゆるさも意識した『邪神ちゃんドロップキック』コスプレイヤーに聞いた造形へのこだわり

2023.9.19
(左から)尊みを感じて桜井さん、楪くれはさん、しょこらさん、kipiさん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


人気コミック『邪神ちゃんドロップキック』のキャラクターに扮したコスプレイヤーたちの写真と共に、“衣装やメイク、造形に対するこだわりポイント”について聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイク、造形に対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば、会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも、参加する上での醍醐味のひとつ。

世界最大規模のゲーム展示会『東京ゲームショウ2023』(9月21日~24日、幕張メッセにて開催)をはじめ、『池袋ハロウィンコスプレフェス2023』(10月28日・29日、池袋東口エリアにて開催)や『東京コミコン2023』(12月8日~10日、幕張メッセにて開催)、さらには『コミックマーケット103』(12月30日・31日、東京ビッグサイトにて開催)と、コスプレも楽しめる大型イベントは9月以降も全国各地で続々と開催が予定されている。

この記事では、それらに先駆けて取材参加したイベントで撮影させてもらったコスプレイヤーたちの写真を掲載。それぞれに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

ちなみに今回特集するのは、3度にわたってテレビアニメ化もされた人気コミック『邪神ちゃんドロップキック』のキャラクターに扮したコスプレイヤーたち。本作は人間だけでなく、天使や悪魔といった見た目がかなり個性的なキャラが多数登場する点も特徴的な作品だが、どのレイヤーも細部までこだわり抜いた衣装(あるいは特殊スーツ)を着こなして、キャラの特徴を再現。いずれも完成度が高く、それぞれに撮影のための長蛇の列ができていたのが印象的だった。

「邪神ちゃんの下半身は蛇なので、生地ではなく造形で衣装を制作しようと思って。まずは型紙やガムテープでベースの型を作り、部位ごとにサンペルカ(ポリエチレン樹脂の基材)で厚みを変えながら組み立てました。全身を造形にしてしまうとギャグマンガのゆるい感じが出ないので、おなかの部分だけタオル地を使って。ぬいぐるみのようなかわいい雰囲気にしているのもポイントです。メイクは肌の透明感が出るように、いつもよりチークをしっかり入れてみました。金髪を際立たせるために、リップの色を控えめにしたのもこだわったところです」(邪神ちゃん/kipiさん)

『邪神ちゃんドロップキック』邪神ちゃん/kipiさん
『邪神ちゃんドロップキック』邪神ちゃん/kipiさん

「ゆりねちゃんの中二病全開の雰囲気を再現するために、テレビアニメや原作コミックを何度も見返して、表情の作り方や仕草を徹底的に研究してきました。それとウィッグは、ボリューム感も出しつつバランスを保つのが意外と難しくて……。制作にはかなり時間がかかりましたが、なんとか納得のいく形に仕上がりました」(花園ゆりね/尊みを感じて桜井さん)

『邪神ちゃんドロップキック』花園ゆりね/尊みを感じて桜井さん
『邪神ちゃんドロップキック』花園ゆりね/尊みを感じて桜井さん

「橘芽依ちゃんは大きくて丸いタレ目が特徴的なキャラクターなので、つけまつげなどにもこだわって、目がぱっちり大きく見えるように工夫しました。衣装も芽依ちゃんらしくボディラインにフィットするように、丈やウエストを調整してぴったりなサイズ感に仕上げました」(橘芽依/しょこらさん)

『邪神ちゃんドロップキック』橘芽依/しょこらさん
『邪神ちゃんドロップキック』橘芽依/しょこらさん

「今回のコスプレでこだわったのはウィッグの造形と肌の色です。ウィッグは顔まわりのデザインが少し複雑なので、試行錯誤しながら形を整えて。特に両サイドのふわっとした部分は、いい感じに仕上がったんじゃないかなと思っています。それと肌の色ですが、遊佐はほかのキャラよりもワントーン明るい肌色なので、イベントの3カ月ほど前から日焼けには注意しながら生活していました」(遊佐/楪くれはさん)

『邪神ちゃんドロップキック』遊佐/楪くれはさん
『邪神ちゃんドロップキック』遊佐/楪くれはさん

今回の写真は『邪神ちゃんドロップキック』のファンイベント『邪神ちゃんフェス』にて撮影したもの。QJWebでは同イベントのほかにも、全国各地で実施されたさまざまな大型コスプレイベントに取材参加し、それらのレポート記事掲載の準備を進めている。連載形式で順次アップしていく予定なので、乞うご期待!

この記事の画像(全13枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

somtum_tai2

Written by

ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

関連記事

(左から)ショコラさん、雪宮みるくさん

「『GANTZ』レイカのセクシーな雰囲気を再現するために…」バニーガールコスプレでイベントを沸かすレイヤーたちに聞いた“こだわり”

(左から)れも。さん、でりさん、まりもさん

『幽☆遊☆白書』小兎&樹里や『ドラゴンボール』人造人間18号など“アニメの祭典”に集結したコスプレイヤーに直撃取材!

『長島スパコス』で取材・撮影したコスプレイヤーの写真ギャラリー

ツートライブ×アイロンヘッド

ツートライブ×アイロンヘッド「全力でぶつかりたいと思われる先輩に」変わらないファイトスタイルと先輩としての覚悟【よしもと漫才劇場10周年企画】

例えば炎×金魚番長

なにかとオーバーしがちな例えば炎×金魚番長が語る、尊敬とナメてる部分【よしもと漫才劇場10周年企画】

ミキ

ミキが見つけた一生かけて挑める芸「漫才だったら千鳥やかまいたちにも勝てる」【よしもと漫才劇場10周年企画】

よしもと芸人総勢50組が万博記念公園に集結!4時間半の『マンゲキ夏祭り2025』をレポート【よしもと漫才劇場10周年企画】

九条ジョー舞台『SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記

九条ジョー舞台『SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記「猛暑日のウルトラライトダウン」【前編】

九条ジョー舞台『SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記

九条ジョー舞台『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記「小さい傘の喩えがなくなるまで」【後編】

「“瞳の中のセンター”でありたい」SKE48西井美桜が明かす“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】

「悔しい気持ちはガソリン」「特徴的すぎるからこそ、個性」SKE48熊崎晴香&坂本真凛が語る“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】

「優しい姫」と「童顔だけど中身は大人」のふたり。SKE48野村実代&原 優寧の“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】

話題沸騰のにじさんじ発バーチャル・バンド「2時だとか」表紙解禁!『Quick Japan』60ページ徹底特集

TBSアナウンサー・田村真子の1stフォトエッセイ発売決定!「20代までの私の人生の記録」