カバの口はスポーツカーをくわえられる?人は一生のうちに地球を2周半歩く?「まさか!」の連続『信じられない現実の大図鑑2』
この世界は、私たちがまだ知らない“信じられない現実”に満ちている──そんなことを実感させてくれるビジュアル比較型大図鑑が『信じられない現実の大図鑑』だ。
大好評シリーズの第2弾となる『信じられない現実の大図鑑2』(DK社 編著、増田まもる 監訳/東京書籍)は、「雲の重さは?」「地球に生えている木の数は?」「カバの口の大きさは?」「世界で最も大きなトラックは?」などの興味深い疑問の数々が、一瞥しただけで完全にイメージできるようになる図鑑です。
この本の原書を出版しているのは、斬新な図鑑作りで世界的に定評があるイギリスのDK社。本書ではその真骨頂が発揮されていて、見開き単位で“信じられない現実”が見事にビジュアル化されています。
「カバの口はスポーツカーをくわえられる」など、その表現方法も変化に富んでいて最後まで飽きさせません。親子で楽しむのにうってつけな一冊、ぜひ手に取ってみてください。
「まさか!」と声を出さずにはいられない
いくら年齢や経験を重ねても、この世の中には“信じられない現実”がたくさんある。人間が一生のうちにこれらのすべてを知ることは難しい。しかもそれを世界規模で考えてみれば、もうお手上げだ。
そんな“信じられない現実”の数々を、とてもわかりやすく紹介しているのが『信じられない現実の大図鑑2』である。これは、イギリスのDK社から出版され好評を得た『信じられない現実の大図鑑』の第2弾となるもの。
「カバの口の大きさは?」「人間が一生の間に歩く距離は?」など、イメージすることはできるけれど、実感することが難しい“現実”を画像と共に紹介。数値だけ聞いてもピンとこないものでさえも、見開きいっぱいに示される画像によってよりリアルに実態を掴むことができる。
ちなみに、カバの口はとても大きい上に180度近くまで開くらしい。ぱっくり開かれた口の縦の長さは1.2mにもなる。カバの顎(あご)は、スポーツカーをくわえられるほど大きく開くのである。
そして、平均的な人は毎日5,000歩は歩いているらしく、寿命を70年とした場合、その合計距離は10万3,000kmを超えるのだという。多くの人が、一生のうちに地球を約2周半できるほどの距離を歩くのだ。
本書で紹介されているどの“現実”にも、「まさか!」と声を出さずにはいられない驚きがある。
“信じられない現実”の数々
この図鑑は、大きく分けて4つの章から成り立っている。
ひとつ目の「地球とその向こうに広がる宇宙」では、地球や宇宙の信じられない現実を紹介。「自然界」の章では、動物や植物の信じられない現実が紹介されている。特に驚いたのが「最も賢い動物」に関するもので、カラスのほかに、アリ、タコ、ミツバチが並んでいる。その理由は、実際に本書を手に取って確認してほしい。
「人間の体」の章では、「先祖は何人?」などの“人間”にまつわる信じられない現実や、人体についての信じられない現実、また、人間が生きていく上で欠かせない飲み物や食べ物に関する信じられない現実が紹介されている。最後の「技術の発展」の章では、このタイトルからもわかるとおり、人類の技術の発展によって生み出された信じられない現実が紹介されている。
つづいて以下にて、各章で取り上げられている具体的な事例を紹介していこう。
地球とその向こうに広がる宇宙
「月までの距離は?」
この問いに対する“現実”は、「地球から月までの距離は平均で38万2,500kmだが、最も離れると40万5,000kmまで広がる。」というものだ。
月の軌道は円ではないから、地球との距離は変化する。時速110kmの自動車で月まで走るとすれば、月と地球が最も近いときには140日で、最も遠いときには150日かかるらしい。
約5カ月さえかければ、月へと行くことができる?──この図鑑を眺めていると、思わずそんなロマンチックなことを夢想してしまう。
自然界
「ヒツジから作られる毛の量は?」
寒い時期になると欠かせないのが、ウール素材の製品。これは羊毛から作られるものだ。
上記の問いに対する解答は、「毎年、世界中で10億匹のヒツジから200万tの毛が作られている。この量は1日にすると5,479t、1分ならば3.8tになる。」となっている。
ニューヨークにある「自由の女神像」が着られるセーター1着分の毛が、世界全体で4分ごとに作られているらしい。驚くべき量とスピードだ。
人間の体
「人間はいつから地球にいる?」
なんとなく映画やマンガで見聞きしたことがある気がするけれど、もしこう質問されて、自信を持って答えられる人は多くないだろう。
これに対する解答は、「私たち人間、分類学的にはヒト(ホモ・サピエンス)という種は、およそ20万年前に地球に誕生した。だが最初のヒト属(ホモ)の祖先は240万年以上前に現れていた。この240万年という長さは、恐竜が地球を歩き回っていた時間の1.5%にしかならない。」というもの。
文章ではうまく想像ができない。これを本書では、図でわかりやすく解説。腕の長さで地球の歴史を表した場合、人間が存在してきた時間は爪の先ほどにしかならないらしい。
技術の発展
「世界で最も大きなトラックは?」
本書によれば、「ベラーズ75710は鉱山で使われている巨大なダンプカー(ダンプトラック)だ。長さ20.6m、高さ8m、幅10m。」とある。これは、テニスコートにギリギリ収まるくらいの大きさで、ベラーズ75710は立派な成体のアフリカゾウを90頭も運ぶことができるらしい。
「最も大きな熱気球の大きさは?」
筆者はこれまで考えたこともなかった疑問だが、これに対する解答は、「レッドブル・ストラトス計画で使われた熱気球は高さ102mだった。」とある。これは、ロンドンにある巨大な時計台・エリザベスタワー(別名ビッグベン)よりも高いことになる。しかも熱気球といえば、縦だけではなく、横にも大きくふくらむもの。横の大きさまで考えれば、エリザベスタワーを完全に覆ってしまえるサイズだ。
さらにこの章では、「インターネット」に関するデータもいくつか紹介されている。たとえば「ググる」という言葉があるが、Googleでは1回の検索に対して1,000台ものコンピュータを使い、0.2秒で応答しているらしい。しかも、Googleが毎日受けつける検索のおよそ15%は、Googleにとってもまったく初めての検索なのだというから驚きだ。
世界の全体像が掴めてくる?
車を飛ばせば約5カ月で月まで行ける。たった4分間で「自由の女神像」が着られるほどの羊毛が世界で産出されている。人間の歴史なんて地球の歴史からすればほんの少しのもの。いつも何気なく使っているGoogleがどれだけすごいのか──。
なんとなく知っていたようで知らない、どれも“信じられない現実”ばかり。この図鑑のページをめくっているだけで、これまで抱いていたイメージとは違う“世界の全体像”が掴めるてくるはずだ。
宇宙や自然界、人間の進化、さらには技術の発展によって生まれる“信じられない現実”は、これからますます増えていくことだろう。
本書は親子で楽しく読むのにもピッタリだが、大の大人も興奮の声を上げること間違いなし。それほどに世界は未知の、“信じられない現実”に満ちているのである。