『キングオブコント2026』優勝はジェラードン。トリオ時代から貫いた“バカコント”でつかんだ栄光と元相方への感謝

『キングオブコント2026』ジェラードン

文・撮影=大野代樹 編集=梅山織愛


10月17日にTBS系で生放送された求人ボックスpresents『キングオブコント2026』で、ジェラードン(アタック西本、かみちぃ)が優勝し、19代目王者に輝いた。1本目、2本目ともに671点を獲得し、合計1342点。「ファイナルステージ」に進出した蛙亭(1309点)、ヤッホイ(1282点)を上回り、優勝賞金1000万円を手にした。

大会直後、TBSで行われた会見にふたりそろって登壇。賞レースで試行錯誤を重ねた日々、ふたりでの活動に先が見えなかった時期、そして元メンバー・海野裕二への思いを振り返った。

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「5年はめっちゃ長かった」先の見えない日々を越えて

ジェラードンの決勝進出はトリオ時代の2021年以来、5年ぶり2度目で、ふたり体制では初めてのことだった。優勝を決めた瞬間、涙を流していた西本。会見では「人生の目標がひとつ達成できたなって、ちょっと満足しています。正直」と喜びを噛みしめた。

かみちぃにも、目標としてきた優勝が現実になったことへの驚きがあったそうで、「『キングオブコント』優勝を目標としてはいたんですが、優勝できる人生だと思っていなかった。芸風も芸風なので、これを受け入れてくれたことがすごくうれしいです。昨日、六本木の劇場で5GAP兄さんから『バカコントで優勝してくれ』って言われたので、いい報告ができるかなと思います」と話す。

優勝までの長い道のりを問われると、かみちぃは「最初のころ、まったく賞レースのお客さんに受け入れてもらっていない感じがして、『キャラじゃ笑わないぞ』って感じだった。最初は1、2回戦落ちを繰り返していて、いつの日かちょっとだけ笑ってくれるようになってから、『ストーリーがないのでは』と思って、簡単なストーリーを入れるかって。毎年少しずつヒントを得ながら、ようやくここにきて、お笑いをたくさん観てきた人にも笑っていただけるネタになってきたかなと」と、当初は賞レースの観客に受け入れられていないように感じていたと振り返る。

もともとトリオとして活動していたジェラードンは、2021年12月の海野の休養を機に、ふたりでの活動を始めた。その時間を、かみちぃは「5年くらい前からふたりの活動が始まったんですが、まったく先が見えなかったので、この先どうなっちゃうんだろうって。だから、嘘みたい。優勝できると思っていなかった。未来が見えていなかったので。5年はめっちゃ長かった。このコンビになってから、芸歴よりも長く感じました。そこを乗り越えて優勝できたのが、本当にうれしいです」と語った。

一方、この時間での思い出について西本が挙げたのは、相次いだケガだった。「僕だけじゃなくて、かみちぃと交互にでかいケガをしていた」と言い、自身の鎖骨骨折や肉離れ、かみちぃの捻挫などを「よくそれを乗り越えて優勝したなって。アスリートみたいな気持ちでした。体だけはしっかりしなきゃってことで」と振り返った。

『キングオブコント2026』ジェラードン
ジェラードン(左からアタック西本、かみちぃ)

優勝の瞬間にあふれた、抑えていた「エモさ」

1本目を終えた時点で首位に立っても、ふたりが交わしていたのは「エモくならない」という言葉だった。かみちぃは「エモくなったらやらかしちゃうから」と、その意図を明かす。西本も、「ずっとエモくならないようにしていた。エモくなりすぎると、主人公感を抱きすぎると、どこかでミスをすると思っていた。決勝が終わるまで『俺たちは主人公じゃない』と思い続けていたんですが、優勝が決まった瞬間に、溜め込んでいたエモさが一気にあふれ出して。『ああ、今エモいな』っていう涙です」と、最後まで自分たちを物語の主人公だと思わないようにしていたそう。

自身でも「こんなに泣く人間だったんだ」と驚いたと言い、「具体的なものがあるわけじゃない。抑え込んでいたものがぶわっと出た感じです」と、涙の理由を言葉にした。

海野へ「俺が抜けたから優勝したとは思わないでほしい」

2025年2月に正式にコンビとして活動を開始したふたりは、元相方の海野へコメントを求められると、芸人になる前から高校の同級生だった西本は「同級生のね。海野、がんばれよ!」と激励。かみちぃから、すかさず「優勝しちゃったから、めっちゃ上からになってるよ」とツッコミが入った。

西本によると、名古屋に帰ると海野とは同級生に戻り、一緒に食事に行くこともあるという。しかし、普通に会話をしたいと思っていても、海野からは「うるせえな!」「なんでだよ!」とツッコミが飛んでくるそうで、「たぶん、あいつ戻ろうとしています。危険な匂いがしています」と明かす。

報道陣の笑いを誘った西本だが、復帰の可能性を尋ねられると「いやいや、そんな簡単なもんじゃない。どんだけ(ふたりで)がんばったかって」と返した。

続いて、かみちぃが海野へ伝えたかったのは、コンビとして優勝した今も変わらない、トリオ時代への思いだ。「なかなかしんどい5年間だったので。トリオのときの結果より、優勝ってことで結果は上だったんですが、海野に伝えるとしたら、トリオのときのほうが俺らのよさは出ているんじゃないかなっていうのは思っていて。今、このかたちを作ったんですが、一番強みを出せたのはトリオだったと思うので、『俺が抜けたから優勝した』とは思わないでほしい。トリオのときもめっちゃおもしろかった」。

「結成当時の自分たちに声をかけるなら」という問いには、かみちぃが「『優勝するよ、ふたりで』って言います。『どの!?』ってなると思う(笑)」と回答。西本は、当時から好きなネタのジャンルは変わっていないと言い、「大丈夫だよって。ヨゴレじゃないよって」と言葉を送った。

『キングオブコント2026』ジェラードン
19代目王者に輝いたジェラードン

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大野代樹