フリップ芸ゼロ?激動の『R-1グランプリ2026』“攻め”のラインナップを奥森皐月が徹底分析&大予想!
年間100本以上のお笑いライブに足を運び、週20本以上の芸人ラジオを聴く、21歳・タレントの奥森皐月。今回は、3月21日(土)に決勝戦が放送される『R-1グランプリ2026』を予選から振り返り、注目のファイナリストについて語る。
目次
3回戦カット、決勝進出経験者が敗退…波乱の予選
ピン芸日本一決定戦『R-1グランプリ2026』の決勝戦に進出するファイナリスト9名が発表された。
今年の『R-1グランプリ』はこれまでとは違う点が多々あり、決勝前からさまざまな波乱が巻き起こっている。いったい、今年はどうなってしまうのだろうか。

昨年大会は、優勝経験者の田津原理音さんや決勝常連の吉住さん・マツモトクラブさん・ルシファー吉岡さんという強者ぞろいのなか、初決勝かつ最年少で友田オレさんが優勝した。
一時芸歴制限が設けられていた『R-1グランプリ』だが、2024年からは撤廃。その年のチャンピオンは芸歴20年目であった街裏ぴんくさんであった。
やはりベテランが優位な流れかと思った翌年に、23歳・芸歴3年目で友田オレさんが優勝したのは衝撃的であった。

2026年大会は、昨年の5,511人をさらに上回る6,171人がエントリー。エントリー数が増えたことにより、出場できなかった人もいるそうだ。
ピン芸をやりたいと思う人が6,000人以上いるという事実に驚く。来年以降は、エントリーした人は全員出場できる仕組みになってほしい。
そして、エントリー数が増えているにもかかわらず、なぜか今年は3回戦がカットされた。そのため、これまで準々決勝以上に進出していたような芸人さんが2回戦で敗退してしまうという異様な結果が生まれた。
また、これまで決勝進出回数が最多だったマツモトクラブさんが準々決勝で敗退となってしまう驚きの展開もあった。ほかにも決勝進出経験のある芸人さん複数が、準々決勝で敗退するという結果になった。
ちなみに、今年は準々決勝で惜しくも敗退となってしまった人たちのネタが『R-1グランプリ』公式YouTubeチャンネルにて公開されている。
岡野陽一さんのネタがとにかくインパクトが強かった。これだけでも観てほしい。無料で観られるというありがたさ。
2年前の予選動画は信じられないくらい音割れしていたけれど、今年は音質もクリアだ。『R-1』運営の方々、本当にありがとう。
準決勝解説!『M-1』と『THE SECOND』の役割を担っている?
激戦を勝ち抜いて準決勝に進出したのは35名。約0.6%と、本当に狭き門だ。
セミファイナリストの並びを見てまず驚いたのは、コンビ芸人の多さ。35名中13名は、主にコンビ(トリオ)で活動をしている人である。
しかも直近の『M-1』ファイナリストがふたりもいる。ピン芸をメインにしていないのに決勝に進める人はすごいと思う一方で、“純・ピン芸人”を『R-1』の決勝舞台で見たいような気もしてしまう。
また、『R-1グランプリ2009』チャンピオンの中山功太さんや、ふかわりょうさん、島田珠代さんという、超がつくほどのベテランも名を連ねた。
お笑い賞レースには「新たなスターを発掘する」という側面があるだろう。しかし昨年大会では、芸歴35年で50歳のチャンス大城さんが決勝に進出した。
『R-1グランプリ』はある意味、漫才でいう『M-1グランプリ』と『THE SECOND』の役割を同時に担っている賞レースなのかもしれない。
準決勝進出メンバーを最初に文字で見たときに「チャギントン」なる人物を発見した。知らないアマチュアの人だろうか、と思い画像を見ると、その人物はカベポスターの浜田順平さんであった。
なぜチャギントン?と思い調べると、きっかけはいろいろとあってややこしいらしい。しかも、準決勝前に「大人の事情でチャギントンではなく浜田順平として準決勝からは出場します」と本人が報告していた。チャギントンの謎は闇に葬られたというわけだ。
ベテランや常連の芸人さんが多い一方で、学生芸人の「ナカヤ」さんや、普段は公務員の社会人芸人である栗尾真理さん、さらにはフリーアナウンサーの石井亮次さんという目新しいメンバーもいた。
準決勝を配信で観たが、3組ともとてもおもしろい。このような攻めのラインナップも『R-1グランプリ』のよさだと感じた。
決勝進出者9名発表!今年はフリップ・モニターネタがゼロ?
バラエティ豊かな35名の中から勝ち上がったのは、
真輝志/しんや/ななまがり初瀬/さすらいラビー中田/ルシファー吉岡/トンツカタンお抹茶/渡辺銀次/今井らいぱち/九条ジョー の9名。
コンビ(トリオ)の芸人さんが4名というのは、近年では最多だ。真輝志さん、ルシファー吉岡さん、お抹茶さんが決勝経験者で、それ以外は初の決勝となった。
そしてこの9名の並びを見て驚いたことがある。それは、フリップネタやモニターネタをする人がひとりもいないという点だ。決勝戦で披露するネタはわからないが、コントや漫談、音ネタなどの印象のメンバー。
『R-1グランプリ』といえば、フリップやモニターのネタが必ず出場するイメージなので「新しさ」を感じた。そのようなネタがしのぎを削って進化し続けて、逆にそれ以外のネタをやる人が多くなったのだろうか。理由まではわからない。
8回目の決勝進出!ルシファー吉岡に「今年こそ」の期待
決勝メンバーでまず注目すべきは、やはりルシファー吉岡さんだろうか。決勝進出回数は、昨年時点でマツモトクラブさんとルシファー吉岡さんが7回で並んでいた。

