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「気づけば支えられている。表現者って、素敵な職業ですよね」声優・小原好美にライバーが聞く“続ける原動力”【17LIVE特別企画】

2026.9.25

文=須永兼次 撮影=まくらあさみ 編集=菅原史稀


スマホひとつで、誰もが気軽に発信や創作を楽しめる時代。でも、たくさんの人に見つけてもらい長く応援され続けるのは、そう簡単なことではない。ジャンルを問わず、エンタテインメントの世界で活躍し続けるためには、いくつものハードルを越えなくてはならないのだ。

そこで今回は、17LIVE(イチナナ)で活躍するライバーたちが、アニメ『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(藤原千花役)や『タコピーの原罪』(雲母坂まりな役)などで知られる小原好美に、気になることを直接質問! プロの声優として第一線で活動する小原と、さらなる飛躍を目指すライバーたち、それぞれのフィールドは違えど、話してみると意外な共通点も……!? これからも自分らしく表現活動を続けていくためのヒントが詰まった座談会となった。

人柄や経験が表現へつながる

小原好美(こはら・このみ)神奈川県出身。主な出演作に『スター☆トゥインクルプリキュア』(羽衣ララ/キュアミルキー役)、『ドメスティックな彼女』(葦原美雨役)、『ひとりぼっちの○○生活』(八原かい役)、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(藤原千花役)、『タコピーの原罪』(雲母坂まりな役)など

まずは、小原さんが声優を志すようになったきっかけからお聞きできますか?

まずお芝居に興味を持ったのは、小学校2年生の学芸会での『スイミー』でスイミー役をやったときでして。ひとりポツンと立っているところにパッとライトが当たって……緊張と同時に「楽しい!」という気持ちが芽生えて、「お芝居をしたい」と思うようになったんです。

なるほど。最初はお芝居への関心から始まった。

そうなんです。実際に私、声優の前は身体を使って演技をする俳優をしていたんです。

でも、小学3年生ぐらいのときの三者面談で担任の先生と母から言われた「声優をやったらいいのに」という言葉が、ずーっと自分の中に引っかかっていまして。その先生から「放送委員会に入ってみない?」と言われて、運動会の実況をやったりするなかで褒められたこともすごく心に残っていたので、「挑戦するなら今かな」と思ったときに今の事務所に履歴書を送って、今に至るという感じです。

声優になってから、この職業に対するイメージで変化したことはありましたか?

俳優さんと声優さんはあまり変わらないんだなって。もちろん使う技術は違いますけど、お芝居に対する熱量は基本一緒だと感じて、「すごく素敵な世界が広がっているなぁ」と思いますね。私も活動を始めて10年が経ちましたけど、変わらずお芝居を極めていきたい人たちの集まる、熱い世界だなと感じます。

声優として求められる存在になっていくために、小原さんはどんなものが必要だと思いますか?

「人間として好かれる」というのは、大事なことだと思います。

私自身、声優のお仕事を続けるなかでたくさんの先輩方とお会いしてきましたけど、やっぱり素敵な方ばかりなんですよ。声とかお芝居だけじゃなくて、人間的にも。厳しいことをいうと、一瞬求められるということはあっても、求められ続けるにはそういうものが必要というか……それって、どんな職業であってもすごく大事になると思うんです。

だからこれは“私の中で”ですけど、そこは一番「大事だったらいいな」と思いますし、自分自身も「人として思いやれる人になりたいな」とも思いますね。それにお芝居においても、きっとライバーのみなさんが普段配信でしゃべるにしてもそうだと思うんですけど、そういう人柄やこれまでの人生経験って自然と表れるもののような気がして。だからこそ「何か活動を広げる」となったら、自分自身がいろんなことを見たり聞いたりするという体験も、すごく大事なように思いますね。

今、先輩のお話も出ましたが、小原さんがこのお仕事を長く続けていきたいとより強く意識するのはどんな瞬間ですか?

