ニノミヤユイ 根暗でネガティブ、それが私を構成する要素
声優として活動する二ノ宮ゆいが、“ニノミヤユイ”としてアーティストデビューを果たした。デビューアルバム『愛とか感情』は、自身の内面の多くを占めるという“陰”の部分を前面に打ち出した作品に。しかしその心中を、歌や初挑戦となる作詞を通じて全開に発揮する彼女の音楽への接し方は、非常に真摯かつ前向きなものだった。
※本記事は、2019年12月25日に発売された『クイック・ジャパン』本誌vol.147掲載のインタビューを転載したものです。
カタカナに込めた覚悟
――ニノミヤユイとしての活動では、陰の部分を強くフィーチャーされていますね。
ニノミヤ スタッフさんが「アーティスト活動は自分のやりたい方向性でやりたい音楽をやっていかないと、あとあとつらくなっちゃうよ」と言ってくださったので、自分のやりいことやパーソナルな部分について考えたんです。そうしたら、根暗でネガティブなところが私を構成する要素として大きいように感じたので、かっこよかったり強かったりする、ちょっとトゲのあるような部分をベースにすることになりました。
――そうした方向性を最初にファンの方に伝えたのが、ソロデビューが発表されたバースデーイベントでした。
ニノミヤ そこではリード曲「愛とか感情」のMVも流させていただいたんですけど、曲と映像から私のやりたいことがみなさんにバチッと伝わったように思って。だからこそだと思うんですけど、アーティストデビュー自体以上に「その方向性、いいね」という反響をいただけたんです。最近では「ニノミヤユイ様へ」とアーティストとしてのファンレターもいただくんですけど、そこでも「かっこいい」とか「オーラがすごいです」みたいな声があって……素の自分を受け入れてもらえたように感じられて、すごくうれしかったです。
――その「愛とか感情」は、まさにコンセプトを体現したようなデジタルロックです。
ニノミヤ まずこの曲を手がけてくださったバグベアさんと直接お話させていただいて、もとになるデモを聴かせていただいたんです。もともと欅坂46さんやバグベアさんのサウンドがすごく好きだったのもあって、聴いた瞬間「これ、最高すぎる!」って思いました(笑)。それに「あ、これきっとリードになるんだろうな」とも思うぐらいインパクトが強くてかっこいい曲で。スタッフさんも、そのとき同じように思ったらしいんですよね。
――ちなみに、ほかにも特に印象深い曲はありますか?
ニノミヤ どの曲も大切なんですけど、1曲選ぶなら「私だけの、革命。」でしょうか? この曲はデモ段階では完成版よりも静かで落ち着いた感じだったので、歌詞も最初は感情を抑え気味にしたんです。でもスタッフさんから「もうちょっと、ありのままに感情を出して」と言われたので、まだ学生の自分からの大人への反発みたいなところを取り入れたんです。そうしたらそれに合わせて、楽曲のアレンジもすごく強いピアノロックにしてくださったんですよ。そうやって作詞を通じて曲作りに深く関われていると実感できたので、特に思い入れの深い1曲になりました。
――3月には、早くも初のワンマンライブを開催されます。
ニノミヤ 今はまだどんな心情になるかはわからないんですけど、「高校を卒業して、これから声優もアーティストも本業としてやっていく」という決意を込めたライブになると思います。今回のアルバムには普段は出さない私の切実な思いを込めたので、きっとそういう部分に共感する方もいてくれると思うんです。なので、いろんな意味で来てくださった方の心を強制的にガン!と動かせるものにしたいですね。
――高校を卒業されると徐々に大人に近づいていくわけですが、先ほどおっしゃっていたような反発する気持ちは、変わらず持っていたいですか?
ニノミヤ 私的には「抵抗するのをやめたら終わり」といいますか……なにを言われても「それでも私はこう思う」という一本の芯のようなものを持って、自分がやりたいことをいつでも貫いていきたいんです。もともとは人に影響されやすい部分もあったんですけど、アーティスト活動をさせていただくなかで自分を見失っちゃいけないと強く感じたので、常に自分と向き合いながらやりたいことをまっすぐに突き詰めていきたいです。
ニノミヤユイ
2001年9月6日生まれ、神奈川県出身。声優、歌手。ステージ終演後は感謝の気持ちを込めてお辞儀をすることを忘れない。3月には東京、4月には大阪にて、1st LIVE「愛とか死、或いは名もない感情からの逃避」を開催。
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ニノミヤユイ『愛とか感情』
定価:2,970 円(税込)
LACA-15805
発売中大阪公演のチケットは現在、一般先行抽選販売を受付中。
お申し込みは2月17日(月)23:59まで。
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