そして今年、ルシファーさんが8回目に到達。『M-1』における笑い飯のようになってきており、そろそろ優勝してほしいという気持ちになる。
8回も決勝に進出できるネタが作れるというすごさ。決勝進出者会見では「まったくメロくない」「逆メロ」と言われていたが、“メロさ”なしで8回も決勝に進出できるというのは本物の実力者である証拠だろう。
毎年「今年こそ」と思って応援してしまう。昨年の『THE W』ではニッチェが優勝し「マセキ芸能社初のトロフィー」となった。この勢いで、ルシファーさんがマセキ芸能社にふたつ目のトロフィーを持ち帰るかもしれない。
2回目の決勝進出・お抹茶。トンツカタンの未来はどうなる?
そして、今回が2度目の決勝のトンツカタンお抹茶さん。前回は『かりんとうの車』という衝撃的な歌ネタで爪あとを残した。

そして、そのネタ中に使っていたフリー音源が元の規定に沿わないかたちで使用されていたことがのちに判明し、お抹茶さんのネタがTVerなどから削除される騒ぎとなった。
お笑い賞レースであとにも先にもない珍事件を起こしたというのも、ある意味衝撃的だ。そのフリー音源の作曲家さんに謝罪したところ、改めて『かりんとうの車』用の曲を作ってもらえたという後日談もおもしろい。
お抹茶さんといえば、「トンツカタンの解散を考えている」という発言で先日もネットニュースになっていた。
トリオ間格差を感じて解散を検討しているとのことだったが、『R-1』の決勝に進出して気持ちが変わることはあるのだろうか。優勝したら逆にピンでの仕事が増えるだろうし、どうなるのだろうとドキドキしてしまう。
チャーハン動画が180万回再生!ドンデコルテ渡辺銀次に注目
『M-1グランプリ2025』では準優勝を果たしたドンデコルテの渡辺銀次さんが『R-1』決勝にも進出。

『M-1』を機に一躍脚光を浴び、チャーハンを作る動画がYouTubeで180万回再生されるなど、今最も勢いのある芸人さんのひとりだ。
決勝には届かなかったものの、近年の『R-1』予選でいい成績を残していたため、念願の決勝進出だ。
『M-1』ファイナリストや優勝者が『R-1』でも優勝するケースはこれまでにもあったため、要注目である。
『オールザッツ漫才2020』優勝・今井らいぱちも期待大!
個人的に楽しみなのは、今井らいぱちさんだ。

コンビ時代(ヒガシ逢ウサカ)が好きだったので解散したときは残念だったが、直後の『オールザッツ漫才2020』にてピンで優勝されたのを見て「今井らいぱち」として虜になった。
以来、『R-1』でたびたび準決勝まで進んでいたものの、毎年決勝には届かなかった。そのため、ようやく今年決勝の舞台で見られるのがうれしい。
決勝進出者会見にて「家族を大阪に残して単身赴任しており、今年の『R-1』が無理だったら大阪に帰る予定だった」と話されていたのが印象的だ。
昨年双子のお子さんが産まれたそうで、それが追い風となり決勝に行けたという。今回の『R-1』を機にもっと注目されてほしい芸人さんだ。
『R-1』は、ちゃんとおもしろい
世間的に「名前は知っているけれど、ピンネタは観たことがない」と思う組が多いであろうラインナップだ。これを機に今年の『R-1グランプリ』の注目度が上がるといいな。

世の中が『R-1グランプリ』で盛り上がってほしいし、『R-1グランプリ』の価値がもっともっと上がってほしいと思っている。おもしろいのに「カッコよくてすごいもの」という印象があまりついていないのが悔しい。
3月21日(土)18時30分からカンテレ・フジテレビ系列で放送される。毎年「ここから1カ月?」と思うが、ワクワクする時間が長いのでまあいい。霜降り明星がMCなので、粗品さんの発言にも注目だ。
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