毎回作品を終えて、たとえば原作の先生や制作のスタッフさん、あとは応援してくださる視聴者の方やファンのみなさんから「この役が小原さんでよかったです」というふうに言ってもらえたとき、より芝居に対する熱意が湧きます。

日々のお仕事は応援してくださる方たちと一緒にしているわけではありませんし、たとえばゲーム収録みたいにひとりでお仕事することも多いんです。そんななかで「それだけの方に応援してもらえているんだな」と実感できると、より「がんばろう」と思うし。

そもそも小さいときから「お芝居したい」という気持ちを持って生きてきたから、「小さいころに思っていた『なりたい大人』に近づけてるのかな?」ということを思ったりもするので……でも、お手紙をいただいたりすること通じても、常に感じたりもしますね。

反響が届いたりしたとき、それを感じることも多いというか。

そうですね。そうやっていただいたファンレターって、私は今まで一度も捨てずに取っていて、お守りのようにもしていますし。でも、もちろんそれだけではなくて。素敵なスタッフさんやキャストさんとで素敵なチームでお仕事していることも多いので、そういった輪の中に入って「より役者として成長したい」という気持ちにならせてくれる方がたくさんまわりにいることで、自分の中からふつふつと湧いてくるものもあるようにも思いますね。

演じる役と「対等に向き合いたい」

では続いて、ここからはライバーのみなさんから小原さんへの質問はありますか?

🍓🩺ひみぃ🐩🍓/本人コメント:2023年9月に配信開始。17LIVEリアルイベント『Winter Rose Garden 2024』で1位を獲得。今年、17LIVEと北海道日本ハムファイターズのコラボイベントで1位を獲得し、始球式での投球を務めました。愛犬との雑誌掲載、『関西コレクション』出演、声優分野にも挑戦しマルチに活動中。ダンスや替え歌で“好き”を全力で楽しみながら配信中!

声優として、表現者としてさまざまな活動を続けていく上で、小原さんの原動力になっているものはなんですか?

お芝居となってくるとまたちょっと難しいんですけど、全体的なことでいうと「自分が成長できているか」とか「楽しいかどうか」は、原動力というか大事にしていることですね。

どんなに好きな仕事に就けたとしても、悩んだり壁にぶち当たることってあると思うんですけど、私もお仕事をするなかで実は「やめようかな」という思いが頭をよぎったこともあるんです。でも「そういうつらい局面を乗り越えたとき、トータルで成長できるんじゃないか?」という自分に対しての期待みたいなものが持てるかどうか、といいますか……。

あと、表現者として自分の感情をマイク前で乗せてはいますけど、どのお仕事にしても「楽しい」と思えているかどうかってやっぱり観る側に伝わるんですよね。だからこそ、「自分自身がちゃんと楽しめるか?」というところも大事にするようにしています。

🌈🫧🩷梅ちゃん🩵🫧🌈/本人コメント:看護教員として大学勤務しています。梅ちゃんです! 昨年、リスナーさんの応援で1年間勉強して看護教員としての資格を取らせていただきました。今後は、看護大学院進学を目指して日々配信をがんばっています

私も少し近い内容かもしれないんですけど……長く声優を続けていくなかで、一番大事にしていることはなんですか?

これは特にお芝居というところでいうと、演じる役に対してあまり“キャラクター”と思って関わっていないことです。私自身どこか「対等に向き合いたい」という想いがあって、ただ単に「かわいい子をやります!」じゃなくて、自分の声と自分の中にある感覚を使って「実際の世界にはいないけど、血の通った子にしよう」と思っているんですよ。

なるほど……。

たとえば『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』に出てくる藤原千花ちゃんって、本当に自由奔放じゃないですか? 私自身は実際にああいうことはしませんけど(笑)、そういう子も含めて「実際いそうだよね」というような子になったらいいな、って。

だから取材のときにも自然と「キャラクター」ではなく「あの子は」と言うようになっているんです。もちろんその土台はスタッフさんや原作の先生が作ってくださっているものではありますけど、自分が関わることで「ちゃんと生きている」子にしたいんですよね。

ほっか❄️🦖hokkai/本人コメント:北海道出身のほっかといいます。地元での看板掲載、関西コレクション出場などさまざまな分野に挑戦し目標に向かって配信しています

私は1日に10時間以上配信することもあって、プライベートでも頭の片隅に配信のことがあることが多いんです。なので、プライベートとの切り替えをどうされているのかお聞きしたいです。

これも声優さんごとに違うとは思うんですけど、私の場合は基本的に嘘がつけない人間なので、声優としてもひとりの“小原好美”としているときもあまり変わらないんです。逆に私の場合、変に偽ると疲れちゃうと思うので、あまり「分けている」みたいなものはないんですね。

ただ、たとえ好きなことだったとしても、さっきおっしゃっていた「10時間配信をする」みたいなことをされるとストレスって溜まるじゃないですか? だからこそ「自分の機嫌は自分で取れるようにならないと」といいますか……どこか心のバランスを保てるように、ということも常に考えてはいますね。

かしまあかり🦌✨️/本人コメント:NexuStella所属の社畜系トナカイVライバーかしまあかりです。好きなものはおしゃれとお酒、ゲームやアニメ、声優さん。雑談を通じてリスナーさんとの交流を楽しみつつ、好きなことへの情熱を発信中

小原さんはたくさんのキャラクターを演じてこられていますが、そのなかで「キャラクターが自分の中に入ってきた」ように感じた瞬間はありますか?

