『Quick Japan』vol.182(2026年2月発売)には、ニューヨークが表紙&「凡才のカリスマ」をテーマにした60ページの総力特集に登場。1年間の密着取材を通して、なぜふたりが多くの人から信頼を集めているのかに迫った。
本特集では、ふたりへのソロインタビューに加え、先輩芸人・永野との対談をはじめ、多数の関係者インタビューが収録されている。ここでは、ニューヨークのYouTubeチャンネルで「まんぷくユナイテッド」からコンビ名を改名した「バリカタ友情飯」へのインタビューの、誌面には収まりきらなかった完全版をお届けする。

バリカタ友情飯
松下遼太郎(まつした・りょうたろう/写真左)と狩野大(かのう・だい/写真右)によるコンビ。東京NSC22期出身
ニューヨークに相談して決めた改名
──ニューヨークさんのYouTubeチャンネルで、「まんぷくユナイテッド」から「バリカタ友情飯」にコンビ名を改名しました。狩野さんが企画を持ち込んだそうですね。
狩野 コンビ9年目で停滞を感じていたときに、ニューヨークさんがYouTubeで僕らのコンビ名をイジってくださったんです。「ちょうどコンビ名を変えたかったし、企画を持ち込んだら何かになるかも」と、ほぼ僕の独断で決めました(笑)。
松下 狩野は若手のころからたびたび「俺らのコンビ名ってどうなんだろう?」と話してはいたのですが、そのスパンがどんどん短くなっていたんです。だから狩野から相談されたときは、すんなりと「変えるか」という話になりました。
──バリカタ友情飯というコンビ名になっていかがですか?
狩野 よかったですね。相方はYouTubeでバズっていますけど、コンビとしては、賞レースで結果が出ているわけでも、目立った活躍ができているわけでもない。「何もしていない」と思われるのが一番イヤだったので、少しでもお笑い界に印象を残せたのがうれしかったです。
──ニューヨークさんに相談してよかったと。
狩野 そうですね。かなりおもしろくしてくれたので感謝しかないです。実は改名後、嶋佐さんが飲みに誘ってくださったんです。僕らが持ち込んだ企画なのに、「『このチャンネルでコンビ名を変えたい』と言ってくれたのが単純にうれしかった。だから手伝わせてもらったわ」とおっしゃってくれて……おそらく飲みに連れて行ってくださったのも、責任感があってのことだと思うので、本当に感動しましたね。
松下 お願いしたとき、最初はお二人も「マジでいいの?」と驚いていましたが、最終的には「本気でやるぞ」というスタンスで向き合ってくださったので、感謝しかありません。
デザイン力が半端ない屋敷
──ここからは、それぞれの魅力をお聞きします。まずは屋敷さんに感じる魅力を教えてください。
狩野 屋敷さんはデザイン力が半端ないと思います。本当はおもしろいのに、ただ見ているだけでは気づかないポイントをいち早く発見し、「おもしろがるべきところはここですよ」とデザインしてくれる。その言語化能力の高さに加えて愛嬌があるから、大衆にも受け入れられるし、おもしろさが伝わりやすいのだと思います。
松下 人への興味がすごいですよね。YouTubeを見ていても「若手芸人にそこまで聞く?」というところまで踏み込むし、個人でやられているゴルフチャンネルでも、蛍原(徹)さんを車に乗せてトークをしていたじゃないですか。若手からベテランまで網羅していてすごすぎるなと。あの質問力はもちろん、ワクワクしながら人の話を聞けるのは、もはや才能だと思います。

苦しんでいる芸人にガチで寄り添ってくれる嶋佐
──続いて嶋佐さんはいかがでしょうか。
狩野 ネタもトガっていて「ダサいことはしない」みたいなスタンスに見えるのに、全方位を受け入れる懐の深さがあるんですよ。嶋佐さんは、ネタのトガりと優しさの二面性があるからこそ、つかみきれない魅力があるのかなと思います。
松下 嶋佐さんは優しさにあふれていて、苦しんでいる人にガチで寄り添ってくれる印象があります。売れる前、つまずくことが多く「『なんで俺だけ?』と嘆いている時期があった」と伺ったことがありますが、そうした経験を経てこその優しさなのかな、と勝手ながら思っています。

ニューヨークはなぜここまで売れたのか?
──コンビとしてはどんな魅力を感じますか?
松下 タイプは全然違うお二人ですが、SNSで「ニューヨークだけ悪口の方向が一緒すぎて笑った」という書き込みを見たとき、「たしかに悪口のときだけ肩を組んでいるな」と共感したんですよね。
狩野 本当にそうだな。コンビってどちらかが「これがおもしろい」というほうに舵をきり、相方がそれについていくものですが、ニューヨークさんは性格真逆なのに「おもしろい」と思う感覚だけはなぜか合致してる。僕らの新コンビ名がChatGPTで出たときも、「これがいい!」と口をそろえていましたからね。こうした感覚が合うコンビは珍しいと思います。
──ニューヨークさんが一番輝く瞬間はどんなときだと思いますか?
狩野 YouTubeの「30分トーク」ですね。ニューヨークさんの前に立つと「本物を見せなきゃいけない」というギアが入るんです。その状態で話していると、その人のまだ見つかっていなかったおもしろさが知らぬ間に引き出される。30分話を聞くだけでそんな奇跡が何発も起きるので、改めてすごい人たちだなと思います。
松下 ABEMAの番組で、ゲストの女性に彼氏がいるとわかったとき、お二人が「彼氏いる女としゃべっても時間のムダ」と反応していたんです(笑)。そのやりとりを見て「すごすぎない?」と思っちゃいました。ふたりそろって「なんじゃこの回!」と口をそろえられるのって、ニューヨークさんだからこそだし、なんだかかっこよく見えたんですよね。絶妙なラインでおもしろに変換しているのはさすがです。

──最後に「ニューヨークはなぜここまで売れたのか?」バリカタ友情飯さんの見解をお聞かせください。
狩野 自分たちが「おもしろい」と思うことから一度もブレず、胸を張ってやってきたからだと思います。それができる芸人ってなかなかいないんです。そうしてギラギラしている一方で、ダメなやつらを受け入れてくれる包容力もある。本来は相反する「ギラギラ感」と「包容力」を併せ持っているからこそ、芸人からもファンの方からも愛されて、ここまで売れたのかなと思います。
松下 芸人の中でYouTubeを始めるのが早かったように、あらゆることにトライして、地道にがんばってきた印象があります。世間的には、「偏見ネタ」や「センス一撃」で一気に売れっ子になったイメージがあるかもしれませんが、若手時代に「ネクストブレイク」と言われ続け、「早く売れなきゃ」とプレッシャーを抱えていた時期もあったと思うんです。そうしたつらい期間を耐え忍んだ過去があるからこそ、今の輝きがあるのだと思います。

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