あります。それも作品によってさまざまで……たとえば『タコピーの原罪』みたいにお話が深かったり重かったりすると、自分自身の心を持っていかれて、だいぶずーんとなったりもしますし。

逆にたとえば『かぐや様』になると現場で自然と千花ちゃん声になったりと、ギャグものになると不思議とその子の声になったりするんです。でも私、「憑依する」みたいなかっこいいことはなくて。どこか感覚でやっている人間ではありますし、実際に現場でかけ合いをするなかで生まれてくる音もあったりするから、そうすると自然とその子の声になっていくことが多い……ということなんですよ。

気づけば支えられている、表現活動をすることの魅力

では逆に小原さんからライバーのみなさんへ聞いてみたいことはありますか?

ライバー活動を始めようと思ったきっかけと、続けていくうえで何を原動力にしているのかを知りたいです。たぶんみなさん活動スタイルもそれぞれ違うでしょうから、また変わってくるのかな、と思って。

私は「ひとりでも多くの人に、癒やしや元気を届けたい」と思ったのがきっかけでした。私、配信を始める前は看護師をしていたんですけど、世の中には病院で担当する患者さん以外にも心がつらい方もたくさんいるじゃないですか? だから、ひとりでも多くの方に配信を通して人として関わっていきたいなと思ったんです。でも今は逆に、リスナーさんからの言葉で元気をたくさんもらったりしていて。

それに「ありがとう」の気持ちを込めて、言葉以外にもダンスをしたり歌ったりとリアクションを届けたりもしているんです。それに対してまたリスナーさんから感想をもらえることが、原動力になっています。

私は、まず息子が高校生のときに、「YouTubeとか動画を使ったもので起業したい」と言われたのがきっかけで。そのときは「そんな危ない橋は渡らせられない」と思ったんですけど(笑)、頭ごなしに否定する前に自分もその世界を知ってみようと考えて、配信を始めたんです。それで続けていくなかで、応援してくれる方もできたし配信も楽しくなってきて……当時は看護のクリニックで働いていたんですけど、配信中にポロッと看護の教員になりたいことを話したんです。

そうしたらリスナーさんが「応援してあげるからやってごらん?」と言ってくれて、去年1年間ライバー1本でやらせてもらって、今年看護教員になれたんですよ。それで結局は息子の夢の背中を押すこともできましたし……毎日が楽しくて、それが今の原動力になっています。

私も偶然前職が看護師なんですけど、看護学生のときから配信していまして。最初はコロナ禍でとにかく誰かと関わっていたくて配信を観ていたんですけど、そのなかで仲よくなった方におすすめされて配信を始めたんです。

学生のときは勉強がつらいこともあったんですけど、そういう日でも配信をつけるとみんなが楽しくしゃべってくれて元気をもらえて、寝る前には「今日、いい日だったな」と思えたんですね。それをすごく覚えているので、今度は自分が配信を通じてそう思ってもらえるようになりたい……というのが配信を続ける原動力ですね。

私は、もともとは本当に普通の会社勤めのいちトナカイで(笑)。しゃべること自体は好きだったんですけど、ぐいぐい前に出ていくことは苦手だったんです。そんななか突然「自分を変えたい!」と思って、でも何をしたらいいかわからずにいたときに今の事務所のオーディションの広告を見て、そこに応募したのがきっかけでした。

それで、今活動する原動力……というほど大したものではないかもしれないんですけど、とにかく毎日リスナーのみんなとおしゃべりするのがすごく楽しくて。私がみんなにめっちゃ会いたいから、毎朝出勤前と帰宅後に配信しているんです。今日もみんなの「おはよう」を見たくて、朝配信をしてきたくらいで。もはやルーティンのようなものになってきています。

なるほど……やっぱりこの質問をしてよかったです。本当にきっかけってなんでもよくて。どうなるかはわからないけど、始めてみたら逆に支えられる側にもなっていたりする。それは一緒なんだなと思ったんです。

それに、もしかしたら言われたことがあるかもしれませんけど、直接会って何かをしたわけじゃなくても支えられている視聴者さんは絶対いるはずだから……すごく素敵な職業だなぁと思いながら、お話を聞いていました。

誰かの心に響くように

では最後に、ライバーの皆さんから今日の感想をひと言ずつ順番にお願いします。

自分の中にあった「声優として」という考え方が、今日小原さんの「表現者として」というお話を聞いてガラリと変わりました。ただ表現をするだけじゃなくて、気持ちを込めて届けたい人にちゃんと心を込めて届けるという部分や「人柄が大事」というところ、そして一番はやっぱり「自分が楽しむこと」が活動のうえで大事なんだなと感じました。

私も小原さんのように、誰かの心に響くような表現者として配信者として、これからも夢に向かってがんばり続けていきたいです。

私、小原さんがファンレターをずっと取ってあるとおっしゃられていたことがうれしくて。実は私も配信を始めた日から、もらったギフトを全部スクショしているんです。そういうものの一つひとつがファンへの感謝や思い出、あと今後への糧にもつながるので、そこは共通点だと感じましたし、「人として愛される」という理由も今日すごくわかりました。

私もさっき話題に出た『タコピーの原罪』を観ていたり、アニメを通じて小原さんには人生に彩りを与えていただいていると思っているので、そんな尊敬している小原さんのお話を、直接聞けたことがすごくうれしかったです。私もリスナーさんに、人生の彩りまでいかないかもしれないですけど、「今日、よかった」と思ってもらえるようにこれからもがんばります。

ファン目線で、あえて“ここちゃん”と呼ばせていただきたいんですけど……この対談に参加できたきっかけが、イベントをきっかけにリスナーさんに対して「ここちゃんのいいところを知ってくれ!」みたいなことを始めたら、「それだけ好きなら会ってきなよ!」と背中を押してもらえたことだったんです。

なのでそのリスナーさんたちのことが、今お話を聞きながらすごく思い浮かんで……いつも小原さんからいろんな表現を通じて元気をいただいていますけど、「私も配信を通じて、その表現で何かを届ける側になっているんだな」と認識する、とてもいいきっかけにもなりました。

そして小原さんからも今日の感想と、これから表現の世界を目指す方々へのメッセージをお願いします。

まずは「表現の世界に挑戦したい」という方に向けてなんですけど、今はとても便利な時代なので、「やりたいな」と思うことがもし自分の中にあるのなら、その気持ちを大事にチャレンジしてみてほしいです。挑戦できる媒体はたくさんありますし、その中のひとつに17LIVEもありますから。あと、今日皆さんとご一緒して……正直私、配信者の方に会う機会がなかったのでドキドキしていたんです。

でもやっぱり、やることは違っても気持ちは同じなんだな……って。「ファンの人に支えてもらって、自分もやっていて楽しい!」というところは変わらないんだなと感じましたね。なので、お互いハッピーな気持ちで活動をがんばっていけたらいいなと思いましたし、私もなんだか背中を押してもらえた気分になりました。またどこかで、ご一緒できたらうれしいです!

17LIVEではこんなライバーも活躍中!

星野アリス(ほしの・ありす)/本人コメント:ライバー歴2年。2021年5月より17LIVEで配信を始める。

𝐒𝐇𝐎𝐓𝐀(しょうた)/本人コメント:将来は自分の声をたくさんの人に聞いていただけるお仕事がしたいです。

成神きいちろう🌸🐱(なるかみ・きいちろう)/本人コメント:生まれは人間、今は猫!

七光える🌈💫🌌(ななひかり・える)/本人コメント:毎日22:30~雑談、ゲーム配信をしています。

✨☀️黄昏らん🌙✨(たそがれ・らん)/本人コメント:ギャルでおとめ(男子)のお絵描きVライバーです。

ゆいしですわよ⛽️🗯🔥/本人コメント:配信を通じて、あきらめていた表現者の夢を取り戻し、応援してくださる方々とともに挑戦を続けています。

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須永兼次

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須永兼次

(すなが・けんじ)1986年生まれの、アニソンシンガーや声優アーティストの分野を中心に手がけるフリーライター。中学時代にアニソンにハマり、大学はアニソン作詞家の歌詞を語学の角度から分析した論文で卒業。数年の会社員生活を経て独立し、『リスアニ!』『月刊ニュータイプ』などの雑誌や各WEB媒体、ライブパン..